Cannondale CAAD4 11速化 (9速からのアップグレードのまとめ)

Cannondale CAAD4 11速化 (9速からのアップグレードのまとめ)

Cannondale CAAD4 11速化 (9速からのアップグレードのまとめ)

いままで9速ベースだったLOOK KG231の11速化につづいて、おなじく9速ベースだったCannondale CAAD4も11速にアップグレードしました。

アップグレードの基本的なコンセプトは前回と同じで、なるべく当時の雰囲気を残すために、一部のコンポーネントを流用しました。また、前回の経験をもとに、今回のコンポーネントはDura-Aceをメインに換装しています。

11速へのアップグレード必要なもの

安定的に11速にアップグレードするには、11対応のホイールにくわえて、最低限のパーツとして「ディアルコントロールレバー」「フロントディレイラー」「リアディレイラー」「スプロケット」「チェーン」が必要となります。今回のCAAD4を、9速(7700系)から11速(9000系)へのアップグレードで、実際に交換したパーツが以下の一覧です。

Component 9 Speed 11 Speed
Frame Cannondale CAAD4 – Saeco Term Replica
Shifters Shimano Dura-Ace ST-7700-C 9 Speed Simano Dura-Ace ST-9001 11 Speed
Front Derailleur Shimano Dura-Ace FD-7700 9 Speed Shimano Dura-Ace FD-R9100 11 Speed
Rear Derailleur Shimano XTR RD-M953 9 Speed Shimano Dura-Ace RD-R9100 11 Speed
Sprocket Shimano XTR CS-M970 9 Speed 11-34T Shimano Ultegra CS-R8000 11 Speed 11-32T
Chain Shimano Dura-Ace CN-7701 9 Speed Shimano Dura-Ace CN-HG901 11 Speed

11速へアップグレードしたパーツ

今回11速化のため換装した「ディアルコントロールレバー」「フロントディレイラー」「リアディレイラー」「スプロケット」「チェーン」について、パーツごとに説明と実走しての感想をまとめてみます。

シフター (ST-7700-C → ST-9001)

近年のシフターはインデックスの(フリクションではない)ため、最初に11速対応シフターが必要です。とうぜんながら、対応する11速スプロケット(+ 対応するホイール)も合わせて必要となります。
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換装したシフターはひと昔のST-9001です。デッドストック品なのか通販で安く購入できただけの理由ですので、補修部品を考慮すれば、現行の9100系への換装をお勧めします。とはいえ9000系も、いまところ本体と補修部品もまだまだ流通しているので、破損の可能性のあるブラケットカバーやプレートを、いまのうちに入手しておきました。

実走してみての感想 : ○

シフターについては、9速(7700系)に比べると11速(9000系)の違い、多少クリックが軽く(弱く)なったかな?の印象を受ける程度で、決定的な違いは感じられませんでした。クリック感は好みの問題もあるとは思いますが、リアディレイラーの反応についても甲乙つけ難い感じで、明確な性能差は感じられませんでした。

フロントディレイラー (FD-7700 → FD-R9100)

フロントディレイラー については、今回はインデックスタイプのシフターがダブル(2段階)でもあり、11速シフターで9速フロントディレーラーを稼動範囲的に引くことは可能です[1]。ただし、段数が少ないFDの流用は調整がシビアとなるため、調整しきれない場合には対応段数のフロントディレイラーへの交換が現実的です。

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流用が難しい背景としては、チェーンの外幅の減少[2]に伴いフロントディレイラーのケージ幅も最適に変更[3]されているためです。実測で9速FD(FD-7700)のゲージ内幅(12.5mm)と11速FD(FD-R9100)の内幅(11.3mm)は1.2mmほどの差がありました。

今回は最終的には11速対応のFD(FD-R9100)へ換装しましたが、しばらくは通勤などで試走をしながら9速FD(FD-7700)の調整を重ねてました。ただ、9速FDと11速チェーンの組み合わせでは、シフトアップを重視すると何度かチェーンが外側に落ち、チェーン落ちの帽子を重視するとシフトアップがもたついてしまう状態で、1.2mの差は調整しきれず、最終的に流用はあきらめました。

実走してみての感想 : ◎

速さには直接関係はないものの、フロントディレイラーについては、明らかに性能の差は感じられました。時期的にも11速化もが遅れたこともあり、最新式(FD-R9100)への交換となりました。なんといっても、9速時代(FD-7700)と比べると圧倒的に引きが軽く、あまりにスムーズで変速できたか心配になってしまうほどです。

整備面についても、ケーブルテンションの調整がマニュアル化されたことにより、組み付けも非常に簡単になりました。従来のようにセッティング最後に試行錯誤して、ともするとケーブル固定からやり直し …. なんてことはありません。マニュアル通りセッティングすれば、試行錯誤なく一定時間で完了するのもホビーユーザーには嬉しいところです。

リアディレイラー (RD-M953 → RD-R9100 )

シマノ11速では、リアシフトケーブルの全体の巻き量の変更(20 -> 27mm)[4]と共に、巻き量に対するリアディレイラーの移動比率も大幅に変更(1.7 -> 1.4)[5]されたため、9速および10速リアディレイラーの流用はできません。こちらの11速対応ディレイラーへの交換が必須となります。

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シマノの9速から10速への移行は、ディレイラーの移動比率は固定(1.7)[5]で、1シフト当りのケーブル巻量の変更(2.5 -> 2.3mm)で対応のため、ディレイラーの流用は可能でした。ただ、11速ではリアディレイラー側の移動割合(Actuation Rate)に仕様変あり、必然的リアディレイラーの流用は不可となります。

Maker Component Spec Type 9 Speed 10 Speed 11 Speed
Shimano Shifter Cable Pull ROAD 2.5 2.3 2.7
- MTB 2.5 3.4 3.6
- Rear Derailleur Actuation Raito ROAD 1.7 1.7 1.4
MTB 1.7 1.2 1.1 | –

シマノではロードの9速/10速と、MTBの9速のディレーラーは互換性があるため、組み合わせての装着が可能でした。このロードも、元々はロードの9速ディレイラー(RD-7700)が装着されていましたが、ワイドスプロケット目的で、MTB9速のリアディレイラー(RD-M953)とスプロケット(CS-M970)に換装して常用していました。

実走してみての感想

リアディレイラーの性能については、特に9速(7700系)と11速(8000系)の違い、多少クリックが軽く(弱く)なったかな?の印象を受ける程度で、決定的な違いは感じられませんでした。クリック感は好みの問題もあるとは思いますが、リアディレイラーに移動については甲乙つけ難く、明確な性能差は感じられませんでした。

ただ、9速から11速に変化したことで調整もシビアになるかとも思いましたが、インデックス調整も含めて(なんとなく)9速より簡単な印象を受けました。感覚的な話ですが、リアシフターやディレイラー自体の精度も向上しているのかもしれません。

スプロケット & チェーン

11速化には対応するシフターには、対応する11速のスプロケット(+ 対応するホイール)が必要必要です。チェーンも、基本的に内幅については変更がないものの、スプロケットの多段化によるギアピッチの減少[6][11]に伴い、外幅が狭くなっています[2]

Maker Component Spech 9 Speed 10 Speed 11 Speed
Shimano Sprocket Sprocket Pitch 4.35 3.95 3.74
  Sprocket Thickness 1.78 1.6 1.6
  Spacer Thickness 2.54 2.35 2.14
 Chain Inner Width 2.30 2.18 2.18
 Outer Width 6.60 5.88 | 5.62

試しに、9速のチェーンを流用してみましたが、スプロケットが小さくなりギアが隣り合うにつれ、チェーンの位置が定まらず、常にガチャガチャいう感じで利用できませんでした。11速のスプロケットの許容できるチェーンの幅は計算上5.88(= (3.74 x 2) – 1.6)なので、9速(6.60)はそもそも無理、10速(5.88)の流用もギリギリな感じです。

実走してみての感想 : △

なんとなく気になるのは、11速化でチェーンの剛性感が落ちたような感覚があったことです。9速チェーンの交換時には、明らかに新品の高い剛性感を感じられたのですが、今回新品の11速チェーンでは、その感覚がありませんでした。特性的な違い(初期剛性は低いが伸びにくいとか)があるのかもとは思ったりしましたが、感覚的な錯覚で、実際には同じ剛性なのかもしれません。

9速から流用したパーツ

今回、「クランクセット」と「ブレーキ」については9速(7700系)を流用しています。内容については、シマノ非公式な組み合わせを、あくまで自己責任で試してみたものです。その前提で、パーツごとに留意点と実走しての感想をまとめてみます。

クランクセット (FC-7700)

クランク周りについては、デザイン的な面もあり9速クランク(FC-7700)を流用しました。前述の通り、多段化によりチェーンの外幅は狭くなりましたが、チェーンの内側の幅およびチェーンリングの厚さについては、大きな変更がない部分です[6]。また、カンパ、シマノのロード共に180mmのクランクを常用しているため、全台交換となると、価格を含めてクランクが入手しづらかった背景もあります。

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交換にあたり、実際にシマノチェーンをのローラー幅を計測しましたが、9速のチェーン(CN-7701)は2.3mm、11速チェーン(CN-GH901-11)は2.2mmでした。これは9速の廉価版(CN-HG53)でも同じ数値で、9速チェーンのローラー幅のほうが0.1mm幅広の違いがありました。

実走してみての感想 : ○

したがって、実測値からシマノ製品的には、9速のクランクを11速チェーンの適用は0.1mmの仕様上の相違がありますが、許容誤差範囲の数値と判断しています。他メーカについては、10速と11速のチェーンホイールを共用して販売されている現状もありますし、実走での変速性能を含め、気になることはありませんでした。

ブレーキの流用 (BR-7700)

近年のシマノブレーキには(Super)SLRとNewSLRの規格があり、シマノからはブレーキキャリパーとレバーを同じ規格のものを組み合わせることが推奨[7][9]されていますが、今回は自己責任で流用を試してみました。

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実用的なブレーキレバー可動域(20度)で比較すると、9速のSLRのケーブル引き量(7mm)に対して、11速のNewSLRの引き量(8mm)が長くなった違いがあります[8]。今回の場合には、11速ブレーキレバー(ST-9001)で9速ブレーキ(BR-7700)を引くことになるため、原理的に制動力が落ちるのため注意が必要となります[8]

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ブレーキレバーの引き量の違いもそうですが、NewSLRのキャリバーブレーキは、シマノのSLRやカンバのものと比較すると、手の感触で体感できるほど、明らかにバネ感が弱いです。とりあえずは、この組み合わせで、しばらく実走で確認してみることにしました。

実走してみての感想 : ○

通勤やトレーニングでしばらく実走してみての感想ですが、体感できるほどのは制動力の違いはなく、違和感はありませんでした。ただ、前述した通り、今回の組み合わせは、旧SLRブレーキはバネの力も強く、原理的には制動力が落ちているはずですので、それは念頭に置いて運転すべきかと思います。そのいった意味では、テクトロの一部のブレーキのように、よりバネが強いキャリパーとの組み合わせは、避けたほうが無難と思われます。

なぜ11速化したのか?

CAAD4は、基本的には7700系のコンポーネントをメインとして、リアディレイラーのみXTRのMTBディレイラー(RD-M953)を常用していました。RD-7700はロースプロケットが最大27Tまでですが、RD-M953に換装することで最大34T対応まで利用できるのが大きな利点です。今回のアップグレードで取り外したパーツが以下の写真になります。

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9速時代はロードとMTBコンポーネントには多くの共通点があり、このようにMTBパーツと柔軟にミックスできるのが魅了のひとつでした。この柔軟さが、いままで11速化しなかった理由のひとつでもありました。

また、9速時代は、いわゆるシマニョーロ[12]による、シマノとカンパコンポーネントのミックスの許容範囲も広く[13]、大きな魅力でした。ただし、近年はこの状況が色々と変化し、今回の11速へのアップグレードの下地となりました。

11速のワイドレシオ化

ただし、近年のシマノの9100系/8000系のコンポーネントでは、ワイドレシオ化への対応が顕著となり、今回交換したDura-Ace(RD-R9100)であっても30T、Ultegra(RD-R8000-GS)では34Tに対応する時代となりました。もはや、9速のミックスコンポーネントのメリットが無くなってきており、11速へのアップグレードへの背景となりました。

シマニョーロの状況変化

9速時代はシマノのロード/MTBコンポーネントの他にも、カンパのロードコンポーネントとのミックスが可能な点も大きな魅力でした。いわゆるシマニョーロ(カンパのシフターに、シマノコンポーネントをミックスする)[12]ですが、私もホイール(+ スプロケット)は9速のシマノベースに調整して、シマノロードとカンパロードで共用していました。

残念ながら、10速時代になり一旦この状況が崩れて[13]しまうのですが、それがシフトメイトなどの製品が登場する背景にもなりました。個人的には、10速でホイールが共用できないのは大きな問題で、10速化に踏み切れなかった大きな要因でした。しかし、両者の11速化で双方の規格の差も縮まり[4][5]
、再びホイールの共用が可能となる[14]など、10速時代に躊躇した問題が解消されていた下地がありました。

耐久性と補修部品

あとは、一般的なアップグレードの要因としては老朽化による性能劣化や故障があるかと思います。ただし、今回は老朽化による背景はありません。写真にあるとおり塗装やブランケットカバーの劣化がありますが、性能的には約20年間通してノートラブルで、まだまだ現役として使えます。7700系は他に2セットありますが、今日現在どれも性能的には問題がありません。

7700系の補修部品は、部品により2〜4セット分ほどは溜め込んではいたのですが、結局あまり交換する機会はありませんでした。写真にあるものはブランケットカバー(Y6BD98260)の交換はなく、ネームプレート(Y6BD98060)は凹みが増えたために1度交換した程度だと思います。

ただし、シマノ系は世代間で互換性のない部品が多いため、補修部品が年々手に入りづらくなるのが難点です。そのため、一般的には、シマノ系は故障した場合には、補修部品の状況により新品へ交換する選択も多いとおもます。

11速アップグレードのまとめ

最近のシマノ、カンパニョーロのコンポは、いわゆるシルバーパーツ的な構成が少なくなり、ほとんどがブラックやカーボンを基調としたものが主流となっています。今回用いた11速化のコンポーネント(7700系 → 9000系)のブラックパーツの変更で、性能面のほかにも、外観がどう変化するかが心配でした。最終的な外観は、以下の写真となりました。

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今回、ディアルコントロールレバーとディレイラー周りがブラック基調になりましたが、結果的には、ブラック/シルバーの適用箇所と比率は、カンパニョーロの10速時代と同じような構成となり、見た目もそれほど違和感なくアップグレードできた感じています。最終的なパーツ構成は、以下の表となります。

Component Specification
Frame Cannondale CAAD4 – Saeco Term Replica
Fork LOOK HS3 Carbon 1 inch Threadless
Headset Shimano Dura-Ace HP-7410 + HIRAME Threadless Converter
Shifters Simano Dura-Ace ST-9001 11 Speed
Front Derailleur Shimano Dura-Ace FD-R9100 11 Speed
Rear Derailleur Shimano Dura-Ace RD-R9100 11 Speed
Crankset Shimano Dura-Ace FC-7701 180mm
BB Shimano Dura-Ace BB-7700
Sprocket Shimano Ultegra CS-R8000 11 Speed 11-32T
Brakes Shimano Dura-Ace BR-7700 Brake Lever Integrated
Stem Deda Zero 1 120mm
Handlebar Deda RHM 02 400mm
Seatpost Deda RSX 01 27.2mm
Chain Shimano Dura-Ace CN-HG901 11 Speed
SN 13794

パーツに関しては、この時代のロードはヘッド回りは1インチがまだまだ主流なため、どうしても一部は古いものが残ってしまします。シートポストは、この時代から27.2mmが主流となってきたため、現在でも交換は容易です。

今回は、9速から変則的な11速へのアップグレードとなりましたが、いまのところ安定的に違和感なく乗れており、スムーズに移行できた感じです。だだし、今回はメーカー非公式かつ非推奨な部分を検証した内容を含みますので、今回の内容については自己責任の範囲で参考にしてください。