コロナ禍で世界中で行動が宣言される中、「The Le Col x Strava 8848 Challenge」の開催がありました。この機会に、全くの道の領域であった、vEVERESTINGに[1]へ挑戦してみました。
vEVERESTINGの特別ルール
vEVERESTINGに[1]への挑戦には、スマートトレーナーの利用およびZwiftなどの公式認定アプリの利用が必須となります。基本的に屋外のEVERESTINGの公式ルール[2][3]の公式ルールに準じますが、難易度的には「下り坂はバイクから降りての休憩」が認められているのが、最大の特徴です。
また、紳士協定的になりますが「体重は正確に」「難易度(勾配)設定は100%」などの細かな注意点がありますので、挑戦する際には必ず公式ルール[1]を熟読することをお勧めします。
コース選択 - Alpe du Zwiftがお勧め
vEVERESTINGに[1]への挑戦には、ZwiftのAlpe du Zwiftを選択しました。Zwiftでは、馴染みのある人気コースであることはもちろん、ゆっくり登っても1時間程度で長すぎず短すぎず、vEVERESTINGの特徴的なルールである下りでの休憩時間確保を期待しての選択です。
今回の挑戦は「The Le Col x Strava 8848 Challenge」の開催期間中だったため、Alpe du Zwiftの下降到達地点には、自分を含め、常に何人ものライダーが休憩(停止)して賑わっていました。
Alpe du Zwiftは、獲得標高1,042mであり、8,848mの到達には9回登り切れば確実に達成できます。また、Zwiftユーザーには馴染み深い人気コースでもあり、9回登頂するまでの終了時刻の目安も立てやすいコースかと思います。
Alpe du Zwiftの下降時間は約10分ほどと、簡単な食事やシャワーであれば、充分な休憩時間が確保できます。また、頂上からスタート地点までの勾配の折り返しがなく、スタート地点まで下降途中に止まることもないため、vEVERESTINGの特別ルールを最大限に活用できるコースです。
戦略 - 3.0W/kgを目安に登り続ける
今回の8,848mの挑戦は、全くの未知の経験でした。そのため、今までの1ライドでの最大獲得標高ライド(5,800m)[4]での実績をベースに、戦略を立ててみました。長距離の山岳系のロングライドに参加してみて、毎回後悔することは、いかに序盤に体力を温存するかです。
経験的に、序盤に張り切ってしまうと、後半極端に苦しくなってしまい、総合的なタイムも結局は遅くなってしまします。参考までに、ここ最近の同コースの長距離山岳ライドからペース配分を考えてみました。
- | 山伏峠 | 志賀坂峠 | 矢弓沢林道 | 八ヶ岳 | 柳沢峠 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 247W | 171W | 172W | 147W | 136W | 16:07:27 |
3.98W/kg | 2.75W/kg | 2.77W/kg | 2.37W/kg | 2.19W/kg | ||
2018 | 258W | 192W | 173W | 158W | 116W | 16:29:01 |
4.16W/kg | 3.09W/kg | 2.79W/kg | 2.54W/kg | 1.87W/kg |
経験的には、3.0W/kgは快調に登れ距離も稼げるのですが、2.0W/kgを切ると時間の割に距離も伸びず、疲労困憊し、精神的にも極端にキツくなります。そこで、戦略的には「3.0W/kgを目安に登る」「2.0W/kg以下になれば休息する」ことを念頭に挑戦をスタートしました。
結果 - 11時間16分で登頂
結果としては、11時間16分でvEVERESTINGに[1]の目標である8,848m地点に到達、そのままAlpe du Zwiftを9回登頂し、12時間33分でのチャレンジ終了となりました。登頂ごとに、しっかりとした食事と休憩を取れたためか、後半も124W(2.60W/kg)を下回ることはなく、最後まで疲労困憊なく気持ちよく登れました。
本数 | 時間(分) | パワー(W) | PWR | 心拍数 |
---|---|---|---|---|
1 | 59 | 198 | 3.30 | 127 |
2 | 63 | 186 | 3.10 | 130 |
3 | 63 | 184 | 3.06 | 131 |
4 | 63 | 183 | 3.05 | 132 |
5 | 71 | 162 | 2.70 | 129 |
6 | 73 | 159 | 2.65 | 126 |
7 | 68 | 169 | 2.81 | 129 |
8 | 74 | 156 | 2.60 | 124 |
9 | 70 | 165 | 2.75 | 126 |
登ってみて明らかの出力低下を感じた登頂(6,8回目)は、思いっきり回復優先で登り、次回の登頂時には出力が回復できるのを心がけました。登頂毎に、ずるずると出力が低下し続けなかったのも、最後まで気持ちよく登れました要因かと思います。
また、補給に関しては、4回目の登頂時にやや食欲がなくなりましたが、2回登頂ごとに卵かけご飯やヨーグルトを1杯食べ、登頂毎にシャワーを浴びリフレッシュして、次の登頂に臨みました。
実走でのEVERESTING[2][3]も機会があれば挑戦してみたいとは思いますが、下りは実走以上に休憩が取れ、室内でテレビを見ながら気分転換もできるvEVERESTINGに[1]は難易度も低く、実走での挑戦の布石としても、お勧めです。