近年の9100系/8000系のコンポーネントのワイドレシオ化をきっかけに、9速から11速コンポーネントに部分的に換装していたCAAD4[1]ですが、最終的にほとんどのパーツを11速化してみました。室内トレーニング環境のロードバイク[4]のクランク長統一(175mm → 180mm)を機会に、9速コンポーネントのクランクとブレーキの流用の見直しです。
クランクセットの交換 (FC-7700 → FC-R9100)
最近、室内トレーニングに利用することが多いロードバイク[4]のクランク長が175mm(FC-7700)だったため、トレーニング環境のクランク長(180mm)に統一しました。この機会に、今までCAAD4に装着していたFC-7700(180mm)のクランクをトレーニングバイクへのに移し、CAAD4のクランクを新たにFC-R9100(180mm)に換装してみました。
180mmのFC-7700についても予備はあったのですが、DURACEも今年のメジャーチェンジを控えての影響か、現行の11速クランク(FC-R9100)がセールの値引きと合わせ思ったより安く購入でき、この機会でのアップグレードとなりました。
また、カンパでは180mmクランクは一般には流通しなくなって久しいですが、180mmクランクがDURACEに限定されるものの、いまだ一般に入手できるのもシマノのコンポの強みです。
実走行してみての感想 : ◯
FC-R9100は、実際持ってみると想像以上に軽量で驚いてしまいましたが、FC-7700とは感触はことなるものの、軽量ながらも、かなりの剛性感があります。ただ、FC-7700と比較すると剛性感の違いというか、おそらくは剛性が高い結果でしょうが、剛性感を感はじめる始点がFC-R9100の方が早い感触があり、上死点付近での違いが違和感として感じられました。
FC-7700も登場時はホローテックの導入で高剛性が売りのクランクでしたが、剛性感の違いから競輪やロードのプロ選手でも旧クランク(FC-7410)を愛用する選手が少なからずいました[3]。自分的には、その当時のFC-7700にそれほどの違和感は感じることはできなかったのですが、FC-R9100の剛性感については世代格差も大きいせいか違和感も大きく、しばらく乗り込んで慣れてみたいと思います。
ブレーキの交換 (BR-7700 → BR-R9100)
今回はクランクの換装がきっかけでしたが、ブレーキについても旧型のSuperSLRブレーキ(BR-7700)を流用し、シマノ非推奨の構成(B互換)であったため、今回のアップグレードに合わせてNewSuperSLRブレーキ(BR-R9100)に交換してみました。
なぜ非推奨なのか? - 実測値での違い
いままで利用してきた、NewSuperSLRのブレーキレバー(ST-9001)と、SuperSLRブレーキ(BR-7700)の組み合わせですが、シマノの互換性表[4]では「制動力は、標準の組合わせよりわずかに低下します」と表現されています。
換装後、手元にある各種ブレーキを、前回と同じく吊り下げ秤で計測[5]してみました。実測値で現行のブレーキより35%ほど、旧来のNewSLRブレーキのバネが強いことが分かります。
型番 | 強さ(kg) | 太さ(mm) | 巻き数(回) |
---|---|---|---|
BR-R8000 (NewSLR) | 1.4 | 2.0 | 3 |
BR-7700 (SuperNewSLR) | 1.9 | 2.5 | 2 |
Campagnolo (旧Chrous) | 2.2 | 2.5 | 2 |
TEKTRO R540 | 4.3 | 2.5 | 3 |
今回は、従来のバネの強いSuperSLRブレーキ(BR-7700)を、弱いバネブレーキを引く想定NewSuperSLRのブレーキレバー(ST-9001)で引いていたので、ブレーキの制動については、実測値で500gほど強い握力です。ただし、全体的なブレーキ時の握力からすると、やや体感するのは難しい違いかもしれません。
ちなみに、今回計測したカンパブレーキは20年以上前の製品ですが、シマノと違い現行品とバネレートは同じでカンパ間で互換性があり[5]、流用も問題なさそうです[6]。
ただ、低価格帯のロードバイクに見られるTEKTROブレーキとNewSuperSLRのブレーキレバーとの組み合わは、実測値で約3kgほど強い握力が必要となるため、やや体感できる値かもしれません。おそらく、制動力的な問題はないとは思いますが、より強い握力が必要にはなるので、気になる場合にはブレーキの最適化は検討[5]してみても良いかもしれません。
実走行してみての感想 : ◯
BR-R9100については、MTBのVブレーキのようにブースタープレートが内蔵されています。BR-7700でも今まで剛性不足を感じるシーンはありませんでしたが、今回換装したBR-R9100は、見た目的にも剛性感があるので、ブレーキアームがしなることはなさそうです。
実際の走行では、いまのところフルブレーキングなど、BR-R9100の剛性をでフルスペックで体感することはできてはいませんが、安心感はあります。ただ、フレーム自体はかなり老朽化もしているはずなので、やや過剰スペックかもしれない不安はあります。
最後に
9速時代はロードとMTBコンポーネントには多くの共通点があり、永らく9速のロード(DURA-ACE)とMTB(XTR)コンポのミックスで乗っていたCAAD4[1]ですが、近年の9100系/8000系のコンポーネントのワイドレシオ化によりMTBコンポ流用のメリットが無くなり、今回のアップグレードでいよいよ、最終的にヘッドセット以外は11速化する形になりました。
今年は、シマノも100周年でコンポの12速化が予想されていますが、現時点では12速化されてもワイドレシオ化のような明確なメリットや、チェーンの耐久性などのデメリットもありそうなため、CAAD4については今回の11速化でひとまず落ち着きそうです。まずは、しばらく乗ってみて、シマノの12速化の発表も横目に、また考えてみたいと思います。
Component | Specification |
---|---|
Frame | Cannondale CAAD4 - Saeco Term Replica |
Fork | LOOK HS3 Carbon 1 inch Threadless |
Headset | Shimano Dura-Ace HP-7410 + HIRAME Threadless Converter |
Shifters | Simano Dura-Ace ST-9001 11 Speed |
Front Derailleur | Shimano Dura-Ace FD-R9100 11 Speed |
Rear Derailleur | Shimano Dura-Ace RD-R9100 11 Speed |
Crankset | Shimano Dura-Ace FC-R9100 180mm |
BB | Shimano Dura-Ace BB-R9100 |
Brakes | Shimano Dura-Ace BR-R9100 |
Stem | Deda Zero 1 120mm |
Handlebar | Deda RHM 02 400mm |
Seatpost | Deda RSX 01 27.2mm |
Sprocket | Shimano Ultegra CS-R8000 11 Speed 11-32T |
Chain | Shimano Dura-Ace CN-HG901 11 Speed |