Panasonic OCC43 11速化 – Wレバーの交換とワイドスプロケット対応

Panasonic OCC43 11速化 – Wレバーの交換とワイドスプロケット対応

Panasonic OCC43 11速化 – Wレバーの交換とワイドスプロケット対応

このバイクは、もともとWレバー(SL-7700)の9速インデックスで運用しており、フリクションで「かんたん11速化」と思っていたのですが、事前準備をふくめて思いがけず時間がかかってしましました。最初は「いま使っているSL-7700をフリクションに変更して11速化する」ぐらいのつもりでしたが、いざ準備を進めた最後の段階で、SL-7700のフリクションが劣化により固定されず、結局はWレバーの交換も必要になりました。

おそらく30年ぶりぐらいのWレバーのフリクションでの操作で心配もありましたが、通勤のようなシフトチェンジが頻繁なライドでも快適そのものです。操作感が軽いので、通常のインデックスよりも快適なほどです。今回は、その事前準備を含めて、その顛末をまとめてみます。

どう11速化するか?

このロードバイクは通勤やトレーニングがメインなので9速でも問題はないのですが、他の11速のロードバイクとのホイール共用には、一手間かかります。端的にいえば、ホイール交換には都度スプロケットの交換が面倒なので、こちらも11速化しようと考えていました。

ワイドレシオスプロケット(最低30T)への対応

近年のロードバイクのスプロケットは、ワイドレシオ化が進んでおり、現在利用している11速ホイールも最大ギアが30T、大きいものでは34Tのスプロケットを好んで装着しています。

一昔前のディレイラー(RD-7700)の公式仕様としてはリア最大ギアは27Tまでなので、30Tを超えるギアはやはり無理があります。まずは11速化の前段階として、現状の11速ホイールを問題なく使えるようにと、現在装着されているパーツを見直しました。

11速移行への準備

せっかくですので、11速化の前準備として、ワイドレシオスプロケットへ対応するためにリアディレイラーの交換と、劣化したフロントディレイラーの交換作業を実施しました。

リアディレイラーの交換 (RD-7700 → RD-M4000)

いずれにしろ、現行のリアディレイラー(RD-7700:最大ギア27T) ではきついので、まずは、この機会にロングゲージのものに交換です。今回は、現状のWレバー(SL-7700)で11速化する想定なので、現行の9速ディレイラーから選んでみました。

とは言え、さすがに現行モデルで9速のディレイラーは少なく、マウンテンバイク向けのものしか流通していなさそうです[1]。現行で入手できるディレイラーは、以下の表の通りに仕様的には(後述する調整ボルトを除き)大差はありませんでした。

No コンポーネント 型番 Shadow 最小 最大 キャパシティ 調整ボルト
1 Alivio RD-M4000 O 11T 32T 45T O
2 Acera RD-M3000 O 11T 32T 45T O
3 Deore RD-M592 O 11T 32T 45T

シマノのマウンテンバイクコンポーネントは10速時代に仕様変更があったので、現行の9速仕様がどうなってるかは心配でしたが、Dyna-Sysなどの表記もないので、旧仕様のままでロードバーク向けのRD-7700とも互換性はありそうでした。なにより、流通価格はいずれも3000円台なので、チャレンジしやすい価格です。

形状的にはSHADOWっぽいので仕様変更の不安はあったものの、今回は、最近のローボバイクコンポーネントにも近しいデザインの、RD-M592を選んでみました。

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不安だった互換性については、とくに9速時代と変更はないようです。最初は、SL-7700がインデックスの状態で調整したのですが、とくに問題なく調整ができました。

ただ、ディレイラーを交換する際にようやく気が付いたのですが、今回購入したRD-M4000にはインデックスを微調整するボルトがありませんでした。最近のMTBコンポーネントは手元で調整できるようにレバー側にケーブル調整ボルトが設置されているようです[2]

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今回は、Wレバーもフリクションの運用ですので、必要ない機能ではあるのですが、インデックスの運用の場合には、購入時に注意が必要なところです。

フロントディレイラーの交換 (FD-7700 → FD-R7000)

リアのついでに、フロントディレイラー(FD-7700)も、内側のガイドブレートがだいぶすり減って削れていたので交換です。選択したのはFD-R7000で、R9100から新しくなった現行のシマノディレイラーと同じ機構のものです。

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交換前はいわゆるシルバーパーツでしたが、リア側がブラックパーツになったので、フロント側もデザイン的にブラックパーツの投入です。取り付けにはカンパニョーロのFDアラインメントツール(UT-FD120)を利用します。隙間は2mmほどになりますが、このツールがあるとフロントディレイラーの取り付けは、本当に簡単になるので、おすすめのツールです。

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今回は、フリクションなフロントWレバーなので、取り付け時の新型ディレイラーの機構によるセッティングはできませんが、いずれにしろ新型ディレイラーはケーブルの取り回し的にキャップが足に当たる心配もなく、いい感じです。

Wレバーの交換 (SL-7700 → W-SHIFT LEVER)

前後ともディレイラーの交換が終わり、いざ現行のWレバー(SL-7700)をフリクションに設定を変更し試走してみたのですが …. 走行中にレバーが移動してしまい、あれれ … という感じで不本意な変速が発生してしまいます。

フリクションが戻る! – SL-7700の経年劣化

原因としては、フリクション時にディレイラーの引きの強さにに負けてしまい、走行中にトップ側に移動しまう状態です。
インデックス時のには全く問題はなかったのですが、調べてみると、SL-7700では経年劣化によりフリクションが戻ってしまう症状の報告が、ちらほら見受けられました。

分解してもみたのですが構造上ユニットごと交換が必要[3]なため、20年近い利用期間を考えると経年劣化は致し方ない感じです。

Wレバーの選択肢

手持ちで、今回のものより利用頻度の低いSL-7700はあったのですが、せっかくの機会なので、新しいWレバーを探してみることにしました。現在入手可能な製品で、候補となりそうな製品の一覧です。おおまかな傾向としては、シマノがインデックス派、ダイアコンペがフリクション派といったところでしょうか。

No Component Product Index Friction 推定引き量(mm)
1 Shimano SL-7700 9 10 20.0 (= 2.5 x 8)
2 SL-7900 10 20.7 = (2.3 x 9)
3 SL-BSR1 11 27.0 = (2.7 x 10)
4 DIA-COMPE ENE 11S SHIFTER 11 27.0 = (2.7 x 10)
5 ENE CICLO W-SHIFT LEVER 10 20.7 = (2.3 x 9)
6 W-SHIFT LEVER 10 20.7 = (2.3 x 9)

ダイアコンペからは、公式には10速までの対応品の他に、シマノの11速ディレイラーに対応した「ENE 11S SHIFTER」が商品化されています。フリクションですが、シマノの11速への対応によりケーブル巻量が35%(=27.0 / 20.0)ほど増えた[4]ことにより、左右非対称となっています。SRAM(31.0 = (3.1 x 10))、Dyna-Sys(36.0 = (3.6 x 10))非対応とあるので、設計的に最小限の大きさに留めている意図は感じられるのですが、あまりに大きい右側のレバーは、ちょっと抵抗感があります。

シマノについては、11速からWレバーそのものがリリースされていません。ただし、11速のバーコン(SL-BSR1)の部品を9速/10速のWレバー(SL-7?00)へ移植することは可能なようです。今回SL-7700の修理もありますし、機会があれば試してみたいと思います。

Wレバー(ENE CICLO W-SHIFT LEVER)の変更

今回、交換する製品は「ENE CICLO W-SHIFT LEVER」を選択しました。いわゆる凸レバーに馴染みがないので、シマノの現行品のようなスマートな形状が世代的には好みです。シルトケーブルは、ディアルコントロールレバーほど複雑ではないため、廉価品のシフトワーヤー(Y60098070)を選択しています。

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おそらく世間一般的には、凸レバーのほうが需要がありそうで、通常の「W-SHIFT LEVER」に比べて、取り扱っている店舗が少ないものの、結果として価格もだいぶ安く購入できました。現行のSL-7700と比較してみましたが、大きさデザインともに違和感なく交換できそうです。

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デザイン的には、シマノよりはカンパニョーロの後期型の凹型以降のものに近いかもしれません。世代的には凸レバーには馴染みがないので、生産中止になりそうだったら追加で購入してみようと思っています。

しばらく乗ってみて

SL-7700のフリクション化で簡単11速化 … と思っていたのですが、結局はWレバーも交換となってしまいました。しばらく通勤メインで乗ってみたのですが、非常にいい感じです。

ここ最近は、インデックスのWレバーしか乗っていなかったのですが、おそらくフリクションのダブルレバーは30年ぶりぐらいでしょうか。おそらくと言うのは、高校生の頃には、通学でPanasonicの(POSではない)ロードに乗っていたのですが、正直インデックスだったかの記憶もあやふやです。ただ、その当時は変則操作で困った記憶もなく普通に乗っていたのは確かなのですが、その当時は5速か6速ぐらいの時代なので、11速のフリクションには多少の不安がありました。

ダイアコンペ W-SHIFT LEVERの感想

11速のフリクションは変則がシビアで …. なんて思っていましたが、実際に乗ってみると変速は快適そのものです。まず、インデックスと比較すると操作がすごく軽いので動かしやすく軽快そのものです。

また、意外なことに、多段化の影響でしょうが適当に引いてもどこかしらのギアに引っかかるので、チャラつくような動作も感じられません。いずれにしろ、リニアな移動なので、ちょっと乗ってみれば1シフトの移動量の感覚が身につきますし、足の感覚でギアのかかり具合がわかるようになるので、(インデックスほどの早い操作はできませんが)変速へのストレスはなく、むしろ操作に楽しさを感じてしまうほどです。

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また、ダイアコンペ独自のパワーラチェット機構がとても良い感じです。取り付ける前段階では、この機構が理解しづらく「戻す方向の抵抗が大きく大丈夫か?」と心配してましたが、よく考えられてます。取り付けてみると、結果としては、操作感はシフトダウンとシフトアップのバランスが取られており、インデックスと同様に両方向とも同じ感覚で変更ができます。

また、フリクションのため、多少ギアがずれて移動する場合でも「ぬるっ」とした感じでギアが移動するので、インデックスのように「ガチャン」とした感じはありません。パワーラチェットの保持力の影響もあるのかもしれませんが、いい感じです。

また、細かいところですが、シマノ系のWレバーと異なり、フロントにはロー側にストッパーがあるため、レバーを落としすぎることはありません。また、シマノ系は、操作しやすいようにレバーをロー位置でも立ち上がる取り付けが推奨[4]ですが、ダイアコンペはダウンチューブと平行になる想定なので、個人的にはこちらの方が好みです。

とにかく、フリクションのインデックスにはない軽い操作感は、おすすめです病みつきになりそうです。また心配していた変速動作は、11速であっても(だからこそ?)快適そのものです。ひさびさの感覚ですが、もう少し乗ってみて、気がついたことがあれば、またレビューしてみたいと思います。