Garmin EDGE 840 – 4ヶ月間使用してみて

Garmin EDGE 840 – 4ヶ月間使用してみて

Garmin EDGE 840 – 4ヶ月間使用してみて

今回発表されたタッチパネル版のEdge 840には、念願[1][2][3]のハードウェアボタンが搭載されました。Edgeのタッチパネル系は雨天時の課題[2]から利用頻度が下がっていたので、Edge 530[1]とEdge 830[2]を一本化する目的での、Edge 840の購入です。

また、Edge 1040 Solar[3]はソーラー充電の実用面は感じつつも、液晶画面の不明瞭さが気になっていました。さらに、Edge 840についてはソーラー充電の実用面的な指摘[4][5][6][7]も気になったため、通常(非Solar)版を購入しました。海外と違い[12]、単体販売がないのが難点ですが、前機種のEdge 530/830をミックスインした完成度の高い製品となっています。

はじめに

現状、Edge 840の通常(非Solar)版については、海外と違い[12]、日本国内では単体販売がありません。付属しているセンサー一式は、新規購入者はともかく、既に各種センサーの所有者には好ましくない販売形態です。

Edge 840の付属品

Edge 840バンドル版には、Edge 1040バンドル版と同様の商品構成で、心拍計とスピード・ケイデンスセンサーの他、各種マウンターと落下防止のストラップなどが付属しています。

その他の付属物としては、各種マウンターと落下防止のストラップが付属しています。ただし、スピードはEdge本体のGPS、ケイデンスはパワーメーターから取得し、心拍計はPolarなどの社外品を使用しているため、日本国内でも海外同様[12]に、単体販売で価格を下げて欲しいところです。

◎ : レバーアダプターは、お勧めオプション

マウンターはEdge 530/830とは同様にGarmin純正の外部バッテリーや、e-bike向けのEdgeパワーマウント[13]対応品です。ただし、Edgeパワーマウント[13]や拡張バッテリー[1]では標準付属である、レバーアダプターは標準では付属していませんので、従来機種と同様[1][3]に、Garminのサポートセンターから入手する必要があります。

レバーアダプターは、装着の際にレバー操作の手間が増えますが、固定力が高めでロック機構があります。拡張バッテリーを利用しない場合にも、お勧めできるオプションです。

設定 - 移行も簡単

初期設定は、Edge 1040と同じく簡便化[3]され、スマートフォンと連携しつつ、簡単に設定が完了します。設定については、既存のEdge製品の登録があれば、パフォーマンスやセンサーなどの既存設定が引き継がれて設定されます。

特に、既存Edgeと連携済みの各種センサーについても引き継がれるため、各種センサーを新規に登録する手間が省けるのは、嬉しい機能です。ただし、プロファイルについては、Edgo 1040版と同じく[3]、1プロファイルのみの引き継ぎに留まるようなので改善してもらいたいところです。

全般

前世代のEdge 530/830の完成度が高く、正直なところ、購入しては見たもの基本機能においてEdge 840の優位性は感じられません。やはりEdge 840についてはハードウェアボタンの搭載と、USB-Cコネクタの採用が、メジャーな変更になるかと思います。

◎ : ボタン - 待望の物理ボタン (感触は固めに回帰)

形状的には、(画面右端の)Edge 530同様に押し間違いを防止するためか、ボタン上下部に本体の突起がある形状は継承されています。ただし、感触としては、(画面左端の)Edge 520Plusのような、ストロークが深くて固さがある押しごごちです。画面ロックの操作については、電源ボタンの長押しで、従来の操作が踏襲されています。

従来のタッチパネル版Edgeの雨天時の課題[2][3]は、今回の物理ボタンの搭載と画面ロックで解消されました。雨天時の操作性や、水滴により勝手に画面が操作されてしまう心配は、もうありません。

形状的には、(画面右端の)Edge 530同様に押し間違いを防止するためか、ボタン上下部に本体の突起がある形状は継承されています。ただし、感触としては、(画面左端の)Edge 520Plusのような、ストロークが深くて固さがある押しごごちです。

◎ : 雨天時の操作性 - 操作は軽快

タッチパネル版のEdge 840に念願[1][2][3]のハードウェアボタンの搭載です。画面ロックの操作については、従来の操作が踏襲されています。アクティビティ中は、電源ボタンがロック・アンロック専用となるため、操作はかなり軽快です。

雨天においても、ストロークが短くて軽いEdge 530に慣れてしまった今では、最初は押しずらい感があります。ただし、不用意に触って反応してしまうような軽さはなくなったので、一長一短、慣れの範疇かと思います。

? : ボタンの耐久性 - 仕様範囲内?

ボタンは520系のような、ストロークが深くて固いものに回帰していますが、耐久性については課題があるかもしれません。朝晩の通勤をメインに、4ヶ月ほど使用したところ、まずは電源ボタンは長押しの反応が悪くなり、さらに右下の開始/停止ボタンが全く反応しなくなり、最終的にGarminのサポートセンターへ修理を依頼しました。

物理的な感触の変化はなかったため、最初はファームウェアの問題かとも思いましたが、デバイスをリセットしても状態は変わりません。修理期間は2週間ほどでしたが、Garminのサポートセンターの検証結果としては「指摘症状は確認されず、仕様範囲内である」との回答でした。ただし、保証期間内ということで、本体交換修理対応での様子見となりました。

Garmin Edgeのボタン故障はは初めてでしたが、利用頻度の高い電源ボタンと開始/停止ボタンの故障であったのは気になります。個体差の問題かもしれませんが、ボタンの耐久性については、利用状況によっては、注意が必要かもしれません。

ちなみに、一度セットアップした機種はGarmin Connectで設定が保持されているため、今回のような不具合によるファームウェアリセットや、新しい機種への交換においても、元の設定に復元できるのは助かりました。

◎ : 画面 - 認識性が向上 (やや幅広で太字に)

購入前は気づきませんでしたが、旧機種のEdge 530や830と比較すると、画面はやや幅広です。ただし、違和感はなく、視覚的に慣れると、より1ブロックの認識性が向上しており、認識性の向上感があります。

フォントは、Edge 1040と同じフォントが採用され、認識性が向上しています。Edge 530/830のフォント比較すると、太字でフィールドに占める面積も増え、全般的に大きく表示されることにより、視認性が向上しています。

Edge 1040では、画面サイズの大きさから、認識性にはやや不満が感じられました[3]が、Edge 530/840と同様に、一目で画面全体が認識できるサイズ感は、なかなか良好です。

◎ : 画質 - 視認性は良好

Edge 1040 Solarは画面全体のソーラーガラス(Power Glass)により、白みがかりコンストラストが弱く[3]、今回のEdge 840で通常(非Solar)版を購入した要因の一つです。

やはり、Edge 1040 Solar版は、同じ画面輝度のEdge 840と比較してみると、全般的に白みがかっています。また、Edge 530と比較すると、フォントの違いからか、Edge 840の画面は、ややコンストラストが低めの感があります。

あくまで、比較してみればの違いではありますが、Edge 840のソーラー充電のついては、実用面的な指摘[4][5][6][7]も目につきます。やはり、画質を優先すると、シンプルな通常(非Solar)版は、現実的な選択肢かと思います。

◎ : GPS精度 - より正確に?

GPSは、先代のEDGE 530/830からマルチGNSSに対応により精度向上を実現しています。今回のEDGE 840では複数の衛星システムを組み合わせて計測するマルチバンド(Multi-band)に対応しています。

◎ : 山岳地での計測精度

まずは、EGDE 840で最高精度の「Multi-GNSS Multi-band」を選択して、郊外での精度を比較してみます。曲がりくねった登り道(富士スバルライン)を走行してみたログが以下となります。

ただし、同コースをEdge 830の最大精度(GPS + GLONASS)のMulti-GNSSで走行してみたログと比較してみましたが、精度向上の優位性は視認できない感じでした。

計測精度を最大(Multi-GNSS Multi-band)にしても、バッテリーへの影響は軽微とのことですが、原理的[11]にも反射する遮蔽物がなく、干渉が少ない環境では、マルチバンドの効果は期待できなさそうです。

◎ : 市街地での計測精度

郊外での優位性は確認できなかったので、原理的[11]にマルチバンド(Multi-band)が活きるであろう、反射する遮蔽物のある市街地での走行を比較してみました。EGDE 840で最高精度の「Multi-GNSS Multi-band」を選択して、高速道路の高架下を走ってみたログが以下となります。

マルチバンド(Multi-band)の効果か、Edge 840ではビル群や高速道路の高架下でも「記録位置が飛ぶ」ような感じはありせんでした。対して、同コースをEdge 830で、同じく最大精度(GPS + GLONASS)走行してみたログは以下となります。

おそらくは、複数GPSでの計測が同時稼働していないEdge 830では、マルチGNSSの即時の切り替えは期待できないのでしょう。Edge 830では遮蔽物となる高架下で走行した場合の不正確さが確認できました。

遮蔽物のある市街地においては、マルチバンド(Multi-band)で複数衛星を組み合わせる、Edge 840に優位性があると言えそうです。とは言え、バッテリー消費とマルチバンド(Multi-band)が活きるコース選択頻度とのトレードオフとなりそうです。

△ : 稼働時間 - 8時間が目安

Edge 840では公称26時間稼働、節約モードでは約42時間稼働時間となっていますが、Edge 1040のように、高機能化に対してバッテリー容量自体が大型化している訳ではありません。GPSの高精度化や魅力的な高機能化も重なり、実質的には前機種のEdge 530/830から劇的な改善はなさそうです。

「Multi-GNSS Multi-band」「バックライト輝度 自動」「ナビゲーション 有効」「ClimbPro 有効」にすると8時間前後が行動限界で、新機能を有効にすると従来のEdge 520/820世代の稼働時間と大差がない印象です。

ただし、毎日の通勤(2時間)レベル、単純なGPSローガーとして稼働させる場合には、ほぼ公称稼働時間通りの2週間、時間にして20時間(=2時間x5日x2週間)ほどは持ちます。稼働時間重視であれば、有効性から「Multi-GNSS Multi-band」、場合によっては「ClimbPro」も無効にするのが無難かもしれません。

いずれにせよ、Edge 500/800系で8時間を超える行動時間が想定される場合には、従来通り、予備バッテリーの携行が無難です。心理的にも、ロングライド中のバッテリー切れを心配しながらのライドは危険なため、悪天候にも強い拡張バッテリー[1][8]や、少なくともモバイルバッテリーの携行を強く推奨します。

◎ : 背面 - マウント部が交換可能に

背面は、最近のEdgeシリーズと共通で、拡張バッテリー対応品です。また、Edge 1040のような金属製の対応は見送られたものの、マウント部が交換可能になっています。

Edge 530/830でマウント部の摩耗を感じたことはありませんが、Edge 1040の金属素材への変更を見ると、強度的な課題があっての対応かもしれません。

△ : 自由経路のナビゲーション

前機種のEdge 530/830[1][2]やEdge 1040[3]と同様に指定経路では有用なものの、やはり自由経路での課題[3]は解決されていないようです。具体的には、Edge 840の検索設定を「距離有線」「時間優先」にしても、幹線道路から外れるのは相変わらず[1][2][3]で、裏道優先で、経路検索が延々と繰り返され、ナビとしては活用できません。

ただし「到着時刻」については、GoogleMapなどのスマートフォンのナビよりも正確なので、「到着時刻見積もり」機能として活用しています。特に、待ち合わせ時間に向けて走行している場合、ペース配分にかなり活用できます。

また、Edge 1040で課題であった「再経路検索による警告蓄積」[3]は改善されており、再経路検索は無視して進めるようになったのは、地味に助かる改善ですが、やはり、自由経路については、素直にスマートフォンのナビを使った方が良さそうです。

◎ : ClimbPro(クライムプロ)

前機種のEdge530/830にも搭載されていたClimbProですが、Edge 840ではルート設定なしのフリー走行でも起動するため、かなり使い勝手が良くなった印象です。また、地図データの高度の精度が良くなったのか、適切にガイドが表示されます。短い区間でも表示され、初めてのルートを登る場合には、適切なガイドとして機能してくれます。

前機種では、高度精度が悪いためか、一つの登りが分割されていたりナビゲーション画面を遮って表示されたり[1]と、かなり使い勝手が悪かった機能です。以前はOFFにしていた機能ですが、かなり実用的に進化した印象です。

○ : リアルタイムスタミナ

こちらは、先行機種のEdge 1040にも搭載されていた機能[3]ですが、基本的な機能の変更はなさそうです。レースなどの短時間のライドに向けた機能で、視点では強度が高めのロングライドだと、活用は難しい感じです。

L2〜L3のパワー帯域でのライドではスタミナ(Stamina)は微減するだけですが、ロングライドである程度の強度の高い走行を続けると、みるみるスタミナが減っていき、数値的に1%を切ってしまいます。

もっとも、疲労はしているのですが、その数値通りの疲労困憊といったわけではありません。ロングライド観点では、あくまでL2〜L3のパワー帯域で「回復しながら走行できているか?」の観点での活用はできそうですが、強度が高めだと、おおむね体感より数値が悪くなり、目安とはならなさそうです。

○ : パワーガイド

こちらも、先行機種のEdge 1040にも搭載されていた機能ですが、あらためて評価してみました。パワーメータが必須で、トレーニングメニューから設定する機能ですが、目的としては「指定コースを完走する」ことで「指定コースのタイム更新を目指すものではない」[9]とされています。

指定したコースは、自動的に区間に分割され、開始時やライド中に設定した強度で、目標とするパワーが表示されます。完走の目安となる区間パワーを超えると赤色で警告表示され、ロングライドのお供になりそうな機能です。

◎ : 暑熱適応

こちらは、前機種のEdge530/830にも搭載されていた機能ですが、暑熱適応が数値化されるため、やはり暑い季節には助かる機能です。

気温が22℃より高くなる[10]、初夏の季節から自動的に発動する機能です。体感的にも数値への違和感はなく、ゲーム感覚で暑熱適応が可視化されているため、便利に活用しています。

最後に

結論としては、今回発表されたEdge 840は、完成度の高い前世代からの機能的な優位性は少ないながら、ハードウェアボタンの搭載により前機種のEdge 530/830をミックスインした完成度の高い製品となっています。

Edge 1040 では視認性も変わり[3]、Edgo 530や830系とは異なる製品の感がありました。Edge 840では、USB-Cコネクタの採用や、マウント部などの地味に嬉しい改善もあり、Edge 530/830をミックスインした正統な後継機種と言えます。

また、今回はソーラー充電の実用面的な指摘[4][5][6][7]と視認性の懸念[3]からSolar版の購入を見送りましたが、海外と違い[12]日本国内ではバンドル版の販売しかないのは難点です。また、稼働時間を重視するなら、大容量バッテリーかつ実用的のあるソーラー充電のEdge 1040 Solar[3]か、天候にも左右されない拡張バッテリーやモバイルバッテリーとの併用を推奨します。