PowerTap GS + DT SWISS RR 441の導入

PowerTap GS + DT SWISS RR 441の導入

PowerTap GS + DT SWISS RR 441の導入

現状の9速ロード用のホイールを、とりいそぎ11速用に刷新してはみたのですが、今回レースやツーリングにも使える新しいホイールを追加しました。

前回はMavic系リム(Open Pro, CXP)だけ組んでみたので、今回はDT SWISSの非対称リムであるRR 441にパワーメータ(PowerTapGS)の組み合わせてみました。

パーツ構成 - どんなホイールにするか

いったん、パワーメータを導入してみると、なんとなくパワー数値のログがとれないライドが物足りなく思えてしまいます。かといって、自転車を乗り換えるたびに、ホイールを入れ替えるのも、面倒です。そのため、今回もパワーメータつきのホイールの追加することにしました。

ハブ - PowerTap GS

今回のハブも、おなじくパワータップ製ですが、ストレートプルタイプのPowerTap GSを選択しました。ハブ型はパワータップ製しかないこともあるのですが、同じメーカーにすることで、計測精度や誤差などが少ないこと期待しての選択です。

img

PowerTapGSは、DT SWISSの240Sストレートプルハブがベースに、強度を保ちつつフランジを削って、G3とおなじトルクチューブを組みこんだ製品とのことです。

パワーメータ組み込みにより削られた重量は公表されていませんが、結果として、240Sハブが212gに対しGSが325gと、実質的には113(= 325 - 212)gの増量でパワーメータの組み込みに成功しています。

ワイヤレス送信部のパワーキャップについてはANT+・Bluetoothに対応しており、現行のPowerTapG3とも共通ものでした。外出時の電池交換も、共通のパワーキャップ着脱工具を携帯しておけば大丈夫です。

リム - DT SWISS RR441

リムは、せっかくなのでマビックのラインナップにはない、非対称のDT SWISSのRR441で組んでみました。DT SWISSの市販リムは最近ラインナップが一新され、現行のラインラップでRR441は最軽量のリムになります。

img

また、RR441はリム内幅18mmと最近主流のワイドリムながらも、公式に23Cタイヤにも対応[1] している点も嬉しいポイントです。手持ちのロードバイクは20年前の設計のものばかりなので、25Cタイヤは正直クリアランス的にはギリギリのため、23Cタイヤを選択できるのは、個人的には大きな魅力です。

前回組んだマビックの市販リムは定番ではありますが、基本設計や形状はこの20年ぐらい変更はありません。また、往年のCXP30のような特徴的なリムは廃盤になってしまい、かなり選択肢が狭くなってしまってます。

かたや、今回リニューアルされたDT SWISSのリムはラインナップも幅広く、形状的にも全般的に旧型の角ばったものから丸みがあるものへのスタイリッシュになりったもの好印象です。

スポーク - SAPIM CX-Ray

DT SWISSのスポークも手組みホイールでは定番ですが、ストレートスポークについては、あまり国内では流通していないようです。とり急ぎ、今回は入手しやすいSAPIMのCX-Rayを選択しました。

実質的に、結果としてDT SWISS製品のみのでのホイール組となるので、スポーク長の計算はDT SWISSの純正ツール[2]で計算しました。

組んでみて、どうだったか

リムについてはアラヤのRC-540など、軽量になるにつれ調整しにくい印象もあったのですが、RR441は柔らかい感触がありつつも素直に組みやすい感じでした。RR441については超軽量とまではいかないので、ある程度の剛性もあり、とくに振れ取り調整に時間がかかるといった感じもありませんでした。

とくにフロントは、ストレートスポークのラジアル組なので、均一に目標のスポークテンションをかけてから調整をかけるだけです。ハブもストレートスポーク用なので、リアをふくめて事前準備となるスポークの配置も非常に簡単でした。

img

リアについては、はじめて組む非対称リムでしたが、組み方自体は通常のリムとおなじで、とくに気をつけるところはありませんでした。ただ、テンションについては、おそらく1200N程度が許容範囲な雰囲気なので、張りすぎについては注意が必要なところです。

img

今回のホイールの最終的な構成および仕様は以下の表となります。備考には、前述の前述のDT SWISSのスポーク計算ツールでの値を載せていますが、実際に購入したスポークは、安心のため値を切り上げた長さのものを調達しています。ニップルは、組みやすさ重視で通常の真鍮ニップルを選択しています。

No 区分 部品 製品名 仕様 備考
1 Front Hub DT Swiss 240S Straight Pull 20H
2 - Rim DT Swiss RR 441 Symmetric
3 - Spoke Sapim CX-Ray Bladed Spoke 288mm 288.0mm
4 - Nipple DT Swiss Pro Lock Standard Brass 12mm
5 Rear Hub PowerTap GS 24H
6 - Rim DT Swiss RR 441 Asymmetric
7 - Spoke Sapim CX-Ray Bladed Spoke 298 / 300mm 298.0 / 299.2 mm
8 - Nipple DT Swiss Pro Lock Standard Brass 12mm

肝心の完成したホイールの重量ですが、実測値でフロントが670g、リアが950gの合計1620(= 670 + 950)gと、パワーメータつきの手組みホイールにしては、まずまずの重さに留まったと思います。

乗ってみて、どうだったか

正直、可もなく不可もなくといったところで、安心しました。今回は、軽量かつ柔らかめのリムでの手組みでしたので、剛性感などに不満がでるかとも思っていましたが、充分なレベルです。

img

近所の1分ほどの登りをスプリント(400W〜500W)的に何回か登ってみましたが、反応もそれほど悪くはありません。さすがにフルクライムのレーシングゼロなどの完組ホイールなどと比べると剛性感は劣りますが、踏んだ感じのかかり方もそれほど遜色はありません。回していけば伸びる感じもあり、結果的には完組ホイールと比べてもタイム的にはそれほどの違いはありませんでした。

また軽量なリムで気がかりであった初期のなじみですが、ストレートスポークの効果が大きいのか、3ヶ月ほど乗ってみても大きなフレも出ていません。

いまのところ、踏み込んでというよりは、回して乗れば伸びる感じの印象のホイールに仕上がりましたが、調整もふくめて引き続きもう少し乗り込んでみたいと思っています。