コロナ禍の開催 – Mt.富士ヒルクライム 2020 参戦記

コロナ禍の開催 – Mt.富士ヒルクライム 2020 参戦記

コロナ禍の開催 – Mt.富士ヒルクライム 2020 参戦記

先月、今年の富士ヒルクライムレースに、参加してきました。雨模様なのは相変わらずといった感じですが、コロナ禍で例年とは開催時期から出走ルールまで異例ずくめの開催となりました。

レース前週の試走 - 5合目は閑散と

本番の前週に、練習をかね富士スバルラインの試走に出かけました。今年は、コロナ禍で日課であった自転車通勤もできず過ごしていました。ただ、今秋の開催が決まり、8月は毎週末にはロングライドで、なんとか去年よりやや劣る程度まで体調をあげての試走となりました。

8月の乗り込みに多少なりとも期待感はあったものの、料金所から80分、平均出力も3.32w/kgとそれなりに結果でした。ただ、到着して驚いたのですが、例年なら混雑している5合目も、観光客もかなりまばらな状態です。もちろん、観光客には外国人の姿はなく、近年の騒がしい感じはまったくありません。

せっかくなので、自転車を変更して2本目を登ったのですが、5合目の駐車場を覗いてみると、駐車している車もまばらで、例年であれば観光客を大量に乗せてくる観光バスも見当たりません。

20年前の5合目は、もちろん近年のような異常な混雑はなく、富士ヒルクライムも開催はされていませんでした。当時は、ロードバイク自体もマウンテンバイクに押されマイナーな存在で、なおさらロードバイクで登っていくと、5合目の登山客に驚かれる状況でした。

富士ヒルクライム開催の計画があがった時、何故わざわざ高い料金を払って登るのか?と当時は懐疑的な雰囲気があったと思います。さすがに、今年のコロナ禍の閑散は寂しい感じもしますが、近年の富士山の混雑はちょっと異常な雰囲気でしたので、つかの間の落ち着きを取り戻した感じがします。

レース準備 - 荷物預かりはなし

今年は前日の受付の開催はなく、例年は会場でもらっていたゼッケンやタグは、自宅まで郵送されてきました。例年であれば、必然的に前泊が必要でしたが、今年は当日受付でそのまま出走できるので有り難いです。

ただし、今年は荷物預かりはなく、下山時の装備も含めて荷物は、全部自分で背負って出走することが参加の条件です。以前、富士スバルラインの下山時パンクしたこともあったので、自力で最低限のトラブルに対処できるよう、軽量化と合わせて装備を見直します。

基本的にはパンクトラブルのみに対応できる装備に絞って準備しました。装備の内訳は、以下となります。

装備 重量 備考
ORTLIEB micro2 80g
Panasonic Cycle Tube 78g
airbone ZT-726 50g 仏式対応でCO2インフレーター内蔵
Co2 Cartridge 60g
SCHEALBE レバー (2本) 16g
Parktool GP-2 パッチ 4g 軽微または2回以上のパンクの備え
Parktool MT-1 43g
総重量 286g

出走するウェアには事前にゼッケンをつけ、下山と例年の悪天候に備え、レインウェアがわりに軽量のウインドブレーカーを背中のポケットに入れておきます。

また、2017年の荷物トラブルで、山頂で3時間ほど誰とも連絡が取れず往生した経験があり、緊急時の連絡用に携帯電話も忘れず持っていきます。

レース当日 - あいかわらずの雨模様

今年は前泊はないため、当日に自宅から移動します。8時台の出走でしたので、渋滞を避けるため早めの出発となりましたが、当日の移動の方が気軽に参加できます。

ただレース当日は、今年は9月への延期開催とはいえ、あいかわらず開催時期が悪いというか、今年も駐車場の到着時から雨模様でした。会場に着くと、3合目付近には、さらに強雨の雨雲が降りてきているとのアナウンスがありました。

とは言え、スタート地点はまだまだ弱雨で、服装は半袖ジャージに通常のレーパンでも寒くはありません。とりあえず、ジャージのポケットに忍ばしているウインドブレーカーはそのままで出走の受付に進みました。

レース受付 - 一斉スタートはなし

今年は、一斉スタートではなく、一人ずつ受付で体温検査を済ませてから、個別のスタートとなりました。受付の方は、体温検査の結果とヘルメットにあるゼッケンを見て確認を取る感じです。

ただ、受付が終わり、計測地点に向かおうと富士北麓公園の脇を登っていると、アナウンスがあった3合目の雨雲が降りてきて、かなりの強雨となりました。

かなりの強い雨となり、いったん自転車を降りましたが、出走していく人もかなり疎らです。しばらくやり過ごそうかと迷いましたが、いつ止むかもわからないため、ウインドブレーカーを着込んで再出発しました。

レース開始 - 個人TTで淡々と

計測開始地点まで、強雨の中淡々と進みます。計測開始視点についても例年のような周囲の強烈なスタートダッシュもなく、ポツンと1人で、試走と同じく淡々としたスタートとなりました。

例年のように目標となる走者や、乗っかれそうな高速なトレインに追い抜かれることもありません。誰に追いつくこともなく、追い抜かれることもなく、淡々とレースは進みます。参加者は、かなりバラけての出走となったため、先週の試走時と同じで、ほぼ誰ともすれ違わないままレースが進みます。

大沢駐車場を超えて、ようやく自分より速いペースの人に、ようやく追い抜かれました。ただ、その人も単独で登ってきており、雰囲気的にも後ろについていくのは悪い感じもして、若干ペースを落として、早々に追い抜いてもらいました。

レース終盤、5合目が近づくにつれ雨雲を抜け、一気に天候が良くなってきました。ただモチベーション的にも試走と変わらず淡々と進み、ラストスパートとなる5合目の平坦区間も、追い込むことなく淡々と終了してしまいました。

レース結果 - 試走と変わらず

レース結果は、やはりと言うか、試走時と全く同じ80分台での到着となりました。Stravaの富士ヒルクライムの区間で比較してみても、ほとんど先週の試走と変わらない結果でした。

- 時間(分) 平均出力(W) 最高出力(W) 平均速度(km/時) 最高速度(km/時) 平均心拍(bpm)
試走 80:29 206 319 17.4 40.7 153
富士ヒル2020 80:45 217 440 17.4 34.9 156
富士ヒル2019 73:58 221 439 19.0 42.5 154

今回は、まったく追走もない単独のヒルクライムレースとなったため、例年のようなトレイン効果や、併走者によるモチベーションアップもなく、結果については妥当と言う他ありません。

参考までに、去年の富士ヒルクライムの結果と比較すると、約9%程度ほどタイムが落ちています。体調や体重的には、なんとか同程度までには戻せたので、ほぼ例年の集団走行の効果がなかったのが、今年の富士ヒルクライムの結果でしょう。

最後に - 来年はどうなるか

正直な感想を言えば、結果論として天候も悪く集団走行もできず、記録的には今回の富士ヒルクライム参加のメリットはありませんでした。

ただ、下山したところ、レース中の雨雲は局地的だったようで、快晴に変わっていました。私は、8時台に出走したのですが、今回の出走時間は自己申請で選べたので、9時台に登っていれば、例年稀に見る良い天候で登れたかもしれません。

ただ、自分を試す機会でもあるレースが全く開催されないのは、思った以上に寂しい感じがありました。課題はあるにせよ、今年はコロナ禍で軒並みレースが中止になるなか、勇気を持って開催してくれたことは非常に有難いことです。

これから冬が始まります。来年のコロナ禍の収束については予測はできない状況ですが、今年の富士ヒルクライムの開催を良き前例として、来年こそはレースが再開されることを祈っています。