Wahoo KICKR(2020)の故障 – 保証期間後の対応について

Wahoo KICKR(2020)の故障 – 保証期間後の対応について

Wahoo KICKR(2020)の故障 – 保証期間後の対応について

2020年末に購入[1]したWhoo KICKR (2020)が故障してしまいました。サポートセンターに連絡を取りましたが、1年間の保証期間は過ぎており、サポートセンターとしては修理対応はでききないとの回答でした。残念ながら、廃棄せざるを得ない状況となり、結局は同社のKICKR MOVEの再購入[3]となりました。再購入に至るまでの、故障と問い合わせの状況についてまとめておきます。

故障状況 - 正常認識も出力が0W

KICKRの故障は、特段の予兆もなく突然発生しました。Zwiftを起動して、普段通りKICKRも正常に認識され開始できたのですが、ペダルを回しても、いっこうに進みません。気がついてみると、ペダルを回してもパワーが常に「0W」の状態です。

ただ、今思えば、Zwiftの勾配にKICKR CLIMBが連動しない症状が発生したことがあったので、予兆だったのかもしれません。KICKRのLEDも正常に点灯、Zwiftのセンサー画面で認識され、ペダルを回す負荷の感触の変化もないものの、パワーは常に0Wと表示されたままの状態です。

KICKR CONNECT[2]で接続していたので、その他のANT+およびANT+FE-Cでの接続を試みましたが、いずれも同じ状況で、パワーが常に「0W」な状況は変わりませんでした。また、同様に、WahooのアプリでもKICKRは正常に認識されているもののん、アプリでもパワーが「0W」の状況でした。

Wahooサポートセンターへの連絡

今回のKICKRはWahooのダイレクトサイトでの購入品[1]です。以前にも、購入したKICKR CLIMBの故障経験もあり[1]、Wahooのサポートセンターに連絡を取りました。

STEP1: 購入経路の確認

最初に、Wahooのサポートセンターでは、ダイレクトサイトのみ購入品のみの対応ということで、購入証明書の提示とKICKR(V5)のシリアル番号の提示を求められました。ダイレクトサイト以外の購入については、基本的には購入した店舗へ連絡してから、日本代理店のインターテックでの対応となるとのことです。

また、正規代理店経由以外の並行輸入品については対応外、海外通販サイトでの購入の場合には、新品交換の依頼が基本となる旨の補足説明がありました。

STEP2: ファクトリースピンダウンによる校正

購入経路の確認を終え、Wahooサポートセンターの担当者からファクトリースピンダウン実行の指示がありました。このファクトリースピンダウンにより校正は、正確なドラッグ値を読み取り、再登録することで、アルゴリズムが使用中の出力を正確に計算できるようにする校正処理とのことです。

ただし、この校正作業は、製造時のに実施する作業であり、絶対に必要な場合を除き、行わないでくださいとの注意がありました。不適切な実施は、キャリブレーションテストでユニットに大きなドラッグが発生し、デバイスに損傷を与える可能性があるとのことです。

○ STEP2-1: ファクトリースピンダウンの起動

ファクトリースピンダウンは、Wahooのアプリから実行できるのですが、その起動については非公開です。隠しコマンドとして実装されており、その起動方法はアプリのバージョンにより異なるようです。

基本的に、KICKR V5 (2020)以降は、自動補正のため、手動によるキャリぷレーション処理は不要とされています。ただし、この所定の隠しコマンドの入力より、通常(?)のスピンダウンと合わせて、ファクトリースピンダウンのメニューが表示されました。

○ STEP2-2: ウォームアップの実行

ファクトリースピンダウンを起動すると、3分のウォームアップが実行の指示がありました。このウォームアップは、モーターの温度を安定させるためのもので、このSTEPまでは正常に実行できました。

× STEP2-3: スピンダウン1の実行

ウォームアップが終了すると、スピンダウン1の指示がありましたが、今回の故障では、ここまでしが実行できませんでした。23マイルまでの加速が求められるのですが、スピードは0マイルのままで、次の段階まで進むことができませんでした。

結論 - 修理対応不可

サポートセンターに結果を報告すると、ファクトリースピンダウンで何も改善が見られない点から、MDUボード(Measuring Display Unit)の不具合が想定されるとの事でした。既に1年の保証期間を過ぎているため、新品交換をもって修理対応、平たく言えば新品購入による対応との回答でした。

サポートセンターではユニットと表現されていましたが、コンピュータボードの故障については、交換による修理には対応できないとの回答でした。ただし、新品購入による交換といっても、故障機材の引き取りはなく、自分で廃棄する必要があります。

故障までの距離 - 8752km

残念ながら、Wahooサポートセンターの判断により修理対応はできず、廃棄せざるを得ない状況となりました。期間としては約3年間[1]、走行距離は8752kmでの寿命となりました。

通勤での実装がメインでのため、ライドの頻度も低く、この走行距離での故障は、予想外のものでした。現行のKICKR v6またはKICKR MOVEについても、保証期間を過ぎた場合には、同様に対応になるとことで、今後の購入については、コストパフォーマンス的に躊躇することになりそうです。

故障状況 - 自己調査

修理対応ができない背景もあってか、Wahooサポートセンターでの対応は、ファクトリースピンダウンの実行結果による判断のみで終了となりました。自己判断で、KICKRのカバーを外して、ベルトの緩みやモーターの異常音を確認して見ましたが、やはり駆動部の問題ではないようです。

故障の状況としては、出力が0Wなものの、負荷の感触は変わらないので、KICKRコネクトによる出力を確認してみました。結果として、KICKRコネクトによる出力は、マルチキャスト(mDNS)での通知メッセージ時のみで、TCPによるパワー情報のパケット送信[2]は全く見られませんでした。

確認前は、0Wのパケットが送信されている想定もあったもですが、MDUボード(Measuring Display Unit)の故障により、ANT+およびANT+FE-Cの接続においても、パワー自体が計測できない状況、あるいは送信処理部が動作していない状況のようです。

最後に - 保証期間は1年

今回、Wahoo KICKR(2020)が故障は、Wahooサポートセンターでの修理対応はなく、廃棄せざるを得ない状況となりました。利用期間3年、走行距離8752km薬購入後約3年での故障は、期待していた耐久性とは異なり、消費者にとっては厳しいものがあります。

Wahooの経営状況も影響していると思いますが、スマートトレーナーの購入には、保証期間やサポート体制を含め、総合的なコストパフォーマンスを慎重に評価することの重要性を再認識させてくれました。