Cannondale CAAD4 クランク交換 (FC-R9100 → FC-7700)

Cannondale CAAD4 クランク交換 (FC-R9100 → FC-7700)

Cannondale CAAD4 クランク交換 (FC-R9100 → FC-7700)

今年の初め、CAAD4のクランクを旧来品(FC-7700)から現行品(FC-R9100)へ変更[1]したものの、踏みこみの際の剛性感の違和感に慣れることができず、いったん旧来品のクランクに戻してみることにしました。

FC-7700に戻してみるとFC-R9100で慣れることができなかった剛性の違和感がなくなりました。おそらく、最近のカーボンバイク剛性に合わせたFC-R9100の剛性感は、20年前の剛性も落ちたアルミフレームとのマッチングが良くなかったようです。

剛性感の違いによる違和感

最新クランクのFC-R9100へ変更はいてみたものの[1]、全体的な剛性感の高低は感じられないのですが、ちょっと踏み味が変わってしまいました。いままでの踏み方だと遅れて前に進むと言うか、踏んでも進まない感じがあり、違和感を感じながらも乗り続けました。

平坦では違和感は薄いものの、登坂ではその違和感が強くでます。よくよく踏んだ感じを確認してみると、踏み始めにコツンとした感触があるというか、踏んだときの力点ずれていて、いままでの有効だった踏み込み点が、角度で言えば2度ぐらい後ろにあるような感覚があります。

FC-7700 + BB-7710に再換装

明らかに、いままでの踏み方だと踏み始めが遅い感覚があるため、試しにサドル後方に座り、踏み込むポイントを早めにすると、違和感は消えます。腰を引いたペダリングで、平坦での違和感はほぼなくなったものの、登坂時にはそれほど腰を引くわけにもいかず、試しに乗り慣れた旧クランク(FC-7700)に一旦戻すことにしました。

FC-R9100に換装するまでULTEGRAグレード(BB-6500)のBBを利用していましたが、とくにゴリ感もなく回転もスムーズで耐久性的な問題はなかったものの、交換ついでに新品のBB-7710に変更してみました。BB-7710は、トラック用として提供されているもののメンテナンス不要(正確にはできない)で、軸長109.5mm、シェル幅68mmとロード用のBB-7700と互換性があり、現行入手できるオクタリンク形式としては最適なBBだと思います。

オクタリンク形式のBBはロードバイクでは見かけることはなくなったのですが、現在でもDURA-ACEグレードのBBが入手できるのは有り難いです。当時のDURA-ACEグレードのBB(BB-7700)は玉当たりの調整もできたのですが、趣味レベルでそこまで調整することはなく、メンテナンス不要の現行のBB(BB-6500)に変更した経緯もあり、そんな自分の用途にはBB-7710は最適なBBです。

シマノクランクの剛性について

今回、感覚的な剛性感の違いから旧クランクに戻してしましましたが「Fair Wheel Bikes」サイトに、各社のクランクの剛性を計測した「Road Bike Crank Test - Fairwheel Bikes Blog」という記事がありました。写真にある設備で、クランクとチェーンを固定し、その状態から50ポンド(22.68kg)の力を加え、更に150ポンド(68.03kg)の力を加えた際の、駆動側(D)と非駆動側(ND)側別にたわみ距離を計測しています。

試験対象には今回のFC-R9100のような最新クランクは含まれていませんが、FC-R9100のレビュー記事を参考[4]にすると、計測対象になっている、FC-9000から体感できるほどの剛性アップはなさそうです。また、FC-7700も同じく計測対象には含まれていないため、個人的に同じ感触の旧カンパのアルミクランクをFC-7700に見立てて抜粋してみます。

- Deflection-D (mm) Deflection-ND (mm) Avg Deflection (mm)
Shimano Dura Ace 9000 (2014) 3.98 7.67 5.83
Campagnolo Record Alloy (2006) 5.60 8.82 7.21
Campagnolo Record Carbon (2014) 4.30 7.04 5.67

FC-9100に見立てた、FC-9000の計測結果を見ると、左右の剛性の違いが大きく、特にドライブ側の右クランクの剛性が、全体で2番目に硬い結果が特徴的です。今まで、左右のクランクの剛性の違いを感じることはありまでんでしたが、違和感なく左右で踏めるように剛性感が調整されている結果でしょう。

カンパのカーボンクランクが登場時はまだまだ剛性が低く、人気が高かった旧来のアルミクランク[3]ですが、近年のクランクは軒並み更に高剛性です。FC-7700に見立てた、当時は高剛性と言われたレコードクランクも、この計測結果では一番剛性が低いクランクになってしまったのには、時代の流れとは言え驚いてしまいました。

FC-7700も登場時はホローテックの導入で高剛性が売りでしたが、剛性感の違いから競輪やロードのプロ選手でも旧クランク(FC-7410)を愛用する選手が少なからずいました[3]。同年代のシマノとカンパのアルミクランクの違いは、ややカンパ系の方が硬い感じがありますが、FC-7700についても現在となっては柔らかい部類になるでしょう。

FC-7700に換装した当時は、シマノの世代間やカンパとの違いは感じなかったのですが、今回のFC-R9100の剛性感については世代格差も大きいせいか、違和感に慣れきれませんでした。気がついてみるとFC-R9100のカクッとする踏み初めの違和感は右側クランクだけでしたので、これも最近のシマノクランクの高剛性の特徴で、それに慣れることができなかったのも、今回の原因の一つでしょう。

最後に

FC-7700に戻してみると、FC-R9100では最後まで慣れることができなかった剛性の違和感が、綺麗さっぱり無くなりました。踏んだ感じも剛性感が低くなった印象はなく、むしろホイールとの相性[5]によってはタメ感があり、より踏みやすくなりました。おそらく剛性感が適切になり、20年前のアルミフレームとのマッチングも良くなった結果でしょう。

Component Specification
Frame Cannondale CAAD4 - Saeco Term Replica
Fork LOOK HS3 Carbon 1 inch Threadless
Headset Shimano Dura-Ace HP-7410 + HIRAME Threadless Converter
Shifters Simano Dura-Ace ST-9001 11 Speed
Front Derailleur Shimano Dura-Ace FD-R9100 11 Speed
Rear Derailleur Shimano Dura-Ace RD-R9100 11 Speed
Crankset Shimano Dura-Ace FC-7701 180mm
BB Shimano Dura-Ace BB-7710
Brakes Shimano Dura-Ace BR-R9100
Stem Deda Zero 1 120mm
Handlebar Deda RHM 02 400mm
Seatpost Deda RSX 01 27.2mm
Sprocket Shimano Ultegra CS-R8000 11 Speed 11-32T
Chain Shimano Dura-Ace CN-HG901 11 Speed

購入してしまったFC-R9100は、3ヶ月ほど乗り込んで違和感は克服できなかった結果もあるため、なかなかまた換装するのには若干の躊躇いがあります。ただ、今年のDURA-ACEのモデルチェンジでFC-R9100はシマノ11速コンポーネントの最終クランクとなりそうなので、活用方法についてはまた考えてみたいと思っています。