SHIMANO SH-RC703 レビュー – シンプルながらハイエンドモデルの技術を継承したモデル

SHIMANO SH-RC703 レビュー – シンプルながらハイエンドモデルの技術を継承したモデル

シマノのロードシューズは、性能、快適性、耐久性のバランスが非常に良く定評があります。特に「SH-RC703」は、同社のハイエンドモデル「S-PHYRE RC903」の技術を継承しつつ、より手頃な価格で高性能を実現したミドルグレードモデルとして人気を集めています。 シマノのロードシューズ初代モデルのRC7(SH-RC700)を2016年の発売以来愛用してきましたが、長年の使用によりかなり傷んでしまい、デザインも時代遅れになってきたため、SPD-SL用の新しいシューズを探していました。 シマノの上位モデルのロードシューズは、これまで派手なカラーリングのデザインが特徴でしたが、今回発表された4代目となるSH-RC703は、シンプルで洗練されたデザインに一新された点が、今回の購入の決め手となりました。 ベーシックなデザイン – シンプルでスタイリッシュ SH-RC703は、RC9シリーズをはじめとするこれまでのシマノロードシューズに見られた派手なカラーリングから一転し、よりベーシックで落ち着いたデザインが採用されました。前モデルのSH-RC702のグラデーションカラーデザインから、モノトーンの単色デザインへと変更され、すっきりとしたフォルムと洗練されたシルエットが特徴です。 このシンプルなデザインは、初心者からベテランまで、幅広い層のサイクリストに受け入れられるでしょう。また、ツートンカラーのデザインが多いシマノロードシューズですが、SH-RC703では、アッパー部とヒール部で同一の素材を使用することで、より一体感のある仕上がりとなっています。 BOAダイヤルの採用 – ベルクロと樹脂パーツの削減 SH-RC703には、微調整が可能なBOAダイヤルが2つ搭載されており、走行中でもライド中の足のむくみや締め付けすぎを、片手で簡単に解消できます。2つのBOAダイヤルは着脱は面倒ですが、ロングライドを考えると、足首と足の甲部分を、個別に調整できるのは、やはり便利です。 パワーゾーンレースガイドは、シマノロードシューズの特徴ではあったのですが、上位モデルのRC9を踏襲し、本モデルから廃止となりました。また、ベルクロと樹脂パーツの廃止は、近年のロードシューズのトレンドとなっていますが、適材適所での樹脂パーツの採用は、シマノらしい質実剛健的さが感じられます。 独自のサラウンドラップ構造 – シュータンの廃止による快適性 最近のシマノロードシューズ、独自のサラウンドラップ構造が採用されているのが特徴です。圧力が均等に分散されるため、長時間の使用でも足が疲れにくく、アッパーがシームレスに足全体にフィットします。 ペダルにパワーを効率的に伝えるとともに、長時間のライドでも快適性を損なわない設計です。また、サラウンドラップ構造の採用により、従来のシュータンは廃止され、何よりシューズの着脱がしやすいのがメリットです。 カーボンソールの剛性感 – ダイレクトさと快適さの両立 SH-RC703は、ソール剛性は10とやや控えめですが、剛性に優れたカーボンソールが採用されています。踏み込んでみると心地よいダイレクトな剛性感があり、適度なシューズ全体の剛性感も、足裏全体の踏み込みをサポートしてくれています。 外面的には、初代モデルのSH-RC700や他社モデルのような、ソール全体がカーボン剥き出しのデザインではなく、ペダリングの接触面となるクリート部以外は保護されています。外面的には、いかにもカーボンソールなデザインではありませんが、内面的にはヒール部まで一体成形されたカーボンソールで覆われています。 カーボンソールは中抜きされており、クリート部までコンポジットナイロンソールの部品が嵌め込まれています。カーボンソール特有のパワー伝達のダイレクト感を提供つつ、必要以上に硬すぎないため、ロングライドでも快適に使用できる絶妙なバランスを実現されています。また、剛性感だけではなく、雨天時や洗浄時などの耐久性も期待できそうです。 WIDEモデルの選択肢 – ロングライドや冬季でも快適 幅広の足を持つライダーにとって、シマノのWIDEモデルの存在はありがたいラインナップです。SH-RC703も通常モデルに加え、WIDEモデルも展開されています。シューズのフィット感は、快適なライドに直結します。特に、長時間のライドでは、適切な幅のシューズが足の疲労を軽減するため重要です。 個人的に、シューズを選択する最重要事項は、「足が痛くならない」快適性です。また冬場には、厚手のソックスを履くことも多いため、WIDEモデルの選択肢は、通勤など、通期で使用するライダーにとって非常に有用な選択となります。…

Read more

SHIMANO SH-RC302レビュー – シンプルかつトレンドが詰め込まれたエントリーモデル

SHIMANO SH-RC302レビュー – シンプルかつトレンドが詰め込まれたエントリーモデル

シマノのRC3は、2021年にラインナップされたシマノノレーシングロードシューズで、上位モデルから多くの機能を受け継ぎ、エントリーモデルの枠を超えた充実した機能を備えたロードバイクシューズのグレードです。今年、2代目モデルとしてSH-RC302にリニューアルされ、初代モデルのSH-RC300への改善点もあり、今回購入してみました。 今回のSH-RC302も、RC3グレードらしい価格帯を超える品質と機能性は維持されています。レースグレード向けの改良により価格向上はありつつも、全体的な剛性感やチープな部分は改善されており、コストパフォーマンスを重視するライダーには、間違いなくおすすめできる一足です。 SH-RC302の特徴と利点 SH-RC302は、SHIMANOのハイエンドモデル「S-PHYRE」シリーズで培われた技術を継承しつつ、現代的なトレンドを取り入れたコストパフォーマンスに優れた、高性能なロードシューズに仕上がっています。モデルナンバー的には、SH-RC301はスキップされたのでしょうか。初代モデルのSH-RC300との比較を交えて、特徴をまとめてみます。 BOAダイヤルの採用 – 素早い脱着と調整 SH-RC302も、低価格帯ながらBOAダイヤルを一つ搭載し、ベルクロとの併用もないシンプルな設計です。この価格帯では通常ベルクロや靴紐が一般的ですが、成熟が進み、ベルクロだけではなくルーティングの樹脂パーツがないのも、近年のロードシューズのトレンドではないでしょうか。 例えば、ロングライド中に足がむくんでも、BOAダイヤルを回すだけで簡単に緩められるのは大きなメリットです。また、従来のバックル式に比べてメカニカルなトラブルが少ないため、安心して使用できます。 BOAダイアル位置の変更 – 改良されたフィット感 初代モデルのSH-RC300では足首やヒール周りのフィット感に甘さもありましたが[1]、SH-RC302では、BOAダイアルの位置が一般的な高い位置に変更され、課題であったフィット感の甘さが改善され、足首からヒール周りまでのホールド感が向上しています。 初代モデルのSH-RC300では、低いBOAダイアルの位置は独自のデザイン性への寄与もありましたが、一般的な位置へ変更されました。ヒールカップの形状も変更され、SH-RC300ではが絞りこまれていた形状が、包み込むような形状に改良され、ヒールの安定性に寄与しています。 ベーシックなデザイン – シンプルでスタイリッシュ RC3シリーズは、シンプルでありながらスタイリッシュなデザインが特徴です。SH-RC302では、、アッパー部とヒール部で異なる素材が異なる、RC上位モデルのデザインが取り入れられましたが、単色をベースにベーシックなブラックやホワイト、ネイビーなどのシンプルなカラーバリエーションがラインナップされています。 S-PHYREを筆頭とするシマノノレーシングロードシューズは、トレンドを先取りしている面もあるのか、奇抜なデザインが多く、好みが分かれるところではないでしょうか。シンプルなデザインを求める方にとってSH-RC300は魅力的な選択肢です。デザインは控えめですが、細部の仕上がりには妥協がありません。アッパーのステッチや素材の質感からは、シマノの製品へのこだわりを感じます。 ソール構造の改良 – 全体的な剛性は向上 数値的なソール剛性は6と、初代モデルのSH-RC300と同じとされていますが、ソール全体の剛性は明らかに向上しています。外面的なクリート部の剛性に変化はありませんが、手の力でも歪ませられた前モデルのソール全体の柔らかさが、改善されています。 SH-RC300と同じ素材感のコンポジットナイロンソールですが、ソール部は再設計されています。ハニカム構造部のパターンは変更され、肉抜き部の面積も小さく素材の充填率が大きくなり、ソール全体の剛性感に寄与しています。ベンチレーション部の小型化は、寒冷期など、通期の利用にはありがたい変更です。 再設計されたソールは、クリート部が簡易的な 防水シールは廃止され、ナイロンカバーの嵌め込みに変更されています。ナイロンカバーは、クリート部の剛性感だけではなく、雨天時や洗浄時などの耐久性も期待できそうです。 WIDEモデルの選択肢 – ロングライドや冬季でも快適 SH-RC302は通常モデルに加え、WIDEモデルも展開されています。幅広の足を持つライダーにとって、シマノのWIDEモデルの存在はありがたいラインナップです。シューズのフィット感は、快適なライドに直結します。特に、長時間のライドでは、適切な幅のシューズが足の疲労を軽減するため重要です。…

Read more

GIRO REPUBLIC R KNIT レビュー:快適性とパフォーマンスを両立したSPDシューズ

GIRO REPUBLIC R KNIT レビュー:快適性とパフォーマンスを両立したSPDシューズ

GIRO PRIVATEER LACEを購入[1]したみたものの、夏場の暑い時期には通気性が不足感があります。今回は、夏場の快適なライドを求めて購入したGIRO REPUBLIC R KNITについてレビューします。 特徴 GIRO REPUBLIC R KNITは、GIRO EMPIRE E70 KNIT[2]に似たニット素材のアッパーを採用し、夏場でも通気性を確保しつつ、軽快な履き心地を実現したロードシューズです。 特徴的なのは、アッパーの編み方やソールの剛性が異なり、フィット感と通気性に優れており、真夏の炎天下では蓄熱感はあるものの、長時間のライドでも蒸れを感じることなく快適に過ごせます。 快適性とフィット感 - 蓄熱感ありで硬め REPUBLIC R KNITの最大の特徴は、GIRO EMPIRE E70 KNIT[2]と同じくニット素材を使用したアッパーが特徴です。ただし、GIRO EMPIRE E70 KNIT[2]と比較すると、重量も320gと重めで、編み方の違いなのか、ニット素材ながらアッパー全体に重厚感と剛性感があります。 ベロ部分も革ではなく、厚めのニット素材で、アッパー全体に剛性感と強いフィット感が特徴です。履いてみると包み込むような強いフィット感はあるももの、足指の部分は柔らかく収縮性があり、窮屈さはありません。 ただし、GIRO EMPIRE E70…

Read more

GIRO PRIVATEER LACE レビュー : クラシックさと実用性を両立したSPDシューズ

GIRO PRIVATEER LACE レビュー : クラシックさと実用性を両立したSPDシューズ

GIROのPRIVATEER LACEは、マウンテンバイクやシクロクロスライダー向けに、必要な耐久性と快適性を両立したシューズです。予備はあるものの、長らく通勤で使用してきたShimano MT7[1]がくたびれてきたため、通勤にも適したデザインだと思い、購入してみました。 GIROのPRIVATEER LACEは、クラシックなレースアップデザインと現代的な機能性が融合されており、やや通勤にはオーバースペックが感はありますが、購入してみた感想をまとめてみます。 GIRO PRIVATEER LACEの特徴 GIRO PRIVATEER LACEは、クラシックなレースアップデザインと、耐久性を重視した素材選定が特徴です。マイクロファイバーアッパーによって足に馴染み、通勤時の雨にも耐える防水性があります。また、ソールのゴムの厚みとナイロンソールの組み合わせにより、長時間のライディングと日常的な歩行をサポートします。スパイクピン装着可能なソールもレースシーンでのパフォーマンスを意識した設計です。 クラシックなレースアップデザイン PRIVATEER LACEの最大の特徴は、最近各メーカーで流行しているクラシックな、レースアップスタイルで締める強さや緩める場所を細かく調整できるのが利点です。 最近の標準システムとも言えるBOAダイヤルと比較すると、着脱は少し手間がかかります。ただし、通勤用途には、通常のスニーカーなどと同じように、多少緩めに調整しておけば、着脱の問題は回避できそうです。 アッパー素材と耐久性 PRIVATEER LACEは、強靭で耐久性のある、マイクロファイバーアッパー素材が採用されています。本革のようなマイクロファイバーアッパー素材なため、使い込むほど馴染んできそうです。 全体的に重厚でしっかりとしており、通気性はやや劣りますが、通勤時の多少の雨は、問題なく防いでくれそうです。ただ、レースシーンの悪路や悪天候下を想定してか、シューズ全面にパンチングはなく、通気性は控えめなため、夏場には蒸れやすいかもしれません。 耐久性は、本革のような柔軟性がある反面、Shimano MT7[1]などの、TPUコンポジットアッパー素材と比較すると、注意が必要かもしれません。つま先や踵部など適所にゴムのプロテクターが装備されてはいるものの、本体は擦れ傷や引っ掻き傷に弱いかもしれません。 ソール素材と耐久性 ソールの素材は、マウンテンバイクシューズでは一般的な、ナイロンソールが採用されています。ナイロンソールと言ってもたわむ感じは少なく、レースシーンも想定されているため、スパイクピンの装着が可能な設計になっています。 また、レースでの悪路走行が想定されているため、ソールのゴムは厚めに設計されています。通勤においても、ソールのゴムが厚めのため、舗装路での歩行も歩きやすく、摩耗による耐久性もありそうです。 まとめ GIRO PRIVATEER LACEは、通勤にも対応できるパフォーマンス性と快適性を兼ね備えたシューズです。クラシックなレースアップデザインに加えて、耐久性の高いアッパー素材や、悪路走行にも対応できるソールが特徴です。 ただし、通気性に関してはやや控えめなため、夏場の使用には工夫が必要かもしれません。全体的には、通勤とマウンテンバイク、シクロクロスライディングを兼ね備えたシューズとして、多用途に活躍できそうです。 [1]…

Read more

Fizik Vento Infinito Carbon 2 Wide レビュー: 快適性とパフォーマンスを両立した次世代ロードシューズ

Fizik Vento Infinito Carbon 2 Wide レビュー: 快適性とパフォーマンスを両立した次世代ロードシューズ

Fizik(フィジーク)からからワイドモデルであるVENTO INFINITO KNIT CARBON 2 WIDEが登場しました。歴代フィジークのシューズを愛用しているものの、シマノシューズでは基本的にワイドモデルを選択しているため、履き始めは少々窮屈なのが難点でした。 通常のVENTO INFINITO KNIT CARBON 2のKNITアッパーモデルもパフォーマンスと快適性が両立されたモデル[1]でしたが、今回のワイドモデルにも、KNITアッパーモデルも準備されています。ワイドモデルの快適さ加えて、柔軟でしなやかな包み込むようなフィット感も期待して、今回もKNITモデルを選択しました。 WIDEラストでの最適な足型対応 VENTO INFINITO KNIT CARBON 2 WIDEの最大の魅力は、幅広や甲高の足型にしっかりと対応している点です。日本人の足に多い幅広・甲高の特徴に最適化されているため、海外メーカーの標準的なシューズではフィット感が合わなかったライダーでも安心です。 通常モデルと比較すると外見的な違いは僅かですが、履いてみてのワイド感は、かなり余裕があります。WIDEモデルながらもフィジークのシューズらしさを維持しています。 快適性を追求したフィット感と耐久性 今回選択したKNITモデルは、WIDEラストな設計に加えて、アッパーには強度や剛性が確保されながらも、高通気性を誇るニット素材が使用されており、長時間のライディングでも足が蒸れにくく、快適さが期待できます。 ただし、ニット素材モデルといっても、フィジークらしくレースシーンでの性能を担保した上で快適性を実現しています。ニット素材は、GIRO EMPIRE E70 KNIT[2]のような編み物的なアッパーではなく、伸縮性があるフィット感を確保しながらも、強度や剛性が重視された設計となっています[4]。 耐久性については、GIRO EMPIRE E70 KNIT[2]のように爪先や踵部などのピンポイントな補強ではなく、マウンテンバイクシューズ[3]のように、ピンポイントの補強に加え、アッパー全体に熱溶着TPU処理[4]が施されており、雨天での耐候性や、何より合成皮革より高い耐久性が期待できます。 高いパフォーマンスを支えるカーボンソール…

Read more

Fizik Vento Infinito Carbon 2 KNIT レビュー:次世代のパフォーマンスシューズ

Fizik Vento Infinito Carbon 2 KNIT レビュー:次世代のパフォーマンスシューズ

Fizik(フィジーク)のVENTOシリーズから、INFINITO KNIT CARBON 2 WIDEが登場しました。シマノのシューズでは基本的にワイドモデルを選択していますが、従来のようなタイト感は薄れた[1]とはいえ、Fizikの合成皮革シューズの履き始めは、少々窮屈さがあります。 今回、VENTO INFINITO KNIT CARBON 2には、KNITアッパーモデルも登場しています。GIRO EMPIRE E70 KNIT[2]でのニット素材の快適性とパフォーマンスの両立に期待して、KNITモデルを選択してみました。 デザインとフィット感 デザインは前作のFizik R1 Infinitoを踏襲しており、シンプルで洗練された美しさが特徴です。アッパーのニット素材は、GIRO EMPIRE E70 KNIT[2]のような編み物的なアッパーではなく、伸縮性があり、フィット感を確保しつつ強度や剛性が重視された設計となっています[1]。 ニット素材は、従来の合成皮革より若干柔らかく、特に親指側の内側部分は伸縮性が高く、足の形状にフィットします。さらに、マウンテンバイクシューズ[3]のように熱溶着TPU処理[1]が施されており、雨天での耐候性や、何より合成皮革より高い耐久性が期待できます。 パフォーマンスと軽量化の両立 VENTO INFINITO KNIT CARBON 2は、Fizik最高の剛性指数10を誇るR2カーボンソールを採用しています。剛性が高いため、踏み込んだ際の反応が素早く、ペダルに伝わる力がロスなく効率的に推進力に変換されます。 新設計のR2カーボンソールは軽量化にも成功しており[1]、サイズ42でわずか225gという軽さを実現しています。軽量化されたシューズは、長時間のライディングでも足への負担を軽減し、スムーズなペダリングが期待できます。 通気性と耐久性の両立 Vento…

Read more

SHIMANO RC3 SH-RC300レビュー – SH-RC300の魅力とは

SHIMANO RC3 SH-RC300レビュー – SH-RC300の魅力とは

今回、シマノノレーシングロードシューズのラインナップに、RC3が新たにリリースされました。先進テクノロジーを搭載し、抜群のパフォーマンスを追求したロードシューズのラインナップとなります。 SH-RC300はエントリーモデルに位置づけられながらも、上位モデルから多くの機能を受け継いでおり、コストパフォーマンスに優れた一足となっています。本記事では、SH-RC300の特徴や利点、気になったポイント、おすすめのライダー層などを詳しく解説します。 SH-RC300の特徴と利点 SH-RC300は、SHIMANOのハイエンドモデル「S-PHYRE」シリーズで培われた技術を継承しつつ、現代的なトレンドを取り入れたコストパフォーマンスに優れた、高性能なロードシューズに仕上がっています。 BOAダイヤルの採用 – 素早い脱着と調整 SH-RC300の目玉機能の一つは、低価格帯ながらBOAダイヤルを搭載している点です。この価格帯では通常、ベルクロや靴紐が一般的ですが、SH-RC300はBOAダイヤルのみを採用しています。ベルクロとの併用もないシンプルな設計は、近年のロードシューズのトレンドではないでしょうか。 BOAダイヤルは、通勤など忙しいシチュエーションでも素早い脱着が可能です。また、ライド中に締め直したり緩めたりといった微調整も簡単に行えます。時間に余裕があれば、靴紐での調整も可能ですが、通勤など、利便性を重視するライダーにとって非常に実用的な選択肢となっています。 ベーシックなデザイン – シンプルでスタイリッシュ SH-RC300は、シンプルでありながらスタイリッシュなデザインが特徴です。加えて、SHIMANOのロゴや、RC3の製品名のデザインの配置は控えめで、過度に主張しない点も好印象です。カラーバリエーションもベーシックなブラックやホワイト、控えめながらネイビーやレッドなど、通常カラー以外のラインナップもあります。 正直、S-PHYREを筆頭とするシマノノレーシングロードシューズは、トレンドを先取りしている面もあるのか、奇抜なデザインが多く、好みが分かれるところではないでしょうか。シンプルなデザインを求める方にとってSH-RC300は魅力的な選択肢です。 WIDEモデルの選択肢 – ロングライドでも快適 SHIMANOのシューズを選ぶ理由の一つに、WIDEモデルの存在があります。SH-RC300にもWIDEモデルが用意されており、幅広の設計により足の窮屈感を軽減されています。特にロングライドでの快適性を追求したいライダーにおすすめです。 個人的に、シューズを選択する最重要事項は、「足が痛くならない」快適性です。通常モデルでは合わない可能性がある方も、WIDEモデルを選ぶことで足への負担を大幅に軽減できます。長時間のライドで足が痛くなる心配を軽減し、初心者から経験者まで幅広い層に対応しています。 独自のサラウンドラップ構造 – 靴舌を廃止 SH-RC300では、「サラウンドラップ構造」を採用し、靴舌(ベロ)が廃止されています。圧力を均等に分散するBOAダイアルの配置デザインで、特定の部位に負担がかかりにくく、足全体を包み込むようなフィット感があります。 従来のロードシューズに採用されていたベルクロと同じく、ベロが廃止されているのも、最近のロードシューズの重要なトレンドでしょう。BOAダイアルの配置位置は独特ですが、足全体を包み込むようなフィット感があります。 耐久性と通気性を両立したアッパー素材 アッパーには合成皮革とメッシュ素材を組み合わせた構造が採用されています。耐久性に優れた合成皮革と、通気性を高めるメッシュ素材の組み合わせによりフィット感と快適性を両立し、価格以上の高級感も感じさせます。 合成皮革といっても、細かいホールが空いているアッパー部は、シマノのSPDシューズに採用されているような質感の、傷や擦れに強い素材が使用されています。汚れはともかく、通勤のような、毎日のハードな利用にも気兼ねなく、使い倒せそうです。 SH-RC300の気になる点 SH-RC300は、エントリーモデルでありながら、上位モデルから多くの機能を受け継いでいるSH-RC300ですが、気になる点もいくつかあります。 剛性は控えめ…

Read more

GIRO EMPIRE E70 KNIT – シティライドやロングライドに最適なシューズ

GIRO EMPIRE E70 KNIT – シティライドやロングライドに最適なシューズ

個人的に、シューズを選択の最重要事項は、ロングライドでも足が痛くならずに踏めこめる快適性です。特に、通勤やシティライド、さらには長時間のライドにも対応できるシューズは、快適性と機能性を兼ね備えている必要があります。 最近、高機能性のKNIT素材を採用したシューズが販売されていますが、GIROのEMPIRE E70 KNITは、これらの要素を完璧にバランスさせたシューズです。通気性、軽量化、そして優れたフィット感を提供しつつ、デザインも洗練され、レースにも過不足ない剛性も確保されています。 外観とデザイン EMPIRE E70 KNITは、シンプルながらも目を引くデザインが特徴です。シューズの外観は非常にスリムで、シューレーススタイルのサイクリングシューズで、KNIT素材のアッパーが全体を包み込むデザインです。 デザイン的には、いかにもなサイクリングシューズではなく、スポーティでありながら、通勤などのシティライドにも適応できるバランスを持っています。 サイズ感とフィット感 ワイドモデルの設定はなく、スリムな形状ながらも、足の甲やつま先の部分に圧力がかからないため、通常サイズを選んでも窮屈さがなく、フィット感は良好です。一般的なシューズのような感覚で、スリムなサイクリングシューズに見られる窮屈さはありません。 KNITアッパーが足にぴったりとフィットしながらも、足の形状に合わせて柔軟に伸縮します。履いた瞬間に、従来のサイクリングシューズとは明らかに違う、優しいフィット感が得られます。この柔軟性が、長時間のライドでも足の負担を軽減し、快適な着用感を提供します。 パフォーマンスと剛性 EMPIRE E70 KNITの魅力は、EastonのEC70カーボンソールが採用され、軽さと適度な剛性が実現されていることです。ナイロン素材のような、たわむ感じは全くなく、レースでも過不足ない、必要十分なしっかりとした剛性があります。 KNIT素材に加え、カーボンソールによる軽量化は大きなポイントです。シューズ自体が非常に軽く、長時間のライドでも足元を感じにくく、スムーズなライディングを楽しむことができます。磨耗が激しい、ヒールパッド部分が交換可能なのも、嬉しい点です。 通気性と暑さ対策 シューズに使用されているKNIT素材は、通気性に非常に優れています。特に夏場や長時間のライドでは、この通気性が大きなメリットとなります。足元が蒸れることなく、快適な状態を保ち、長時間のライドでも足元の湿気が気になることはありません。 また、KNIT素材は非常に軽量で、熱を逃がしやすいため、過酷な暑さの中でも足元を快適に保つことができます。通気性が高いだけでなく、シューズ全体が足に密着し、パフォーマンスを支えるサポート力も十分です。 耐久性と防水性 EMPIRE E70 KNITは、通気性が高い一方で、耐久性にも配慮されています。シューズの編み込み素材は強度を持ち、汚れにも強いので、日常的な使用において十分な耐久性を誇ります。グレーの素材部も、特に目立った汚れがつかず、簡単に洗濯もでき、手入れも簡単です。 耐久性については、尖った石や障害物には注意が必要でしょうが、合成皮革のアッパーよりもむしろ摩擦などの擦れなどには強く、高い耐久性が感じられます。 ただし、雨の日や湿度が高い環境では、通気性のために水分が浸透することがあります。防水性能を求めるライダーには少し不安な点かもしれませんが、乾きやすい素材であるため、軽い雨程度であれば問題なく使用できます。 総評 GIRO EMPIRE E70…

Read more