片面SPD/片面フラットペダルのハイブリッドペダルのPD-A530の後継モデルとして、PD-EH500が販売されました。基本的には通勤で利用しているSPDペダル[6]ですが、休日に近所の公園や街乗りに出かける際の、スニーカーで気軽に乗れるフラットペダルの利便性を求めての購入です。 ハイブリッドペダルには中途半端な印象もあり、かつては所有していたハイブリッドペダル(PD-M324)は売却してしまった経緯もありました[4]。ただし、PD-EH500はSPDペダルとしての使いやすさに重点が置かれながらも、フラットペダルとしての実用性が高い次元で両立されており、ハイブリッドペダルへのネガティブな印象は払拭されました。 デザインと構造 PD-EH500は、PD-A530の後継モデルとして、ライトアクション仕様[1][2]に変更された、片面がSPDビンディング、もう片面がフラット面のハイブリッドペダル[1]です。外観は大きめながらも、肉抜きデザインにより平均重量はペアで383gと、ケージ付き両面ペダルの普及モデルPD-M530(約455g/ペア)と比較すると、かなり軽量です。 耐久性に優れたアルミボディ&クロモリ軸、シーリング構造のカートリッジ軸ユニットでローメンテナンス、実勢価格は8千円前後と入手しやすい価格帯です。 ただし、ライトアクション仕様への変更もあり、付属しているマルチリリースタイプのクリート(SM-SH56)は緩すぎる感があるので、慣れた段階で、シングルリリースタイプのSM-SH51への交換をお勧めします。 使いやすさ(通勤での利便性) 試走してみるまではわからなかったのですが、重量配分的にSPD面を装着しやすいように設計されており、両面ペダルと遜色ないSPDペダルとして活用できます。SPDの装着性の良さと合わせ、片面のロードバイクのペダルに慣れたユーザーであれば、すぐに使いこなせるでしょう。 その反面、フラット面のキャッチは若干テクニカルな動作が必要です。もちろん、踏み面が違った場合には、走行中に足の感覚でペダルの向きを確認して、裏返すのも簡単ではありますが、慣れないうちは戸惑うかもしれません。 ○ フラットペダルのキャッチ方法 最初に、課題となるフラット面ですが、若干テクニカルなスタート動作が必要となります。信号待ちなどで右ペダルが上死点にある場合、下死点となる左ペダルはフラット面を上にして停止していますので、フラット面が上を向いている区間で足を乗せるのが、基本動作となります。 意識的には右足を踏み出すと同時に、左足をフラット面に乗せるイメージが、うまくいきます。慣れないうちは、左足をフラット面に乗せる動作をしてから、右足を踏み出すようにすると良いでしょう。 もう一つは、上死点でキャッチする方法です。ゆっくりめのスタートであれば、後述するように、左ペダルが上死点に到達するとフラット面を前面に倒立するので、足首を立てて足裏でペダルを待って、フラット面をキャッチできます。 ◎ SPDペダルの装着方法 フラット面と比較すると、SPD面のキャッチは非常に簡単で、左ペダルが上死点に到達した時点で、踏み込んでクリップインします。言い換えれば、通常のロード用のペダルと同じ動作でクリップインできるので、難しい点はありません。 左ペダルが上死点に到達した時点で、SPD面が進行方向と逆を向いている状態なります。ケージが大きく重量もあるためか空回りしてSPD面が裏返る心配もなく、簡単にクリップインできます。軽量かつコンパクトなロードペダルより、より簡単にペダルキャッチでき、気楽かつ確実にスタートできます。 ○ ペダルの踏み心地 SPD面の踏みごごちに関しては、良くも悪くも、SPDビンディングペダルとしては標準的な踏み心地です。フラット面のケージの効果はなく、最近の踏み面積が大きめのSPDペダルと比較すると、いわゆる点で踏むような踏みごごちです。 踏み面積の小ささは、往復2時間程度の通勤では問題にはなりませんが、長時間のライドでは、足裏の一部に荷重が集中し、痛みを感じるかもしれません[5]。 ただし、通常のクリップペダルのように、足裏が痛くなったら休憩するのではなく、フラット面に乗せ替えて足裏の痛みの回復をしながら漕ぎ続けられる、ハイブリッドペダルならではの利点はありそうです。 フラット面の踏み心地は、フラットペダルとしては標準的な踏み心地でしょう。アルミケージといっても剛性感が高い踏み感はなく、MKSのRX-1などのピスト用ペダルのような剛性感はありません[6]。 ただし、フラット面には、滑り止めのピンが配置されているので、クリップレスではありますが、横滑りするような感覚はありません。 ◯ 固定力 PD-EH500は、CLICK’R(クリッカー)ペダルの流れを汲む、いわゆる「ライトアクション」仕様に変更された製品です[1]。レクリエーションを目的に設計された製品のため、競技での使用や激しい動きを伴うような使用をする場合は注意が必要です[1][2][3]。 通勤レベルの、通常の引き足やダンシングで外れることはないのですが、ステップアウト力が62%(スプリングポジション最小時)低減されているため、標準付属のマルチモードのSM-SH56クリートでは、ゆるめな感があります。一長一短ですが、 通勤といえども、不意なリリースを防ぐため、通常のSM-SH51クリート交換しています。…
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