Zwift COG & CLICKレビュー – 静かでスムーズな新感覚のシフティング体験

Zwift COG & CLICKレビュー – 静かでスムーズな新感覚のシフティング体験

Zwift COG & CLICKは、従来の機械式シフトにはない、静かでスムーズな変速体験を実現し、バーチャルトレーニングの可能性を大きく広げる革新的なアクセサリーです。シンプルな装着方法と高度な仮想ギア設定により、実走に近い走行感覚と戦術的な走行が可能となり、長時間のトレーニングやレースシーンにも最適です。 本記事では、製品の基本的な特徴やセットアップ方法、そして実際の使用感について詳しく解説します。最後のまとめで触れたように、実走とは異なる感覚もありますが、その快適なシフティング体験は一度試す価値が十分にあります。 Zwift COGとは Zwift COGは、もともとZwift Hub Oneトレーナー向けに登場したスプロケットでしたが[2]、現在では「Zwift Ready[3]」対応のスマートトレーナー向け汎用品として進化しています。 現在販売されている第2世代のオレンジ色のZwift COG v2は、マルチトレーナーフリーハブ付きとフリーハブなしの2種類があり、今回はフリーハブなしタイプ(KICKR MOVE本体のフリーハブを利用)を購入しました。 フリーハブなしのZwift COGは、SHIMANO HGフリーハブ互換の14Tシングルギアですが、単なるシングルギアではなく、チェーンライン調整用に左右10段階のオフセット機構が組み込まれているのが特徴です。 Zwift COGのセットアップ 購入品には紙のマニュアルが付属していないため、Zwift公式[4]のチュートリアル動画を参考にセットアップを進めるのがおすすめです。手順としては、まずZwift COGを装着し、その後チェーンラインの調整を行います。 [5] Zwift Cog (No Freehub) Set Up…

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Wahoo KICKR MOVE + KICKR CLIMBを試してみて

Wahoo KICKR MOVE + KICKR CLIMBを試してみて

KICKR 2020の故障[1]により、Wahooサポート経由で日本代理店から新品購入の割引オファーがありました。KICKR MOVEは、ダンシングには不向きながらも、疲労軽減にもつながり自然なペダリングが可能となるスライド機構が導入されています。懸念としは、KICKR 2020[1]とCLIMB[2]の2回の故障を経験し、KICKR MOVEについても無償の保証期間が1年と短いことです。 購入前にWahooサポートに確認したところ、KICKR MOVEも故障箇所によっては有償の修理も期待できない[1]とのことでしたが、他社製品では手持ちのKICKR CLIMBは活用できす、再度Wahoo製品のMOVE購入に踏み切りました。 KICKR MOVEの特徴 KICKRについては、登場以来の基本性能およびデザインが踏襲されています。KIKCR MOVEについても、全体的なサイズ感や、メインコンポーネント部については従来デザインと共通です。 KICKR 2020(V5)とKICKR MOVEを比較してみても、メインコンポーネント部には、特徴的なWIFIのLEDランプが追加されている程度です。ただし、持ち運びのハンドル部が交換可能となり、より取り回しやすい位置に変更されています。 今回、KICKR MOVEに搭載されたスライド機構は、KICKRにおけるメジャーアップデートと言える刷新になりますが、いくつかマイナーな更新も合わせて、その特徴につきレビューしてみます。 ◎ MOVE – 機械式スライド機構の導入 KICKR MOVEの最大の特徴は、本題部分が前後にスライドする機構が組み込まれたことでしょう。従来の左右5°の範囲内で傾く設計であるAXISフィートも標準装備されているため、固定式のトレーナーでありながら、前後左右の移動が実現されています。スライド機構は機械式で、前後に7cm、合計14cmの範囲で動作します。 スライド動作は、実走から想像される単純な前後へのスライドではなく、振り子のような動きをします。また意図した動きではなさそうですが、スライド機構部自体にも左右1°ほどの遊びがあるため、AXISフィートに加えて左右の揺れに対しての追従性が増しています。 スライド機構は、電子的な制御もなく、耐久面も期待できます。また、ロックアウト機構も備え付けられており、バイクを装着時やトレーナーの移動時はもちろん、スライド機構をオフにし従来のKICKRのような固定ローラとして利用する機構としても活用できる点も、保険的な意味で有難い機能です。 ○ 乗降時の振り子感 スライド機構を有効にしている場合、KICKR MOVEの乗り降りは、少なからず振り子感があります。固定ローラーの感覚で粗っぽく乗降すると、スライド機構により、かなりの振り子動作が発生します。 例えれば、揺れた船に乗降する感じでしょうか。静かに乗降すれば振り子感は抑えられますし、派手に乗降しても、KICKR…

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Wahoo KICKR(2020)の故障 – 保証期間後の対応について

Wahoo KICKR(2020)の故障 – 保証期間後の対応について

2020年末に購入[1]したWhoo KICKR (2020)が故障してしまいました。サポートセンターに連絡を取りましたが、1年間の保証期間は過ぎており、サポートセンターとしては修理対応はでききないとの回答でした。残念ながら、廃棄せざるを得ない状況となり、結局は同社のKICKR MOVEの再購入[3]となりました。再購入に至るまでの、故障と問い合わせの状況についてまとめておきます。 故障状況 – 正常認識も出力が0W KICKRの故障は、特段の予兆もなく突然発生しました。Zwiftを起動して、普段通りKICKRも正常に認識され開始できたのですが、ペダルを回しても、いっこうに進みません。気がついてみると、ペダルを回してもパワーが常に「0W」の状態です。 ただ、今思えば、Zwiftの勾配にKICKR CLIMBが連動しない症状が発生したことがあったので、予兆だったのかもしれません。KICKRのLEDも正常に点灯、Zwiftのセンサー画面で認識され、ペダルを回す負荷の感触の変化もないものの、パワーは常に0Wと表示されたままの状態です。 KICKR CONNECT[2]で接続していたので、その他のANT+およびANT+FE-Cでの接続を試みましたが、いずれも同じ状況で、パワーが常に「0W」な状況は変わりませんでした。また、同様に、WahooのアプリでもKICKRは正常に認識されているもののん、アプリでもパワーが「0W」の状況でした。 Wahooサポートセンターへの連絡 今回のKICKRはWahooのダイレクトサイトでの購入品[1]です。以前にも、購入したKICKR CLIMBの故障経験もあり[1]、Wahooのサポートセンターに連絡を取りました。 STEP1: 購入経路の確認 最初に、Wahooのサポートセンターでは、ダイレクトサイトのみ購入品のみの対応ということで、購入証明書の提示とKICKR(V5)のシリアル番号の提示を求められました。ダイレクトサイト以外の購入については、基本的には購入した店舗へ連絡してから、日本代理店のインターテックでの対応となるとのことです。 また、正規代理店経由以外の並行輸入品については対応外、海外通販サイトでの購入の場合には、新品交換の依頼が基本となる旨の補足説明がありました。 STEP2: ファクトリースピンダウンによる校正 購入経路の確認を終え、Wahooサポートセンターの担当者からファクトリースピンダウン実行の指示がありました。このファクトリースピンダウンにより校正は、正確なドラッグ値を読み取り、再登録することで、アルゴリズムが使用中の出力を正確に計算できるようにする校正処理とのことです。 ただし、この校正作業は、製造時のに実施する作業であり、絶対に必要な場合を除き、行わないでくださいとの注意がありました。不適切な実施は、キャリブレーションテストでユニットに大きなドラッグが発生し、デバイスに損傷を与える可能性があるとのことです。 ○ STEP2-1: ファクトリースピンダウンの起動 ファクトリースピンダウンは、Wahooのアプリから実行できるのですが、その起動については非公開です。隠しコマンドとして実装されており、その起動方法はアプリのバージョンにより異なるようです。 基本的に、KICKR V5 (2020)以降は、自動補正のため、手動によるキャリぷレーション処理は不要とされています。ただし、この所定の隠しコマンドの入力より、通常(?)のスピンダウンと合わせて、ファクトリースピンダウンのメニューが表示されました。…

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Wahoo KICKR Direct Connectの安定性と遅延について

Wahoo KICKR Direct Connectの安定性と遅延について

Zwiftのv1.24[1][2]から、KICKRの有線ケーブル接続オプションであるDirect Connectがサポートされたので、早速試してみました。結論的には、Direct Connectによる走行にはやや違和感を感じることもありますが、通信の安定化は、不安定さがあるANT+無線通信と比較すると、非常に大きなメリットになりそうです。 ANT+接続の課題 今まで、KICKRとZwiftの接続は、WindowsPCとUSBのANT+スティックの無線で接続していました。最初は、PCに直刺しの状態(KICKRからの距離は160cm)運用では、明らかに1秒ほどパワーが0Wになる瞬断が発生するため、USB延長ケーブルを併用していました。 Zwiftのv1.24[1][2]から、KICKRの有線ケーブル接続オプションであるDirect Connectがサポートされたので、早速試してみました。KICKR Direct Connectの発表から約1年越しとなる、ようやくのZwiftでの対応です。結論的には、Direct Connectによる走行にはやや違和感を感じることもありますが、通信の安定化は、不安定さがあるANT+無線通信と比較すると、非常に大きなメリットになりそうです。 もちろん、数値通りに、当日の体調やペダリングのトルクが抜けている可能性はあるもの、ANT+無線通信への機材的な不信感は拭えていませんでした。 Zwiftとの接続 Direct Connectは、KICKR(2020)[6]と同時に購入したものの、Zwiftでの対応は今回のv1.24[1]登場まで、1年近く待つこととなりました。他社と比較して最後発の対応となったのは、後述するプロトコル的な課題もあり、チーター対策が課題とされたのかもしれません。元々、ZwiftのWindowsPCも有線で室内ネットワークに接続しており、今回は通信安定化の目的もあり、Direct Connecも有線ネットワークで接続しました。 Direct ConnectをZwiftで認識させるには、物理的な接続と合わせ、ネットワーク的な設定が必要です[2]。Windows版の場合には、v1.24[1]インストール後に、セキュリティ許可のアラートがポップアップされたので、許可する必要がありました。 また、KICKR関連のファームウェアも併せての更新をお勧めします。Zwiftのデバイスペアリング画面設定で、イサーネットコネクタのアイコンのKICKRが認識されれば、設定完了です。 今回は設定初めに、認識はされるものパワーデータが送信されない事象が発生しましたが、KICKRのファームウェアを最新(v4.2.8)に更新すると解消されました。ちなみに、Direct Connectは発売時(v1.0)からファームウェアの更新はありませんでした。 試走してみて – 安定性と更新周期 Zwiftでの認識に成功したので、早速試走してみました。しばらく乗っていると、踏み込んでいる出力が遅れている反映されている感覚があることに気がつきました。今までにない感覚で、パワーデータの反応がもっさりしている違和感があります。 ANT+接続のような、瞬断により淡々と踏んでいるのにパワーが反映されていない感覚とは違う違和感です。踏み続けていると、確かにパワーは正確に反映されるのですが、反映されるまで辛抱して踏み続ける必要があります。また、急激に踏み込んでみると、突発的なパワー変動が反映されていないANT+無線通信ロストに近しい、違和感も感じられました。 通信プロトコルの確認 – 遅延による違和感の原因 違和感が気になったので、Direct Connectのの通信状況を確認してみました。既に解析されている通り[3]、ダイレクトコネクトのデバイス発見は軽量なZeroconfプロトコルである、mDNS(マルチキャストDNS)ベースです。…

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vEVERESTING (The Le Col x Strava 8848 Challenge)

vEVERESTING (The Le Col x Strava 8848 Challenge)

コロナ禍で世界中で行動が宣言される中、「The Le Col x Strava 8848 Challenge」の開催がありました。この機会に、全くの道の領域であった、vEVERESTINGに[1]へ挑戦してみました。 vEVERESTINGの特別ルール vEVERESTINGに[1]への挑戦には、スマートトレーナーの利用およびZwiftなどの公式認定アプリの利用が必須となります。基本的に屋外のEVERESTINGの公式ルール[2][3]の公式ルールに準じますが、難易度的には「下り坂はバイクから降りての休憩」が認められているのが、最大の特徴です。 また、紳士協定的になりますが「体重は正確に」「難易度(勾配)設定は100%」などの細かな注意点がありますので、挑戦する際には必ず公式ルール[1]を熟読することをお勧めします。 コース選択 – Alpe du Zwiftがお勧め vEVERESTINGに[1]への挑戦には、ZwiftのAlpe du Zwiftを選択しました。Zwiftでは、馴染みのある人気コースであることはもちろん、ゆっくり登っても1時間程度で長すぎず短すぎず、vEVERESTINGの特徴的なルールである下りでの休憩時間確保を期待しての選択です。 今回の挑戦は「The Le Col x Strava 8848 Challenge」の開催期間中だったため、Alpe du Zwiftの下降到達地点には、自分を含め、常に何人ものライダーが休憩(停止)して賑わっていました。 Alpe du Zwiftは、獲得標高1,042mであり、8,848mの到達には9回登り切れば確実に達成できます。また、Zwiftユーザーには馴染み深い人気コースでもあり、9回登頂するまでの終了時刻の目安も立てやすいコースかと思います。…

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仮想富士ヒルクライムとしてのZwiftコースの活用 (Alpe du ZwiftとVen-Top)

仮想富士ヒルクライムとしてのZwiftコースの活用 (Alpe du ZwiftとVen-Top)

2021年の富士ヒルクライムは終了してしまいました[1]が、「Zwifterの富士ヒル実態調査[2][3]」と言う、有り難いアンケート結果の考察がありましたので、早速自分の結果とも比較してみました。 ◎ 富士ヒルクライム = Alpe du Zwift × 1.58倍 俗説として「Alpe du Zwiftタイムの1.5倍 = 富士ヒルクライムのタイム」が以前から囁かれてはいましたが、「Zwifterの富士ヒル実態調査」でもシルバー・ブロンズクラスは概ね1.55倍が平均のようです。自分の経験値的にも1.5倍説は合致していましたが、実際に、今年の富士ヒルクライム直前のベストタイムで比較してみました。 Zwiftでは体重の設定を固定しているため、富士ヒルクライム当日の体重による補正として、概算で1kgあたり1時間の走行で30秒[12][13]の換算を行い、体重の差を補正した走行時間で比較してみました。 – 走行時間(分) 平均出力(W) 体重(kg) PWR(W/kg) 平均ケイデンス(rpm) 平均心拍(bpm) Alpe du Zwift 46:01 269 60 4.48 73…

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Wahoo KICKR (2020) + KICKR CLIMBのZiwft環境で試してみたこと

Wahoo KICKR (2020) + KICKR CLIMBのZiwft環境で試してみたこと

今年のコロナ禍で、3月頃から自宅勤務が続いてしまい、趣味であった自転車通勤の機会がなくなってしまいた。自宅勤務の開始当初は、朝晩の自転車通勤がなくなり体力がありあまる感もあり、サイクリングしてから仕事に取り掛かかる日々が続きました。しかし、今までの朝晩の自転車通勤の運動量を、朝の1回にまとめるのは体力的に難しく、長引くにつれだんだんと体力が落ちていく感じがありました。 今までは、毎日の自転車通勤でほどよく体力が維持できており、雨の日などは休養日の良い口実になっていたのですが、コロナ禍の今となっては雨の日に乗れないと気分転換もできません。それでも、週末はロングライドに出かけ、なんとか体調は維持できていたつもりでしたが、9月に開催された富士ヒルクライムに参加したもの記録は振るわず、今回の導入の契機となりました。 なぜKICKR (2020)を選んだのか? 単純ですが、どうせローラーを導入するならKICKR CLIMBを使ってみたい!と言うのが一番の理由です。今までは自転車通勤での充足感もあり、ローラーとは無縁の生活でしたが、サイクルモードや店頭で展示されているのを見かける度に、KICKR CLIMBは気にはなっていました。KICKR自体も海外(DC Rainmaker)のレビュー[1]でも厳しめながら評価は高く、現在PowerTapのパワーメーターをメインにしている関係もあり、以下の点も魅力的に映りました。 パワーメータの+/-1%への精度の向上 (PowerTap製品の+/-1.5%より高精度) パワーメーターのゼロキャリブレーション (PowerTapもそうなので) 有線のKICKR Direct Connectを提供予定 (キーボードも有線なので) AXISフィートシステム (レビューは厳しめだけど、効果はあるかも) 厳密にはパワーメーター精度については、評価時点のファームウェアでのスパイク気味な挙動や、50rpmの低ケイデンスでも高振れする傾向は気になりましたが、通常の実走行域や積算値的な影響は軽微と判断し、今回の購入に踏み切りました。 公式サイトからの購入 (即日発送) 購入については、国内外のショッピングサイトを比較してみたのですが、結局は公式のWahoo Fitnessから購入しました。国内だけではなく海外のサイトからの購入も可能ですが、コロナ禍で品不足の影響もあるのか値引きも少なく、公式サイトとの値段差もほとんどありませんでした。また各サイトの在庫状況は不明なところも多く、値引のあるものは時期的に旧モデル(KICKR 2018)の可能性もあるなど心配な面もあり、今回は無難に公式サイトからの注文を選択しました。 即日発送で、注文2日後に到着 Wahooアカウントを作成し、公式サイトから注文した訳ですが、驚いたことに注文した即日に発送の連絡がありました。注文時にはコロナ禍で発送が遅れる注記もあり、なんとなく海外サイトなので到着までは数週間かかる感覚で注文しましたが、発送は台湾からFedExによる直送で、即日発送で2日後には自宅に到着する迅速さでした。 また、心配となるのははサポート体制ですが、公式サイトの窓口自体は英語のみですが、サポートについては日本にも対応スタッフの拠点があります。日本語による即時対応な体制も整っていており、安心して購入できる状態です。今回は、たまたまKICKR CLIMBが初期不良となりましたので、詳細については後述します。 Zwift環境として準備したもの KICKRとKICKR…

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