FULCRUM Racing ZERO (C15) 修理

FULCRUM Racing ZERO (C15) 修理

FULCRUM Racing ZERO (C15) 修理

先日、秩父の峠を散策していた日の出来事です。散策も終盤になり、登り坂での休憩からリスタートしたところ、左足を踏み外した勢いで後輪のホイールにシューズを軽く巻き込んでしまいました。シューズの踵がホイールに接触し、はじき飛ばされた感じです。

慌てて停止して確認したところ、幸いにもダメージのあるスポークは1本だけのようで、リムの振れはなく自走に問題はありませんでした。だいぶ暗くなってきており、道路沿いでこれ以上の確認は後回しにして、その日は目的地の道の駅まで帰りました。

破損状況の確認

帰宅してから、あらためてホイールを確認してみました。念入りに確認してみたところ、やはりダメージのあるスポークは1本だけでしたが、シューズと接触した部分のリムには痕があり、写真の赤丸のスポークも軽く曲がっていました。

スポークの損傷は軽微で振れは出ていなかったものの、おそらく見た目よりダメージがありそうなため、スポークを交換して、全体的な再調整をすることにしました。

補修スポークの型番 (R0R-SB01)

幸いにも他のスポーク損傷は見当たらず、スポーク一本の交換で済みそうです。旧型のC15レーシングゼロですが、フルクラムの部品表[1]行(2015年)を見ると、「R0R-SB01」が該当の左側スポークになるようです。

ちなみに、現行(2020年)のレーシングゼロC17部品表を見ると、同スポークの型番はR0-119Bとなっており、現行製品のC17とは型番的にはニップルを含めての互換性がなさそうです。

補修スポークの注文

注文は、店頭で補修部品だけの購入は気がひけるので、今回なネット通販で取り扱っているところを探してみました。海外通販だと1000円〜1400円ぐらい、国内通販では1400円〜4000円程度で販売されています。

店頭で修理を依頼しても、おそらく工賃込みでも修理はそんなに高額にはならなそうです。ただ今回は早めに修理しようと、多少の割高感はありましたが、国内で取り扱っている店舗から取り寄せました。また、ニップル交換用に誘導用のマグネットも合わせて注文しました。

必要な工具

今回の補修には、最低限必要な工具としては、カンパニョーロやフルクラム製ホイール用スポークレンチとトルクスレンチが必要になります。最近のカンパニョーロの製品はトルクスレンチの採用が多くなりました。

スポークレンチは純正の工具(T-07)もありますが、あとでも述べますがパークツールのSW-11の方が精度は良い感じです。また、フルクラムのアルミスポークにはパークツールのBSH-4で対応します。

また、ニップル交換時の誘導用に先端に磁石があるマグネットピックアップツールも合わせて準備します。もともと、自動車整備のために利用していたものですが、純正のニップルガイドマグネット(T-05)の代わりに利用します。

補修部品交換および調整

補修部品が手配できたので、早速修理します。曲がってはいるものの、振れは出ていないので、まずは現状のテンションを計測しときます。スポーク交換後にこのテンションに戻すための計測です。

今回破損したサイドはラジアル組になります。DT SWISSなどの既製品と異なり、ストレートスポークの交換にはカバーを外す必要がありました。トルクスレンチでカバーを外し、破損したスポークとニップルを取り外します。

取り外したスポークを確認してみると結構曲がっており、やはり結構なダメージがあったようです。リム側は、外したニップルを確認する限りではダメージななさそうで、ひと安心です。

まずは、交換するスポークのニップルを新品に交換します。補修部品あるニップルに専用の誘導用の部品を取り付け、バルブ穴から磁石でニップル位置まで誘導していきます。色々試してみましたが、目的のニップル位置まで誘導するには、バルブ穴からニップルを入れ、リムサイドに磁石を取り付け目的の位置までずらして移動していくのが、やや時間はかかりますが確実だと思います。

あとは、今回取り寄せたスポークに交換し、外す前に計測していたテンションまで一気にニップルを回していきます。スポークレンチは純正の工具(T-07)よりも、工具の精度的に若干の遊びがあるのかパークツールのSW-11の方が作業がしやすかったです。

幸いにも、おかしな感触はなくテンションもかけられ、リム側の破損もなさそうです。最後に、全体的な振れを確認しましたが、基本的にリム自体の剛性が高いためか気になる振れもなく、交換したスポークのみの調整でメンテナンスは完了となりました。

フラクラムと言うかカンパニューロ系は、補修部品は長期的に確保してくれるので有り難いです。シマノ系のホイールは、ホイールごとに設計が違うのは良いのですが、絶版後に補修部品の在庫が数年で無くなることあります。今回修理したホイールも絶版品なので、またメンテナンスしながら大事に乗っていこうと思います。