Attack! 299(+ 20 + 411) 参戦記

Attack! 299(+ 20 + 411) 参戦記

Attack! 299(+ 20 + 411) 参戦記

今年も、毎年8月の第1週に飯能のサイクルハウスミカミさんが主催しているイベント、Attack! 299に参加してきました。スタート地点とゴール地点がことなるイベントですが、最近は自走で再びスタート地点へ戻ってくる経路も楽しみに参加しています。

Attack! 299 とは

Attack! 299は国道299号を基本ルートとし、飯能市役所から麦草峠を目指す、山岳系のロングライドイベントです。林道の通行止めなど状況により、毎年若干のコース変更はありますが、主要な4つの峠を登る獲得標高3800m、総距離160km程度となる超級山岳コースになります。

山岳メインのコース設定に加えて、開催時期の8月初旬は酷暑になる年も多く、ある程度乗り込んでいないと難易度が高いイベントです。完走するには「如何に最後の麦草峠を余力を持って快適に登るか」が重要なポイントになるかと思います。

余力を持った完走には、コースに設定されている4つの峠のペーシングと8月の天候を加味した酷暑対策が必要不可欠となるイベントです。

往路 (Attack! 299)

最近は前泊せずに、飯能駅の駐車場まで当日に車で移動し、スタート地点の飯能市役所に移動することにしています。少しでも涼しい時間帯で登れればと、早い時間での出走を希望し、3:30枠での出走となりました。制限時間と合わせ、酷暑対策に、なるべく早い時間帯での出走を希望する参加者も多いイベントです。

コース途中にはトンネルなどもあるので灯火装備は必須となりますが、早めに出走時間のグループは、日の出前の真っ暗の中、ライトを前後点灯してののスタートとなります。

飯能市役所〜山伏峠麓まで

信号待ちでの集団の多少の分断などもありつつも、基本的には同時刻出発の参加者の集団でトレインを組んで最初の山伏峠を目指します。今年は先頭切って飛ばすような参加者もおらず、30km前後で淡々と進んでいきます。先頭交代もあまり上手くいっていない感じで、山伏峠を目指し一定ペースで進んでいきます。

序盤はついついオーバーペースになりがちですが、ここでの温存はかなり重要です。山伏峠に近づくにつれ、さすがに速度も上がり、自然と先頭交代が始まりますが、引かない参加者は先頭に出ても全く引かないで下がっていきます。

山伏峠(標高620m)

山伏峠に入ると、早々に集団も崩壊し、各々の参加者のペースで登っていきます。戦略があるチームは、山伏峠を超えてからの下りや平坦コースを見据えて、2人以上で固まって登っていきます。山伏峠は、平均勾配7%の峠ですが、確実にオーバーペースにならないよう、登りながらなんとか回復できる4.0W/kg程度の速度で淡々と登っていきます。

山伏峠〜秩父市街〜志賀坂峠麓

山伏峠は勢いで先頭での通過となってしまい、下りで後続を待っている間、ふとクランクを逆回転させチェーンを落としてしまいました。この間に、3人ほど追い抜かれたましたが、単独走行を避けるため信号待ちなどで、なんとか追いつきます。

山伏峠から国道299号に入ると、秩父の市街地までさらに下っていきます。市街地は平坦基調なので、参加者と協調して進みます。平坦基調で信号の多い市街地を抜けると、2つ目の峠である志賀坂峠を目指します。

志賀坂峠 (標高780m)

志賀坂峠は平均勾配5%は緩やかな峠なので、秩父市街地から志賀坂峠までの区間は、単独走よりも複数人で先頭交代をしながら進むのが効率的です。毎年参加しているチームは、同じチーム内で足の合うメンバーと交代して進んでいきます。

最後の麦草峠の酷暑を少しでも避けるため、なるべく早く到着するため速度を上げたい区間です。ただ、途中の信号もあり、山伏峠までの区間でチームメンバーとは離れてしまったので、単独で2.8w/kgでゆっくりと志賀坂峠を目指します。

上野村・森の体験館 (CP1)

志賀坂峠を超えると第1チェックポイント(CP)となる上野村・森の体験館に到着します。例年、潤沢な補給を準備いただいているので、塩分などもしっかり補給できるポイントです。

ここからの経路となる今年の十石峠は、例年通行止めになることが多い、急勾配の矢久沢林道経由となります。299号線経由より急勾配のルートとなるので、後続を待ちつつ長めの休憩を取ります。

十石峠(標高1,351m)

矢久沢林道経由となる今年のAttack! 299はは、難易度が上がります。十石峠にを終点とする矢久沢林道は平均勾配8%の峠ですが、なかなか休める区間が少なく10%超の区間も頻発する峠です。今回も、Attack! 299用に準備してきた、39Tx34Tのギヤをクルクル回し、2.8w/kgでゆっくりと登っていきます。

最後の麦草峠もそうですが、Attack! 299には「こんな軽いギヤいらないだろう」といったぐらいの、普段より軽いギヤを1枚は積んでいくことをお奨めします。最後の麦草峠もそうですが、ギヤを使い切ってしまうと、重いギヤを踏んでくしかないので、保険としてあるに越したことはありません。

十石峠を超えると、麦草峠のある長野県に入ります。ただ、十石峠の下りは、路面状態は悪いので注意が必要です。速度が出る区間でも、不意に路面が荒れていたりするので下ハンに持ち替えながら、慎重に下っていきます。

セブンイレブン佐久穂町店 (CP2)

十国峠を下り切ると、第2CPとなるセブンイレブン佐久穂町店に到着します。休憩時間の短縮は、もちろんゴール時間の短縮に直結するのですが、このエイドポイントでは、最後の麦草峠に向けて、しっかりとした補給と休憩をとる参加者が多いです。

自分も、しっかりとした食事と水分の補給をとり、やや長めの休憩を取ります。麦草峠の途中にもエイドポイントが準備をされてはいるのですが、酷暑の年には、2ボトルでもエイドポイントまで厳しい時もあります。

今年は、早めに到着できたので、冷凍のペットボトルを購入できました。自転車の2ボトルには浴びることを考えて通常の水、購入したペットボトルをジャージの後ろポケットに入れ、いよいよ最後の麦草峠の登坂開始します。

麦草峠 (標高2,120m)

今年は、酷暑とまでいかないものの、快晴で昼過ぎからの登り初めとなり、なかなかの暑さです。背中の冷凍ペットボトルは心地よく、みるみる溶けていきます。麦草峠の登り初めから、しばらくは木陰はほとんどないので、まずは暑さが和らぐ標高1,500m付近を目標に、2.4w/kgぐらいでゆっくりと暑さを我慢して登ります。

標高1,500mを超えると、だいぶ涼しくなってくるので、ひと安心です。背中のペットボトルは飲み干してしまったものの、ボトルの水は、まだだいぶ残っています。暑さも和らぎ、ここからは給水もさほど必要ではなくなるので、最後の補給ポイント目指して、淡々と登ります。

最後の補給地点で給水をし、あとは299号線の終点となる麦草峠を目指します。ラストが近くなり、あまり長居をして休憩する参加者もいません。自分も、給水をしてすぐに出発します。この地点までくれば、制限時間はともかく完走は間違いありません。

今年は突然の通り雨などもなく、麦草峠まで良い天候のまま登り切ることができました。麦草峠を超えると、あとは今年のゴール地点を目指して下るだけです。ただ、登りと違い荒れた路面も多いので、十石峠とおなじく慎重に下っていきます。

ゴール (ゲストハウスBon)

今年のゴール地点は、例年より遠い麦草峠を降り切ったゲストハウスBonでした。自分としては、このゴール地点は中間地点で、ここから出発地点の飯能駅までの復路もある意味、本番です。自走で戻るため、出発時に手荷物として預けていた装備に変更します。

基本的には、これから続く長距離の夜間走行に備え、より光量のあるライトへの交換と、GARMINへ拡張バッテリーを装着します。また、これからサポートカーもなくなるので、トラブル時に一人で対処はもちろん、より早く復旧できるような装備へ交換します。

- Attack!299 追加装備 備考
ライト VOLT 800 VOLT 1600 交換してVOLT 800は予備に
サイクルコンピュータ Garmin 530 拡張バッテリーパック
サドルバック ORTLIEB マイクロ2 ORTLIEB サドルバッグ2 空気入れなど、より重装備に
フロントバック - LIBIQ フロントバッグ 予備タイヤ、バッテリーなど

Attack!299は、最寄りの駅まで走って輪行で帰るのも良いのですが、早い時間に乗れないと込みますし、座席が空いているとも限りません。手慣れた参加者は、1年前から帰りの座席を予約していたりしますが、混雑を避けるため、車を駐車している飯能駅まで戻ります。

復路 (20 + 411号線経由)

飯能駅までの往路は、まずは20号線まで出て、411号線に入り柳沢峠を超える経路をとります。往路となるAttack!299は距離174km、積算標高3350m、加えて距離172km、積算標高2450mの復路となります。

復路は往路と距離は同じですが、積算標高は1000mほど低く、柳沢峠までは下り基調です。往路の299号線ほど時間はかからず、序盤は十分に回復できる経路です。

柳沢峠を登り始める頃には日が落ちてきて真っ暗になります。装備的にはVOLT800の1本では光量と点灯時間的に厳しいので、ライトはVOLT1600程度の装備が安全です。

夜間の411号線は交通量も少なく、真っ暗になります。安全のため最大光量で走れるように、VOLT800の場合には、最低限でも予備バッテリーは1本は必要です。今回は、VOLT1600の予備としてVOLT800を装備して、暗い柳沢峠を登ります。

柳沢峠 (標高1,472m)

柳沢峠は、登り初めから暗くなり始め、温度が下がり暑さはあまり気にせず登れる時間帯になりました。体力的には2.2w/kgでクルクルと登っていけます。これが、2.0w/kg切る余裕がない状況だと、登りの時間もかかり精神的にもつらいのですが、まだ余力はありそうです。

柳沢峠を登り切ると、山頂もさすがに真っ暗です。ここまで登り切ると、あとは気をつけて下るだけです。ただし、真夏といえど、再び飯能駅まで下り基調となるので、この時間帯でも天候に関わらずウインドブレイカーの装備は必要です。

夜の411号線は肌寒いながらも、雨は降っておらず、交通量も少なくなり快適に下っていけます。御嶽駅付近まで来ると下り基調も終わり、適度なアップダウンな道を、飯能駅を目指して走ります。

市街地へ入ると、やはりホッと一安心です。Attack!299のスタートから19時間ほど経過し、飯能駅への到着は11時半と遅くにはなりましたが、今回も無事に戻ってくることができました。

今年のAttack299!は天候にも恵まれ、体調的にもタイム的にも順調でした。駐車場に到着してから、かるく車で仮眠をとり、自宅へも無事に到着することができました。

最後に

今年のAttack!299は、往路を含めると距離346km、積算標高5800mのロングライドとなりました。経過時間は19時間、走行時間は約16時間と、休憩時間はやや多めなものの、テンポよく完走できました。

天候には恵まれたものの、昼間の暑さと夜間の寒さの差が大きく、最後の柳沢峠以降の夜間区間も多いため、ウェアやライトなどの装備の準備が重要です。また、今回はGARMINへ拡張バッテリーを装着しましたが、なによりサイクルコンピュターやスマートフォン用の予備バッテリーは、長時間のライドには不可欠です。

Attack!299だけでも、充分に楽しいイベントですが、輪行の混雑などを考えると、自走で帰るのも気楽で良いイベントです。今回は、往路復路ともに雨にも降られず、パンクなどのトラブルもなく、無事に到着できて何よりでした。また機会があれば、参加してみたいと思います。