最近、LOOKのMTB系のペダルが刷新されたため、カンパニョーロコンポのロードバイク用ペダルも意識して購入してみました。刷新前は、LOOK独自規格(S-Track)だったのですが、現行品のX-TrackではシマノのSPD互換となったための購入です。
直近のシマノのPD-M9120の刷新[1]にもみられるように、近年のMTBペダルはトレイル重視の設計で、踏み面積の増加と踏み面の後方へのオフセットがトレンドのようです。
さらに、今回のペダルでは、これらのトレンドに加えて、踏み面の傾斜も取り入れられています。これらの設計トレンドを、平坦路も多いロードバイクや通勤視点でレビューしてみたいと思います。
XTR PD-M9020との比較
製品説明にあるとおり[2]、このLOOKペダルもトレイルやエンデューロむけに設計されたペダルとのことです。現行のシマノのPD-M9120とおなじく踏み面が後方にオフセットされており、さらに踏み面に角度がついていて傾斜している形状が取り入れられています。
PD-M9120もトレイルやエンデューロむけに最適化されており[1]、安定性のための踏み面積の向上と、フラットペダルの乗車感再現のための踏み面の後退が最近のトレンドのようです。
ロード用としてみると、この設計トレンドは微妙なところですが、実測を含めてPD-M9020比較してみると以下のような感じです。
- | LOOK X-Track En-Rage | Simano PD-9020 | LOOK X-Track En-Rage Plus |
---|---|---|---|
重量 | 210g | 379g | 225g |
踏み面積 | 545mm | 585mm | 664mm |
踏み面傾斜 | +5° | 0° | +5° |
スタックハイト | 16,8 mm (= 6.1mm + 10.7mm) | 19.2 mm (= 8.5mmm + 10.7mm) | 16,8 mm (= 6.1mm + 10.7mm) |
踏め面積はシマノのPD-M9020と比較すると、約6%減ですがほぼ同等でしょうか。ただし、その上位機モデルのEn-Rage Plusは、今回のEn-Rageより全体的に大きい製品で、シマノより12%ほど広いようです。
全般的に、LOOKらしく低スタックハイトで軽量な設計です。ただし、その踏み面がだいぶ後退しているのと、その傾斜が気になるところです。
傾斜および接触面の確認
SPD互換ではあるものの形状は色々と異なるため、MTB系シューズとの相性、とくにシューズ底面との設置感が気になります。とり急ぎ、手持ちのEXPLORER系のシマノシューズのMT7との装着感はこんな感じです。
シマノのXTR PD-M9020の装着具合と比較すると、その実質的な設置面積は縦方向は短く、横方向は同じぐらいでしょうか。見た目どおり、シューズを装着してみても、後方への傾斜が見て取れます。ロード的には、ちょっと気になるところです。
乗ってみて、どうだったか
さっそくロードバイクに装着して、通勤に試走してみました。漕ぎ始めはの第一印象はは、見た目どおりというか、踏み面が後方にある感と、さらに踏み面の傾斜も感じられ、いままでのペダルとは若干の違和感がありました。
ペダル踏み面の形状的には、おそらく足を止めて斜面を下るようなシチュエーションには最適な感じですが、ロード的な平坦な地形では、ちょっと不向きな設計かもしれません。
ただ、しばらく乗っていると、踏み面の傾斜や後方感も気にならなくなってきたので、一安心です。おそらく無意識に足の角度を調整しているのか、ロードバイクのペダルと比べても違和感がない感じです。
しばらく通勤や、200kmのロングライドにもつかってみましたが、乗り始めこそ毎回違和感がありますが、しばらくすると違和感はなくなってきます。長距離でも、足裏が痛くなったり、踏み面が気になることはありません。いずれにしろ、シマノ以外のSPDペダルの選択肢の一つとして、お勧めできそうです。また、しばらく乗ってみて、気になった点があれば、レビューしてみたいと思います。