Garmin EDGE 830 – 8ヶ月間使用してみて

Garmin EDGE 830 – 8ヶ月間使用してみて

Garmin EDGE 830 – 8ヶ月間使用してみて

昨年はGarmin EDGE 530をメイン機材として利用[1]していましたが、もともとタッチパネル系のEDGE 820(海外版)ユーザーだった事もあり、今年は同時発売されたEDGE 830も購入し、メイン機材として利用してみました。

EDGE 530と同じく、EDGE 830でもプロセッサ性能が飛躍的に向上し[2]、EDGE 820に搭載されていた本来の機能が、ようやく実用的になった感があります。

ただし、EDGE 820から操作感は大幅に向上したものの、本質的なタッチパネルの問題については改善は見られず、雨天下や室内での利用には課題が残ります。結論的には、EDGE 530の完全な上位互換な機種とは言い切れず、若干利用環境を選ぶ機材の印象となりました。

はじめに – セット販売のみ

EDGE 830では、EDGE 530のような本体単体での販売はなく、各種センサーと心拍計とのセット品のみの販売しかありません。最初にEDGE 530を購入した理由の一つもなりますが、既存のサイクルコンピュータからの買い替えで、既存センサーの流用を考えているユーザーには、付属のセンサーなしの単体販売が望ましいところです。

EDGE 830の付属品

EDGE 830セットには、新型となるスピードとケイデンスセンサーと心拍計が付属しています。付属のマウントは、EDGO 530と同様に拡張バッテリーパック対応品です。

ひとつ気になったのは、別売の拡張バッテリーとの併用です。拡張バッテリーには交換用の拡張バッテリーのレバーアダプターは1つ付属してはいるのですが、レバーアダプターの単体販売もありません。

拡張バッテリーの利用頻度は低いものの、バイクを交換するたびに、レバーアダプターを各バイクのマウントに入れ替えるのも億劫です。そこで、ガーミンジャパンにを相談させて頂き、拡張バッテリーのレバーアダプター部品を取り寄せることができました。

新型センサーはANT+/Bluetoothの対応に

今回のEDGE 830に付属する新型のスピードとケイデンスセンサーは、単体販売でDualの名称が示す通り、ANT+/Bluetooth対応品になり、スピードセンサーは左右非対称の丸みをおびたデザインに変更されました。

心拍計も単体販売でDualの名称が追加され、こちらもANT+/Bluetooth対応品になりました。デザインは従来品より洗練された感じです。

個人的には接続安定性のため、センサーをBluetoothで接続することはありません。ただし、自社傘下技術(ANT+)のみに拘らず、スマートフォンやZwiftなどのBluetooth対応のソフトウェアで利用できるようになったのは大きな改善点になるかと思います。

EDGE 530/820との違い

EDGE 830は、基本的な仕様は同時発売されたEDGE 530と同じなため、基本的にはEDGE 530と同じような使い勝手です[1]。そこで、今回はEDGE 530と旧型のEDGO 820と比較して気がついた点を主にリストアップしてみます。

結論から言えば、タッチパネルにしろナビゲーションにしろ、EDGE 820ではプロセッサ性能により生かしきれなかった機能が実用的になった反面、EDGE 530からのボタン削減により利用シーンが限定される印象です。

◎ : タッチパネル操作は良好

タッチパネル操作は、EDGE 830の性能向上[2]により、飛躍的に良くなり、ようやくタッチパネルが実用的になりました。EDGE 820でのもたつきがなくなり、スマートフォン感覚で操作ができるようになりました。

EDGE 820では、本体の処理が重い時には、タッチパネル操作がキャンセルされたり遅れて動作することがありましたが、EDGE830では、そのような遅延動作もなく快適になりました。

△ : ボタンは削減、操作感は弱め

EDGE 830のボタンは、EDGE 530から削減され、EDGE 820と同様に電源・ラップ・タイマーの3ボタンのみとなります。ボタン構造はEDGE 530と同じで、従来のEDGE 520/820のボタンとはクリック感がやや弱い感じです。

ボタンは大きめですが、若干ストロークが浅く、しっかり押し込むような感じになります。やや押しにくい感はありますが、チャタリングして2度押しになるようなことはなく、安心感はあります。

ただし、タッチパネル前提となるため、EDGE 530からボタンが削減されており、後述するような雨天下や室内での操作感に大きな影響を及ぼしてしまします。

ボタン数についてはEDGE 820を踏襲しているとも言えますが、ボタン数削減なしのタッチパネル搭載であれば、完全なEDGE 530上位互換な機種とお勧めできるだけに、やや残念です。

◎ : バッテリーは大容量

EDGE 830の公式に発表されている稼働時間は最大20時間と、仕様上はEDGE 530と同じ稼働時間です。実際にはタッチパネルにより消費電力は若干は増えてはいるのでしょうが、実際に使い比べてみても、EDGE 830の方がバッテリーの減りが激しい感じはありません。

EDGE 820ではライド後に毎回充電していたのですが、バッテリーの大容量化でEDGE 530と同じく充電する回数が極端に減りました。20%程度のバッテリー残量でも数時間は余裕で走れるので、走ろうと思ったらバッテリーが少なくて走れないといった事もなくなりました。

◎ : ナビゲーションが高速!地図操作も簡単!

ナビゲーション機能については、EDGO 830の性能向上[2]により明らかにグレードアップしています。EDGE820だと、目的地を設定してもなかなかルート検索が完了せず、目的地が遠い場合だとメモリ不足でルート検索ができない場合もありましたが、今回の本体の性能向上で、ようやく実用的になりました。

また、EDGE 530とは違い、地図の操作にタッチパネルを使えるので、地図の縮尺を変えたり、周辺や進行方向のルートを確認したい時も、スマートフォン感覚で扱えます。

ただし、個人的には、EDGEのナビゲーション機能は若干クセもあるため[1] 使用頻度は低く、事前にルートを入れておくなどの補助的な使い方がメインです。ただ、EDGEのナビゲーションを活用するユーザーにとっては、地図画面の縮尺を変えたり簡単に位置の移動できるタッチパネルは、EDGE 530と比較して、EDGE 830の大きな魅力になると思います。

△ : 雨天下ではアンロックがお奨め

ただし、タッチパネル操作はEDGE 820から快適になったものの、誤操作が起きやすい雨天下などの操作性には、まだまだ課題があります。雨の日でも、意図した操作には快適に反応するものの、気がつくと雨粒に反応してしまっている状況は、EDGE 820から改善されていません。

公式にはEDGE 820から雨の日を含め、タッチパネル操作はEDGE 820から改善されている[2]とのことですが、タッチパネルの特性的に雨粒の影響を排除するのは、本質的には難しい改善なのかもしれません。

具体的には、雨粒により画面が長押しされたと判断される状況が多発し、表示項目を変更するモードが発生してしまいます。それをキャンセルするにも時間がかかるのですが、その状況に気づかないでいると、さらなる雨粒により項目の位置が、入れ替わってしまいます(項目編集時に、別の項目を押すと位置が交換される)。

個人的には、総距離や時間などの画面、ラップ距離や時間などの画面、さらにはナビ画面など3画面ほど利用する場合が多いのですが、雨天時には、そのシチュエーションで一番利用する画面でアンロックして走行しています。

最初は、時々EDGE 830の表示項目や位置が変わってしまっている原因がわかりませんでした。EDGE 820では感度が調整できたため抑制できていましたが、EDGE 830では感度調整の項目はないため、雨天下では迷わずアンロックがお勧めです。

△ : 室内もアンロックがお奨め

Zwiftでトレーニングする場合、Zwiftの画面だけではラップ間の平均やTSSなどの情報がわからないため、サイクルコンピュータを併用しています。

ただ、室内では、屋外の雨天下と同じような理由で、意図せずタッチパネルが動作してしまうことがあります。室内では屋外より汗の量も多く乾きづらいため、気をつけていてもタッチパネルに汗が落ちてしまいます。状況としては、屋外の雨天下と同じく、汗の落下により表示項目を変更するモードが発生してしまう場合が多いです。

室内ですので、手を離しながらの再設定も安全ですが、レース中などはそんな余裕はなく、かなりのストレスです。室内トレーニングでEDGE 830を利用する場合には、ナビはもちろん屋外ほどのインフォメーションは必要ありませんので、1画面で済むトレーニング用のプロファイルを準備し、やはりアンロックするのがお奨めです。

最後に – 次世代EDGEへの期待

基本的には、EDGE 830はタッチパネル搭載によりEDGE 530の上位互換となりうる機材ですが、やはり雨天下や室内での走行時には、ボタン削減に加え、タッチパネルの誤操作には課題があります。EDGE 820の上位機種と思えば多くの改善がありますが、EDGE 530の上位機種と言い切るには、利用シーンを選びます。

本来であれば、EDGE 530のボタン削減なしにタッチパネルが搭載されていれば、純粋は上位互換の機種と言えますが、単体販売がない点も併せて考えると、完全にお勧めするのはできない状況です。

個人的には、EDGEのナビゲーション機能は補助的にしか使わないこともあり、天候悪化が予想されるライドやレースに出場する際には、迷わずEDGE 530を選ぶ機会が多いです。結論としては、屋外の晴天下のみの利用であれば操作性の良いEDGE 830、全天候下や屋内での利用も考慮するのであれば確実性のあるEDGE 530をお勧めします。

率直な感想としては、本来EDGE 530のボタン削減なしにタッチパネル搭載の製品であれば、雨天下などではタッチパネルをアンロックして、ボタンで操作できる理想の製品であったと思います。あとは、現状でも充電速度は十分に高速なものの、次世代の機種にはボタン削減なしのタッチパネル搭載に加え、USB-Cコネクタによる更なる充電効率の改善を、密かに期待しています。