Open Pro UST + Power Tap GS

Open Pro UST + Power Tap GS

Open Pro UST + Power Tap GS

久々に新設計のリムとしてMavicから市販されたOpen Pro USTを、普段使いからレースまで利用できるホイールとして組んでみました。現行のMavic完組ホイールでいえば、汎用ニップル構成でパワーメータ付きのKsyrium SL[1] といった構成のホイールでしょうか。

2018年の登場当初に購入していたOpen Pro USTですが、組む機会がないまま保管していました。さすがに、そろそろ組んでみようと、既存ホイール[2]をバラすつもりでしたが、夏場にオールラウンドで使えるホイールがもう1本欲しくなり、今回は新規のホイールとして組んでみました。

Open Pro USTの魅力

定番といえば定番ですが、Mavicの市販リムは20年以上前から設計が変わっておらず、近年は製品ラインナップも縮小気味でした。Open Proは名称も含めて形状の変化はありませんし、現行のOpen CXP Proについても形状から20年前のCXP22と同等品でしょうか。そんな状況で、発表されたOpen Proは久々に市販されたMavicの新設計のリムとなります。

完組ホイールリムの技術投入

かつてのCosmic Eliteに対してCXP30のような、Mavic完組ホイールリムの市販は久しくありませんでしたが、Open Pro USTは現行市販されているKSYRIUMの形状に近しく、久々の完組ホイールと同等品の市販となる製品です。

ただし、完組ホイールと同じくISM4Dテクノロジーが投入されていますが、完全な同等品ではありません。専用ニップルのねじ切り(FOREテクノロジー)はなく、一般ニップルで組めるシングルアイレットの製品となっています。Open PRO USTはレース用ではなくエンデュランス用として製品展開されており、アイレットによる強度確保も目的でしょう。

24Hのラインナップ

最近の感組ホイールは、スポーク数も少なくなり、ロード向けに24H以上で組まれている製品は少なくなっています。従来のマビック市販リムのホール数と言えば、クラシカルな28H・32H・36Hのラインナップしかありませんでしたが、Open PRO USTでは24Hが追加されているいるのも大きな魅力です。

今回のホイール部品構成

今回も、他のホイール[2][3]との比較もあり、リアは24Hの半コンペ[4]の反ドライブ側はCX-RAYのホイールとして組んでみました。リアハブにはPower Tap GSを選択し、現行のMavic完組ホイールでいえば、パワーメータ付きで汎用ニップル構成のKsyrium SL[1] といった構成でしょうか。

No 区分 部品 製品名 仕様
1 Front Rim Mavic Open Pro UST 24H
2 Hub DT Swiss 350 Straight Pull 24H
3 Spoke Sapim CX-Ray Bladed Spoke 284mm
4 Nipple DT Swiss Pro Lock Standard Brass 12mm
6 Rear Rim Mavic Open Pro UST 24H
5 Hub Power Tap GS 24H
7 Spoke (DS) DT Swiss Competition Spoke 292mm
8 Spoke (NDS) Sapim CX-Ray Bladed Spoke 294mm
9 Nipple DT Swiss Pro Lock Standard Brass 12mm

Open Pro USTは、24Hのラインナップが選択できるため、リアハブには24Hのパワーメータ付きハブであるPower Tap GSを選択しました。現在は、度重なる買収などにより姿を消してしまったメーカーですが、ハブはDT SWISSの旧240Sをベースとした製品のため、補修部品についてはDT SWISSから購入が可能です。

ただ、Open Pro USTは、従来のリムに加えて24Hがラインナップされたものの、完組ホイールのフロントによく利用される20Hの展開は、残念ながらありません。市販のフロントハブとしても24Hのラインナップは少ないものの、DT SWISSの350ハブを選択しました。

完成したホイールの重量ですが、実測値でフロントが640g、リアが900gの合計1540(= 640 + 900)gと、パワーメータつきの手組みホイールにしては、まずまずの重さに留まったと思います。

Open Pro USTの留意事項

従来のMavicリムに比べて魅力の多いOpen Pro USTですが、購入前から気になっていた点や、実際組んでみて気がついた点を留意事項としてまとめてみます。

推奨タイヤは25mm〜

個人的には所有しているロードバイクは、いずれも23Cが主流の時代の20年前のフレームなので、25Cとして市販されているタイヤの装着はクリアランス的に、やや厳しいものがあります。

購入時に迷った点でもあるのですが、Open Pro USTは内幅19mmのリムであり、公式の推奨タイヤ幅は25mm~47mmとなっています。試しに23CのGP5000を装着してみたところ、タイヤ幅は25mmはクリアしているようです。

内幅18mmで公式に23mmに対応[2]しているDT SWISSのリムや、最近23mmに公式に対応した内幅は17mm[1]とフルクラムの2-Way Fit系と比較すると、Open Pro USTは内幅19mmとワイドリムとしてやや広めの部類です。

25Cとして販売されているタイヤではまず問題のない話ですが、Open Pro USTは、最近主流のワイドリムの中でも内幅が広いので、細めのタイヤを装着する際には、気をつけたいポイントです。

ブレーキゾーンが薄い

Open Pro USTのレビューには、ビードフック部のブレーキゾーンの厚みが薄さへの指摘が目につきます[5][6]。ワイドリムになりつつの軽量化の結果でしょうか、ブレーキゾーンの厚みを実測してみると1.6mmと、おなじく軽量リムカテゴリーのDT SWISS RR411の実測値の1.8mmと比較してみても、やや薄めです。

製品的には、脱着のしやすいMavic USTチューブレスタイヤを前提とした設計の製品のため、クリンチャータイヤ装着の設計優先度は低めなのでしょう。ただし、基本的なクリンチャーでの運用には支障はなく、リムが薄いのに気をつけて、タイヤレバーも無理に力を入れない気遣いがあれば大丈夫な範囲かと思います。

最大空気圧が6Bar?

購入時したリムには「最大気圧6Barまで」のシールが貼ってあります。この表記についてはスルー[5][7]しているショップの言及もあるのですが、おそらくは28Cタイヤを装着した際の注記ではないか?とのことです[8]

そのため、タイヤ幅が減少すれば内圧も高くできることが想定されるのですが、Mavicの公式な資料は見当たりませんでした。これは前述のビードフックの薄さも関連している問題で、既存のリムよりも構造上弱いため注記でしょう。現在は、23Cタイヤで7Bar前後で運用し、3ヶ月ほど経過していますが、特に気になる点はありません。

実走してみて

試しに、近所の坂道を走行してみた感触としては、そこそこの剛性感があって、良く進むホイールといった感じでしょうか。同じハブ・スポーク構成のXR200リム[2]のような軽さや剛性感はありませんが、踏み感的にはRR441リム[3]よりはやや重く剛性がある印象です。

良くも悪くも、通常のOpen PRO[9]と同じような重量感や剛性感の特徴もつホイールで、通常のOpen PROと比較すると甲乙つけがたい感じです。端的に表現すれば、スタイリッシュなOpen PROといったところでしょうか。

とは言え、通常のOpen PROより自由な構成でホイールは組めますし、なにより少ないスポーク数で組めるのはOpen PRO USTの魅力です。従来のMavicの市販リムは32Hや36Hで組んでいた関係もあり、平坦メインのコース、特に冬場などはもっさり感が強く出ていたのですが、今回のホイールでは軽減できそうです。

結論的には、当初の狙い通り、普段使いからレースまで利用できるホイールとして組めたと思います。既存のOpen PROの完全な上位互換とは言えませんが、乗り味的な特徴は引き継いでいるので、Open PROのスタイリッシュな代替品となりそうです。気になるのは耐久性については、しばらく乗ってみて気が付いたところがあれば、またレポートしてみたいと思います。