SHIMANO RC3 SH-RC300レビュー – SH-RC300の魅力とは

SHIMANO RC3 SH-RC300レビュー – SH-RC300の魅力とは

SHIMANO RC3 SH-RC300レビュー – SH-RC300の魅力とは

今回、シマノノレーシングロードシューズのラインナップに、RC3が新たにリリースされました。先進テクノロジーを搭載し、抜群のパフォーマンスを追求したロードシューズのラインナップとなります。

SH-RC300はエントリーモデルに位置づけられながらも、上位モデルから多くの機能を受け継いでおり、コストパフォーマンスに優れた一足となっています。本記事では、SH-RC300の特徴や利点、気になったポイント、おすすめのライダー層などを詳しく解説します。

SH-RC300の特徴と利点

SH-RC300は、SHIMANOのハイエンドモデル「S-PHYRE」シリーズで培われた技術を継承しつつ、現代的なトレンドを取り入れたコストパフォーマンスに優れた、高性能なロードシューズに仕上がっています。

BOAダイヤルの採用 - 素早い脱着と調整

SH-RC300の目玉機能の一つは、低価格帯ながらBOAダイヤルを搭載している点です。この価格帯では通常、ベルクロや靴紐が一般的ですが、SH-RC300はBOAダイヤルのみを採用しています。ベルクロとの併用もないシンプルな設計は、近年のロードシューズのトレンドではないでしょうか。

BOAダイヤルは、通勤など忙しいシチュエーションでも素早い脱着が可能です。また、ライド中に締め直したり緩めたりといった微調整も簡単に行えます。時間に余裕があれば、靴紐での調整も可能ですが、通勤など、利便性を重視するライダーにとって非常に実用的な選択肢となっています。

ベーシックなデザイン - シンプルでスタイリッシュ

SH-RC300は、シンプルでありながらスタイリッシュなデザインが特徴です。加えて、SHIMANOのロゴや、RC3の製品名のデザインの配置は控えめで、過度に主張しない点も好印象です。カラーバリエーションもベーシックなブラックやホワイト、控えめながらネイビーやレッドなど、通常カラー以外のラインナップもあります。

正直、S-PHYREを筆頭とするシマノノレーシングロードシューズは、トレンドを先取りしている面もあるのか、奇抜なデザインが多く、好みが分かれるところではないでしょうか。シンプルなデザインを求める方にとってSH-RC300は魅力的な選択肢です。

WIDEモデルの選択肢 - ロングライドでも快適

SHIMANOのシューズを選ぶ理由の一つに、WIDEモデルの存在があります。SH-RC300にもWIDEモデルが用意されており、幅広の設計により足の窮屈感を軽減されています。特にロングライドでの快適性を追求したいライダーにおすすめです。

個人的に、シューズを選択する最重要事項は、「足が痛くならない」快適性です。通常モデルでは合わない可能性がある方も、WIDEモデルを選ぶことで足への負担を大幅に軽減できます。長時間のライドで足が痛くなる心配を軽減し、初心者から経験者まで幅広い層に対応しています。

独自のサラウンドラップ構造 - 靴舌を廃止

SH-RC300では、「サラウンドラップ構造」を採用し、靴舌(ベロ)が廃止されています。圧力を均等に分散するBOAダイアルの配置デザインで、特定の部位に負担がかかりにくく、足全体を包み込むようなフィット感があります。

従来のロードシューズに採用されていたベルクロと同じく、ベロが廃止されているのも、最近のロードシューズの重要なトレンドでしょう。BOAダイアルの配置位置は独特ですが、足全体を包み込むようなフィット感があります。

耐久性と通気性を両立したアッパー素材

アッパーには合成皮革とメッシュ素材を組み合わせた構造が採用されています。耐久性に優れた合成皮革と、通気性を高めるメッシュ素材の組み合わせによりフィット感と快適性を両立し、価格以上の高級感も感じさせます。

合成皮革といっても、細かいホールが空いているアッパー部は、シマノのSPDシューズに採用されているような質感の、傷や擦れに強い素材が使用されています。汚れはともかく、通勤のような、毎日のハードな利用にも気兼ねなく、使い倒せそうです。

SH-RC300の気になる点

SH-RC300は、エントリーモデルでありながら、上位モデルから多くの機能を受け継いでいるSH-RC300ですが、気になる点もいくつかあります。

剛性は控えめ - ダイレクト感には欠ける

ソール剛性は6(上位モデルのRC9は12、RC7は10)と控えめです。これにより、上位モデルのようなカーボンソール特有のダイレクト感はありません。ただし、エントリーモデルとしては十分な剛性感があり、トレーニングや日常ライドには適しています。

上位モデルのようなカーボン板を踏んでるようなダイレクト感はありません。ただ、一昔前のナイロンソールのような柔かい感覚はなく、オールラウンド的に、十分な剛性感は維持されています。いずれにしろ、高い剛性やダイレクト感は期待される方は、上位モデルをおすすめします。

フィット感に個人差あり - 足首や踵周りは緩め

BOAダイヤルの配置がスタイリッシュである一方、足首や踵周りのフィット感は一般的なシューズと比べてやや緩めに感じるかもしれません。特に、フィット感を重視する方は通常モデルの方が適している場合があります。

個人的には、快適性を最重要性視しているので、許容範囲のゆるさですが、一般的なシューズのフィット感と比較すると、足首周り、踵周りのフィット感は、甘めの評価にはなるでしょうか。フィット感を重視する方は、少なくとも、ワイドモデルの選択は避けた方が良いでしょう。

最後に - 価格以上の価値を持つエントリーモデル

SHIMANO SH-RC300は、エントリーモデルの枠を超えた充実した機能を備えています。BOAダイヤルやサラウンドラップ構造、WIDEモデルなど、多くの利点が詰まっており、価格以上の価値を提供しています。その一方で、剛性やフィット感にはやや妥協が見られるため、購入時には自分のライドスタイルと目的を考慮することが重要です。

SH-RC300は、 初めてロードバイク用のシューズを購入する方や、快適性とBOAダイアルの利便性を重視する方にとって、理想的な選択肢となるでしょう。また、コストパフォーマンスを最優先に考える方や、トレーニングや通勤など日常使いを目的とする方 にも、おすすめの一足です。

その一方で、レースや高負荷のライドを頻繁に行うライダーや、ペダリング時のダイレクト感、従来の一般的なフィット感を重要視する方には、上位モデルの選択を検討をお勧めします。