4年前に組んだ「PowerTap GS + KINLIN XR-200」ホイールですが、軽量ホイールでややコースを選ぶため、最近は利用頻度が落ちていました。そのため、いったんバラしてリムを入れ替えよう思っていましたが、ふと、以前から気になっていた、のむラボホイール5号[1][2]を参考に、リアホイールを組み直してみました。
のむラボホイール5号[1][2]とはハブ構成が異なるため、リアのドライブ側のスポークのみの組み替えとなりましたが、体感的にも数値的にも、もともとの強みであった登坂力がさらに強化され、想像以上に効果が体感できました。
リアドライブ側スポークの入れ替え (CX-RAY)
のむラボホイール5号[1][2]は、現在のホールと同じリム(XR-200)、同じスポーク本数(前20H/後ろ24H)の構成ですが、リアドライブ側のみCX-RAYではなくコンペティションで組む通称「半コンペ[3]」で組まれるのが特徴的なホイールです。
ただ、のむラボホイールのもう一つの売りである結線[5]については、今回のストレートスポーク用のリヤハブであるPowerTap GS(DT SWISS 240S相当)では構造上できません。そのため、今回はリアドライブ側のコンペテンション(12本)のみを取り寄せ半コンペ[3]組を試してみました。
のむラボさんでの指摘[4]もある通り、いったん半ドライブ側のCX-RAYのテンションを落とさないと、交換したスポークのテンションの上げるのは難しい感じです。半ドライブ側を緩めないと、ドライブ側のテンションが高くなりそうなので、いったんテンションを落としてからの調整となりました。
試走してみて (+7%の効果?)
組み替え後、その効果を近所の短距離の坂で試してみました。試走は、なるべく同一条件の比較にしようと、ホイールを組み替える3日前とおなじメニューで試してみました。早速、登り坂で踏んだ感じは、完組ホイールのような剛性感があがってカッチリしたと言うよりも、踏んだ時にバネ感が出てじっくり踏めこめる感触に変わりました。
組み替え前は、踏み込むと言うよりも、ややひっかけ気味でクルクル回すようにすると伸びるように登っていくホイールでしたが、組み替え後は、バネ感を意識して丁寧に踏んでいくと、グイグイ登っていくような感触に変わりました。
- | DT-Comp(W) | DT-Comp(秒) | CX-RAY(W) | CX-RAY(秒) |
---|---|---|---|---|
平均 | 398 (+6.9%) | 56 (-7.1%) | 372 | 60 |
1 | 424 | 55 | 366 | 62 |
2 | 386 | 56 | 376 | 58 |
3 | 398 | 57 | 361 | 60 |
4 | 388 | 56 | 375 | 61 |
5 | 381 | 58 | 399 | 58 |
6 | 389 | 57 | 358 | 62 |
7 | 393 | 58 | 366 | 60 |
8 | 377 | 58 | 363 | 62 |
9 | 384 | 59 | 357 | 62 |
10 | 463 | 50 | 403 | 58 |
完組ホイールの感触で表現すれば、フルクラムのレージングゼロのようなシャッキリした剛性感ではなく、シャマル系のような、やや丁寧に力を乗せる感じで踏み込む感じでしょうか。実際の数値平均を見ても、出力、タイム共に7%ほどの向上がありました。体調や機材誤差を差し引いても効果はありそうな結果です。
最後に
XR-200のリムは軽量で高剛性であるものの、やはりヒルクライムが多いコースがメインになり、最近は使用頻度が減っていました。ただ、今回の組み替えだけでも、強みであった登坂力が更に強化されたため、のむラボホイールの性能やのむラボさんの技術が垣間見えた感じです。いずれにしろ、バラさずに、もうしばらく色々と乗り回してみたいと思っています。
また、今回試せなかった結線については、のむラボさんによると競輪の世界でも(効果はありつつもるものの)失伝しつつある組み方のようです[5]。結線といえば、かつてのアラヤが市販していた鉄沢兄弟の完組ホイールを思いだしますが、憧れはありつつも試す機会はありませんでした。今回はハブ的に結線はできない構成でしたが、本家のむラボホイールや結線については機会があれば試してみようと思っています。