CES参加者のためのガイド – 展示会参加からラスベガス滞在まで

CES参加者のためのガイド – 展示会参加からラスベガス滞在まで

CES参加者のためのガイド – 展示会参加からラスベガス滞在まで

久しぶりに、ラスベガスで開催されたCES 2024に参加してきました。CESは、世界中から最新のテクノロジーとイノベーションを紹介するイベントであり、毎年多くの業界関係者やテクノロジーファンが集まります。ここでは、CESへの参加方法や、ラスベガス滞在で気がついた点をまとめています。

事前準備 - 開催日前日まで

今年のCES展示会の出展者は、公式アナウンスによると4000社以上と、かなりの規模です。意気込んではみても、効率面、体力面を考慮すると、全てのブースを隅から隅まで目を通すのは現実的ではありません。事前に、参加するブースの目星をつけておきましょう。

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各会場ではテーマが設定されている区画があります。各会場の特徴や出展者の状況、または目的の企業があれば、事前に、公式サイトや公式モバイルアプリで目星をつけておくのが良いでしょう。また、開催前日に、メディア向けの公開がありますので、その記事を目安にするのも良いでしょう。

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また、当日の展示会場布巾は、設備の問題か、混雑の影響か、通信状況あまり良くありません。公式サイトのアクセスも難しい状況も想定されますので、事前のスクリーンショットを取っておくのが無難かもしれません。

参加バッジの入手

CES会場へ参加するには、事前の登録に加えて、参加バッジの入手が必要です。展示会の当日、現地でも入手は可能ですが、開場時刻はかなりの混雑ですので、前日までに指定の場所での入手がおすすめです。

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参加バッジについては、CES開催日の1週間ほど前から、ハリー・リード(Harry Reid)国際空港や、Bellagionなどのラスベガスのホテルで入手ができます。

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CES事務局からも、公式アプリ通知や、登録メール経由で、事前バッジ入手の告知がありますので、開催当日の移動をスムーズにするために、事前に余裕を持って入手しておきましょう。

開催当日の動き方

CESは、ラスベガスのストリップ北に位置するLVCC(Las Vegas Convention and World Trade Center)を中心に、会場が分散されて開催されます。まずは、メイン会場となるLVCCまで移動してから、分散している展示会場を巡るのが良いでしょう。

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ただし、LVCCのメイン会場は10時の開場となりますが、周辺の会場によっては9時会場の場合もあるので、精力的に巡るには開場時間の早い展示会場に足を運んでから、移動するのも良いでしょう。

展示会場までの移動

LVCCの展示会場には、モノレールやシャトルバスなどの、公共の移動が簡便です。宿泊するホテルについても、あらかじめ、公共のモノレールへのアクセスや、シャトルバスの有無などを確認してから選択するのが良いでしょう。

モノレールでの移動

MGMグランドを起点に、ストリップ沿いホテルの東側にモノレールの路線があります。起点となるMGMグランドからはホテル駐車場近辺に駅がありますが、ホテルから駅までの距離が短いようであれば、ぜひ利用しましょう。

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モノレールの切符については、乗車区間による料金設定はなく、一日乗車券がお勧めです。乗車券は、公式サイトや当日の駅の自動販売機やカウンターで購入できますので、当日の混雑を避けるために、事前入手がお勧めです。

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特に、始発となるMGMグランド駅での購入は、展示会開催時刻には大変混雑しますので、公式サイトや早朝などの事前購入をお勧めします。

シャトルバスでの移動

また、CESの開催期間中には、主要ホテルに向けた、無料のシャトルバスが運行されます。モノレールへのアクセスが悪い場合には、こちらが第一の選択になるかと思います。

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ただし、シャトルバスも開催時刻間際の時刻は、乗車待ちで大変混雑しますので、余裕を持った移動が必要です。今回は、開場時間の早い展示会場の視察がてら、付近のシャトルバスを利用しようとしたのですが、大変混雑しており、近郊のモノレール駅まで徒歩での移動となりました。

混雑を回避したいのであれば、タクシーや、Uberを利用するのも良いでしょう。Uberについては、各ホテル毎に、個別の乗車エリアがあるため、事前に確認しておきましょう。

展示会場間の移動

CESの展示会は、メインとなるセンターホールを含め、複数の会場で開催されています。センターホール付近の会場は、徒歩でも移動可能ではありますが、なるべく効率的に動きたいところです。

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VEGAS LOOPの利用

CESは複数の会場で開催されますが、各会場間も距離があり、徒歩での移動はかなりの体力を消耗します。移動時間短縮の意味でも、CESの開場期間中に無料で利用できる、VEGAS LOOPを利用しましょう。

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VEGAS LOOPは、CES会場とラスベガスの主要地点をつなぐ地下トンネルシステムです。徒歩だと一苦労する展示会場間の緯度も、VEGAS LOOPに乗ればあっという間に移動できます。

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各展示会付近に乗り場がありますので、行先に応じた待ち場を選びましょう。CES開場期間中のVEGAS LOOPは、相乗り乗車もできるため、混雑時であっても、比較的待ち時間も少なく乗車できます。

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CESの開場期間中、VEGAS LOOPは無料で利用できますので、展示会場を回る効率面や体力面から接極的に活用したいこところです。

ラスベガスへの滞在

CESはラスベガスで開催されますが、ラスベガス周辺にはフーバーダムやグランドキャニオンなど、自然の名所が多くあります。その他、CESへの参加や、ラスベガスでの滞在について参考となる情報をまとめてみます。

ICCEへの参加

CES開催期間に合わせた毎年1月に、ラスベガスでICCE(International Conference on Consumer Electronics)が開催されています。参加費にはCES展示会への無料クーポンも含まれており、CES参加目的での参加者も多いと思います。

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今回のCESについては、ICCEへの論文応募・採択を受けての参加でしたが、ChatGPTの登場により、論文の題材や執筆、発表用のスライド作なども効率的に準備できる時代になりました。

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今回採択された論文も、既存の論文をChatGPTに学習させて応募テーマに応じて骨子を作成したものをベースに投稿、スライドはSlidesGPTでドラフト版を作成したものをベースに発表を行いました。

レンタカーの利用

今回は、ICCEへの参加もあり、ラスベガス空港到着から、レンタカーでの移動をメインにしました。近年のラスベガスのホテルの駐車場は有料化が進んでいますので、駐車場の料金についても事前に確認しておくのが良いでしょう。

有料駐車場の利用

今回は、MGMグランドに宿泊したため、宿泊者用のセルフパーキング($18/日)を利用しました。ラスベガスは、徒歩で移動するのはかなりの距離があるため、レンタカーの活用はお勧めです。

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今回CESと共に参加したICCEの会場となったホテル(Tuscany Suites and Casino)は、宿泊先からもラスベガス中心からも遠く、連日の車での移動は助かりました。

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MGMグランドホテルのカードキーで、MGMグランドはもちろん、ラスベガス周辺のBellagioやLuxorなどのMGMリゾート系列のホテルに終日の入出庫が可能で、系列ホテルののビッフェなどにも気軽に移動できます。

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一昔前のように無料のパーキングは少なくなってきましたが、よそのホテルへの移動や周辺の買い物や、周辺の観光地にでかけるにも便利で、行動範囲が広がります。

ガソリンスタンドの利用

日本でテスラ(Model 3)を予約して渡航したのですが、オーバーブッキングおよび深夜便到着のため当日の営業所に在庫がなく、現地でガソリン車へのアップグレードによる選択となりました。翌日以降は、営業所に出向いて在庫があればテスラに交換できる状況でしたが、ラスベガス周辺ではガソリンスタンドが24時間営業している店舗も多く、慣れもありガソリン車はやはり簡便です。

結局、周辺の観光もあり、テスラへは交換しないままでのラブベガス滞在となりました。基本的にハイウェイ沿いにはガソリンスタンドがありますので、当初想定していたテスラの充電スポットを中心にドライブを計画する必要もなくなり、気軽に移動できました。ガソリンスタンド周辺には、飲料やスナックなども販売されていますので、長距離移動の際には、休憩がてらに立ち寄るのも良いでしょう。

また、近年はICチップの普及とカード情報の照合システムの高度化の背景から、一昔前のような、日本で発行されているキャッシュカードが使えない(ZIPコードの入力が必要となる)ガソリンスタンドも随分と少なくなった印象です。

今回の滞在では、ラスベガス周辺やハイウェイ途中にある、大きめ(スーパーメジャー系)のガソリンスタンドを選んで、10回ほど給油をしましたが、経由地としたハワイを含め、日本のキャッシュカードが使えないことは一度もありませんでした。

携帯事情

通常は、日本でWIFIルーターをレンタルして渡航していましたが、今回はソフトバンクのアメリカ放題を利用しました。アメリカ放題は手続き不要で、アメリカ国内での通話、データ通信が使い放題のサービスです。

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米国での飛行機着陸時に、ソフトバンクからSMSで設定方法の通知がありました。確認してみると、キャリアとしてT-Mobileが選択されていました。今回、ハワイを経由地としたのですが、ハワイもアメリカ放題の対象地域であり、問題なく利用できました。

周辺の観光

もし日程に余裕があれば、郊外のスポットに、レンタカーや現地のツアーで出掛けてみるのはどうでしょう。ラスベガス周辺には、フーバーダムやグランドキャニオンなど、自然の名所が多くあります。

Hoover Dam

ラスベガスの南東に位置するフーバーダムは、ラスベガスから車で約1時間ほどの距離にあります。また、ツアーも多く開催されていますので、現地でのツアーの参加もおすすめです。

フーバーダムは、コロラド川に建設されたダムであり、その規模は圧巻です。外観だけでなく、内部にも見学スポットがありますので、ぜひ参加してみてください。

有料にはなりますが、ダムの内部には、ダムの歴史や建設に関する展示がありますので、訪れた際には、ぜひ参加することをおすすめします。

Grand Canyon

もし、日程に余裕があるのであれば、グランドキャニオン国立公園のサウスリムに行ってみるのはいかがでしょうか。ラスベガスから車で約4時間ほどの距離にあります。また、ツアーも多く開催されていますので、現地でのツアーの参加もおすすめです。

展望スポットからの景色は圧巻で、複数の展望スポットを往復するバスも運行されています。また、グランドキャニオン国立公園内には、コロラド川まで続くハイキングコースもありますので、自然の中での散策も楽しめます。ただし、グランドキャニオン国立公園内は、標高が高いため、気温の変化が激しいですので、服装には注意が必要です。

グランドキャニオン国立公園内には、ホテルもありますので、日程に余裕がある場合は、宿泊してみるのも良いでしょう。また、ハイキングコースを、コロラド川付近まで日帰りで往復することは禁じられていますので、宿泊を含めて事前に計画を立てることをおすすめします。

ラスベガスへの渡航方法

ラスベガスは人気の観光地ですが、日本からラスベガス空港への直行便は運航されていません。一般的にはロサンゼルスやサンフランシスコなどのアメリカ西海岸の都市で乗り継ぎますが、ハワイを経由する方法はいかがでしょうか。今回は、渡航および帰国時にハワイを経由地として選択しました。

ハワイ経由の魅力

経由地となるハワイ・オアフ島は、観光地として非常に魅力的です。長時間の直行便は体力的に大きな負担となりますが、ハワイで一泊または数時間の滞在を挟むことで移動の疲れを軽減できます。また、美しいビーチやリゾート施設を活用すれば、短時間でもリラックスすることが可能です。

オアフ島での移動は、バスやレンタカー、レンタサイクル(biki)などが利用できます。また、ワイキキ周辺には、ショッピングや食事を楽しめるスポットが多くありますので、滞在時間に合わせて観光を楽しむことができます。

渡航時のハワイ観光

渡航時は滞在時間が約4時間と短かったため、バスやレンタサイクル(biki)を利用して、空港に近いアラモアナ周辺の観光を選択しました。アラモアナセンターで食事を楽しみながらショッピングをしたり、周辺のビーチを散策にあてました。

アラモアナ周辺は、観光やショッピング、食事が楽しめるエリアとして非常に便利です。特にアラモアナセンターは、広大な敷地に多数のブランドショップやローカルのお土産を見つけるのに便利なお店が揃っています。

帰国時のハワイ観光

帰国時は、ラスベガスから夜間に到着し、翌日の昼に出発するスケジュールでした。宿泊を伴うものの、夜遅い時間からの滞在だったため、宿代わりに空港でレンタカーを借りました。

到着時間が早い場合はホテルの予約が安全ですが、今回はレンタカー内で仮眠を取り、早朝からダイヤモンドヘッドへの登頂をメインに、ワイキキ周辺での観光や食事にあてました。

ダイアモンドヘッドの入場には事前予約が必要なため、公式ウェブサイトでの予約を済ませておきましょう。駐車場や、頂上付近での混雑はありますが、日の出にあわせての登頂が、涼しい気温の中でハイキングを楽しむことができます。

ハワイ経由のフライトの利点

さらに、ハワイ経由のフライトは、ハワイアン航空のほか、JALやANAの共同運航便も利用できるため、比較的リーズナブルな料金で予約できる場合があります。ハワイを観光地として楽しみながら移動すれば、コストパフォーマンスに優れた渡航が可能です。

最後に

CESは、テクノロジーとイノベーションの最前線を体験できる素晴らしい機会です。今回参加したCES 2024は「All On」がテーマであり、かつてのCESの主役であったデジタルテレビの勢いは薄れつつも、自動車やモビリティ、AI、ロボティクス、ヘルスケア、スポーツ、エンターテイメントなど、多岐にわたる分野の展示が印象的でした。

また、砂漠のラスベガスは、アメリカ西部の大自然に囲まれています。もし日程に余裕があれば、郊外のスポットに、レンタカーや現地のツアーで出掛けてみるのはどうでしょう。いずれにしろ、事前準備と現地での効率的な動き方を心がけることで、充実した時間を過ごすことができます。この記事が、未来のCES参加者の役に立てば幸いです。