Garmin Edge 1040 Solar – 3ヶ月間使用してみて

Garmin Edge 1040 Solar – 3ヶ月間使用してみて

Garmin Edge 1040 Solar – 3ヶ月間使用してみて

いままでのロングライドには、Edge30/830にはGarminの外部バッテリーを組み合わせ、ナビゲーションが必要な場合には更にスマートフォンとも組み合わせていました[1][2]。ただし、スマートフォンはバッテリーは消費が激しく、スマートフォン向けに、更に追加予備バッテリーが必須となります。また、最近はスマートフォンも大型化され、ハンドル周りのライトなどと干渉するようになりました。

ふと、今年発売されたGarmin Edge 1040 Solarであれば、Edge単体でハンドル周りをスッキリさせられるのでは?と思い立ち、今年はメイン機種として使ってきました。結論としては、スマートフォンとの併用の解消までには至らず、従来機種のEdge 530/830の上位互換機種とも言い切れない、と言う現在の感想に至っています。

はじめに

Edge 1040 (Solar)の付属品

Edge 1040 (Solar)は、本体のみの単体販売です。通常のEdge 1040は、Edge 830などと同じ、心拍計とスピード・ケイデンスセンサーとのセット販売しかありません。Edge 1040 (Solar)は、ソーラー充電機能の追加もあり、既存のセンサーを流用する場合には、ありがたい単体販売です。

付属物は、各種マウンターと落下防止のストラップ、専用カバーが付属しています。マウンターはEdge 530/830とは異なり、Garmin純正の外部バッテリーへの対応品です。純正の専用カバーが付属するものの、ちょっと厚手です。最初装着してはみたものの、使用感が悪く購入早々に外しています。

◯ : 設定 – 移行も簡単に

設定は、Garmin Connectがアップグレートしており、スマートフォンに接続すると簡単に設定が完了します。設定については、既存のEdge製品の登録があれば、パフォーマンスやセンサー情報が、引き継がれて設定されるようです。

特に、既存Edgeと連携済みの各種センサーについても引き継がれるため、各種センサーを新規に登録する手間が省けるのは、嬉しい機能です。

ただ、プロファイル画面なども引き継がれるのですが、複数のEdgeが登録されている場合には、どのEgdeからのどのプロファイル引き継ぎなのかを確認する術がなく、若干不親切な面もあります。現状では、Edgeに複数プロファイルが設定されていても、1プロファイルの引き継ぎに留まるようです。

全般

△ : 画面サイズ – 認識性が低下 (大きすぎ?)

購入する前は気にはしていなかったのですが、Edge 500系や800系のサイズと比べると、かなり大きいサイズです。個人の視認能力に慣れによる違いもありそうですが、画面全体を視覚的に認識するには、ちょっと大きすぎな感があります。

特に、数値画面の認識性の低下が顕著です。慣れの問題もあり、Edge830では視覚的に1ブロックで認識できていたものが、Edge 1040での認識には2ブロックかかる感じです。従来機種のEdge 520plusと830と実際に比較してみると、以下のような感じになります。

最初は、慣れの問題もあるかとも思いましたが、やはり大きすぎというか、いまだに慣れることができません。走行中の数値を確認する毎に、2度見するような感じになり、なかなかのストレスです。

△ : 画質 – 視認性が低下

Edge 1040 Solarは、画面上下部だけではなく表示部についても充電可能なソーラーガラス(Power Glass)[3] [4]が採用されています。走行中に気になるほどではないのですが、通常のガラス製品と比較してみると、全般的に白みがかっており視認性への影響が確認できます。

基本的にバックライトの調整は自動(Auto)にしていますが、手動で輝度を最高にしても、画面はかなり白みがかりコンストラストの変化も良くありません。反対に輝度を低くすると、画面自体が見にくくなり、どうにも調整できない感じです。

Edge 820とEdge 1040 Solarの両者の画面輝度を最高(100%)にした画面を比べると、Edge 1040 Solarは全体的にコンストラストと彩度が弱く、視認性に劣ります。

改めてEdge 820の画面と比較してみると、ソーラーガラスの特性なのか、一言で言えば、全体的にボヤけた彩度の低い画面特性になります。DC Rainmakerのレビュー記事[4]では、通常のEdge 1040と比較において画面が暗め(Slightest bit darker)と表現されています。

あくまで比較すればの話ですので、ライドにおいては致命的ではありません。ただし、視認性が気にかかるのであれば、Solarモデルではなく、通常のEdge 1040を検討するのも、現実的な選択肢になると思います。

× : 表示項目 – TIMER表示の変更

画面の大型化による認識性、ソーラーガラスによる視認性の課題もあるのですが、表示項目、特に経過時間(TIMER)型の表示に変更があり、かなり見づらく認識性が悪くなっています。端的に言えば、時刻表示が、分秒単位が表示の主体となり、時単位が左上に小さく表示される改変があります。

画面左上の「1:36:10」が経過時間となり、「1」の時単位が小さく表示されています。購入当初は、時単位が小さく表示されているに気が付かず、しばらく「いつラップボタンを押したのかな?」と不思議に思っていました。特に、この表示形式はブルペなどをロングライドを主体とする人には嫌煙されるのではないでしょうか?今後の改善に期待したいところです。

◎ : 位置測定は、より正確に

Edge 1040では、マルチバンドGNSSと言う、複数の衛星システムを組み合わせて測定することにより、精度を向上させることが可能です。Edge 1040の計測精度を最大(Multi-GNSS Multi-band)して設定し、曲がりくねった登り道を走行してみたログが以下となります。

以下が、同じコースをEdge 830で走行してみたログとなりますが、比較してみると全区間的に、Edge 1040計測ログが地形のカーブにより沿っているのがわかると思います。特に、2世代前のEdge 820と比較[1]すると、世代毎に測定精度が向上しているのがわかります。

バッテリー的には計測精度を最小(GPSオンリー)にするのが最善とのことですが、計測精度を最大(Multi-GNSS Multi-band)にしても、バッテリーへの顕著な影響は軽微な印象です。

◎ : ソーラー充電は驚異的、バッテリーは大容量

今回購入した、Edge 1040の稼働時間は35時間、ソーラー充電で更に10時間の稼働が見込める仕様です。Edge 1040は、付属しているマウントを含めてオプション品である拡張バッテリーにも対応していますが、併用する機会は無さそうです。

まず、Edge 1040 Solarの最大の特徴である、ソーラ充電はなかなか驚異的でです。日照条件が良ければ、2時間ほど走行しても1%〜2%ほどしかバッテリーを消費しないほどです。さすがに、走行しながらバッテリー充電できるまでは期待できないものの、日照条件次第では、ソーラーパネルによる発電のみで走行中の電力消費を賄ってくれます。

基本的にバッテリーも大容量です。ソーラー充電効果がない、夜間走行(0時スタート)を含む9時間程度の走行でも、バッテリーは30%程度の消費に留まります。ナビゲーションを有効にしての実測値なので、なかなか驚異的なバッテリー容量です。

購入してから、位置の計測精度は最大(Multi-GNSS Multi-band)に設定していますが、バッテリーへの影響は軽微のようです。計測精度を落とせば、もっとバッテリー消費量を抑えられるのかもしれません。

通常の日照条件だと、日中夜を問わず10時間ほどの実走で20%〜30%未満の消費に留まる感じで、Garmin公称値の35時間は誇張ではなさそうです。拡張バッテリーを装着せずとも、ソーラー充電と合わせ、単独でも安心できるバッテリー性能です。

△ : 雨に弱いのは相変わらず (ロックがお勧め)

Edge 1040では、タッチパネル操作で、相変わらずボタンが省略されているのが残念です。雨天時のタッチパネル系の弱点[2]は相変わらずですが、タッチ領域が大きくなったせいか、雨天時でも操作の認識率が高く(?)、Edge 830と比較すると若干操作が軽くなった印象です。ただ、雨粒に反応しての意図しない操作の課題は、相変わらず改善されていません。

EDGE 830に引き続き、820での感度調整の機能は省略されているため、雨天下では迷わずロックがお勧めです。とは言え、都度アンロックするのも面倒なので、タッチパネルの機種にこそ、ボタンが省略せず搭載する改善が欲しいところです。

本題 – ナビゲーションの使い勝手

× : 目的地設定は簡易的 (駅検索もなし)

目的地設定は、事前の保存済みポイントか、住所もしくは緯度経度(座標)での設定が基本になります。住所は最後の番地までは指定できないので、緯度経度(座標)での設定が正確でしょう。いずれにしろ、Edge 1040 Solar単体での目的地検索は難しく、事前に目的地を保存するなり、緯度経度(座標)を準備する必要があります。

また、単体で利用できる機能として、交通(Transpotation)のカテゴリー検索では、空港や中継所(フェリー)はあっても、電車の駅がありません。日本において電車は輪行でよく使う地点ですので、駅が検索できないのは不便です。ただ、カテゴリー検索には駐輪場(Bicycle Parking)があるので、出先で探す場合には活用できそうです。

△ : 実質的な機能向上はなし

Edge 530/830はプロセッサ性能向上[1]による大幅な改善がありましたが、後述する実質的に有効な画面サイズと合わせ、Edge 530/830と比較してみても、体感できる速度向上や機能向上は感じられません。Edge 530/830と比較してもプロセッサやメモリ容量に大差はないのでしょう。

経路検索についてはEdge 530/830、Edge 1040のいずれも瞬時で完了します。おそらくは、検索アルゴリズムについても一緒で、まず近傍の経路検索をして、遠傍は遅延処理されているのでしょう。走行中のリルート処理も、いずれも高速で瞬時に終了します。

EDGO530/830と同じく経路探索アルゴリズムの選択(距離、時間など)は可能ですが、基本的に経路は細くマイナーな道に誘導されます。特に、ロングライドを安全かつ高速に移動する場合には幹線道路が有利な場合が多いのですが、自分が通りたい幹線道路を外れてナビゲーションされるのが、なかなかのストレスです。

△ : 実質的な画面改善はなし

Edge 1040は画面サイズこそ大きくなりましたが、中央下部に標高ナビゲーションが表示されるため、実質的なナビゲーション画面はEdge 530/830と同じサイズです。

なお、より詳細な標高ナビゲーションであるClimb Proは、ナビゲーション中には無効にするのが無難です。Climb Proは自動判定で起動されるのですが、市街地のちょっとした登りでも起動されナビゲーション画面から切り替わってしまうので、相性はよくありません。

◎ : 指定経路のナビゲーション

最初に、次戦に登録しておいた経路でのナビゲーションの使い勝手を試してみました。レースやブルペなどで事前に配布されたルートや、既存に通った経路を辿る利用用法です。2世代前からの機種、Edge 520/820系でも充分に機能していた用途ですが、使い勝手が向上しているか確認してみます。


結果としては、無難に使えますが、実質的な画面サイズもあり、従来機種からの使い勝手の向上は感じられません。特にプロセッサが高速化されたEdge 530/830[1]と比較すると、ナビゲーションが滑らかになったなどの恩恵は感じられないでしょう。

常時表示される標高ナビゲーションについては「この先の区間は厳しくなる」とか、ある程度は登頂までの区間の助けになります。ただ、Edge 1040内の地図自体、あるいは経路情報の標高精度が原因でしょうか、表示される勾配はあまり(と言うか、かなり)正確ではありません。モチベーションを保つ上での目安に留まる感じで、レースに使える勾配精度はありません。

また、前述した通り、Climb Proはは無効にしておいた方が良いでしょう。市街地のちょっとした登りでも、Climb Proは自動判定で起動されるので、肝心のナビゲーションの邪魔になります。

× : 自由経路のナビゲーション

次に、目的地点を登録して、自由経路でのナビゲーションの使い勝手を試してみました。結論としては、実用的なナビゲーション距離は100km圏内といった感じの性能に留まっており、ナビとして選択される経路の課題もあります。試しに、200km先の目的地を緯度経度を設定して、スタートしてみました。


Edge 530/830と比較してもプロセッサやメモリ容量に大差はないのでしょう。目的地設定からの経路検索の時間は、特に高速になった印象はありません。裏を返せば、Edge 530/830も充分に高速で、瞬時に経路検索は完了します。

特に困るのが、100km以上の目的地を設定すると、前述した経路探索アルゴリズムのためリルートが頻発し、その毎に「中間地点を設定して経路を分割」の警告が表示されます。提示されるルートは、明らかに幹線道路を外れており、走行効率はもとより、夜間では危険性が増す経路です。

また、頻発する警告画面はボタンを押して消さないと累積していくので、無視して走行しているとドンドン溜まっていきます。結局は、昔ながらの青看板の道路案内標識に従って進んで、目的地近くになってから、スマートフォンで検索するのが確実です。購入の目的としていた、Edge単体でのナビゲーションは難しく、活用できないとの結論となりました。

新機能

Edge 1040には、走行時のリアルタイムスタミナを計算してくれる機能と、サイクリング能力として脚質を分析してくれる機能が搭載されています。どちらも、指標としては微妙なところもありますが、面白い機能になるかと思います。

? : リアルタイムスタミナ

しばらく使ってみましたが、基本的にはL3以上のパワー帯域で、上限5時間とするレース向けの機能のようです。ロングライド観点で利用できるかとも思いましたが、推定時間(Estimated Time)の上限は4〜5時間程度しか算出されず、L2〜L3のパワー帯域でのライドではスタミナ(Stamina)は微減するだけで、あまり参考にはなりません。

ただし、L3以上のパワー帯域では、急速に推定時間(Estimated Time)は減少するため、強度の高いレースなどではオーバーペースの指標として活用できそうです。推定時間(Estimated Time)は、その強度で漕ぎ続けると、オールアウトしてしまう感じの時間が表示されており、体感的にも正確(?)な感じです。

また、高強度で消費したタミナ(Stamina)は、L2〜L3のパワー帯域に落とすと、潜在(Potential)スタミナを上限として回復していきます。レースはもちろんロングライド観点でも「回復しながら走行できているか?」を数値化できている?とも言えそうです。

? : サイクリング能力

サイクリング能力は、無酸素能力(Anaerobic Capacity)、有酸素能力(Aerobic Endurance)、有酸素持久力(Aerobic Endurance)の3カテゴリー毎の能力を計測し、走行能力を判定してくれる機能です。

確認してみたところ、持久力スペシャリスト(Endurance Specialist)となっていましたが、分析の基準が特定(1つ?)の走行ログをベースにしている感じなので、なんとも言えない感じです。

また、他のGarminデバイスの走行ログは対象となっておらず、あくまでEdge 1040での走行ログのみが対象となります。複数のサイクルコンピュータを使い分けている場合には、総合的な評価とはならず、使い勝手も良くありません。

最後に

結論としては、自由経路ではEdge Soloar 1040単体でのナビゲーションは難しく、購入の目的としたスマートフォンとの併用の解消までには至りませんでした。また、画面の大型化による認識性、ソーラーガラスによる視認性の低下については、全くの想定外でした。特に認識性については、走行中の数値を2度見するような感じで、なかなかのストレスです。なんとか慣れていきたいところですが、経過時間(TIMER)型の表示変更については、改善を期待する項目です。

また、下位機種のEdge 530/830との比較においては、視認性・認識性の低下の課題や、実質的なナビ画面のサイズに変更はない点を踏まえると、完全な上位互換としてはお勧めできない状況です。強いて言えば、GPS計測精度の向上と、USB-Cコネクタによる改善でしょうか。

リアルタイムスタミナなど、Edge 1040から搭載された新機能もあるのですが、画面の大型化以外には、Edgo 530や830世代からプロセッサ性能やメモリ容量は変わっていないのでしょう。基本的な性能面や機能面での向上は感じられません。また、Edgeタッチパネルの欠点は相変わらずで、ボタンが省略されている課題と合わせ、悪天候時においての使い勝手は改善されていません。

バッテリー容量については、ソーラー充電と合わせ驚異的ではありますが、ちょっとオーバスペック感も大きいです。バッテリーを全消費するには、600kmを優に超えるシチュエーションとなりますし、既存機種においても、純正のバッテリーパックやモバイルバッテリーで解決できる問題です。ソーラー充電については、画面の視認性とのトレードオフも発生するので、通常のEdge 1040を選択するのも良い選択になります。

結論としては、Edgo 530や830の上位機種としてではなく、画面の数値が大きく、ソーラー充電も可能な大容量バッテリーの製品として捉えるのが適切で、それを利点を感じるかで、Edgo 1040系の評価が分かれるかと思います。

特に、画面の大型化による認識性、ソーラーガラスによる視認性の低下は想定以上なので、可能であれば購入前に実物を確認されることをお勧めします。