仮想富士ヒルクライムとしてのZwiftコースの活用 (Alpe du ZwiftとVen-Top)

仮想富士ヒルクライムとしてのZwiftコースの活用 (Alpe du ZwiftとVen-Top)

仮想富士ヒルクライムとしてのZwiftコースの活用 (Alpe du ZwiftとVen-Top)

2021年の富士ヒルクライムは終了してしまいました[1]が、「Zwifterの富士ヒル実態調査[2][3]」と言う、有り難いアンケート結果の考察がありましたので、早速自分の結果とも比較してみました。

◎ 富士ヒルクライム = Alpe du Zwift × 1.54倍

俗説として「Alpe du Zwiftタイムの1.5倍 = 富士ヒルクライムのタイム」が以前から囁かれてはいましたが、「Zwifterの富士ヒル実態調査」でもシルバー・ブロンズクラスは概ね1.55倍が平均のようです。自分の経験値的にも1.5倍説は合致していましたが、実際に、今年の富士ヒルクライム直前のベストタイムで比較してみました。

- 時間(分) 平均出力(W) 体重(kg) PWR(W/kg) 平均ケイデンス(rpm) 平均心拍(bpm)
Alpe du Zwift 46:02 (64%) 269 60 4.48 73 155
富士ヒルクライム(2021) 71:11 236 57 4.14 78 156
富士ヒルクライム換算 1.54 13%↓ -3 0.34↓ +5 +1

結果としては、富士ヒルクライム直前のベストタイムでの比較は「Alpe du Zwift × 1.54倍」となり、「Zwifterの富士ヒル実態調査」の平均と変わらない結果となりました。

ただし、Alpe du Zwiftは、富士ヒルクライムと比較すると、勾配は厳しめなものの、50分ほどで登頂できてしまうため、本番と同じ滞在時間でパワーを出し続けるには物足りない、短めのコースである点は否めません。

◎ 富士ヒルクライム ≒ Ven-Top (0.99倍)

ただし、個人的には、富士ヒルクライムのトレーニングとしては、Alpe du ZwiftではなくVen-Topを登っています。「Zwifterの富士ヒル実態調査」でもシルバー・ブロンズクラスは概ね0.96倍が平均のようです。こちらも、今年の富士ヒルクライム直前のベストタイムで比較してみました。

- 時間(分) 平均出力(W) 体重(kg) PWR(W/kg) 平均ケイデンス(rpm) 平均心拍(bpm)
Mont Ventoux 71:16 257 60 4.28 70 153
富士ヒルクライム(2021) 71:11 236 57 4.14 78 156
富士ヒルクライム換算 0.99 8%↓ -3 0.16↓ +8 +3

結果としては、富士ヒルクライム直前のベストタイムでの比較は「Ven-Top × 0.99倍」となり、「Zwifterの富士ヒル実態調査」の平均よりはやや高めなものの、こちらもほぼ等しい果となりました。

Ven-Topは、コースレイアウト的にも後半に勾配が緩くなる区間があったり、登頂時間的にも80分近いトレーニングができるため、Zwiftの仮想富士ヒルクライムコースとしては、一番近しいコースではないでしょうか。

△ Climb Portal Mt.Fuji- 開催は不定期

2023年から導入されたClimb Portal[7]に、待望の富士ヒルクライムコース(Mt. Fuji)が2024年に登場しました[8]。Climb Portalは、Ven-Topのように登り始めまでの移動距離が短く、Zwiftの仮想富士ヒルクライムとしては、最も近しいコースとなります。

ただし、現状30コースほどリリース[7]されているClimb Portalですが、月毎に登れるコースが4つほどに限定されてローテーション[9][10]されており、気軽に登れる反面、定点観測がしにくいのが難点です。

特にMt.Fujiコースは、登場時の2024年の富士ヒルクライム開催期間こそ、頻繁に登場したものの、現状ではなかなかスケジュールに登場しない状況が続いています。

いずれにしろ、Climb Portal[7]を活用するには、月単位で公表されるスケジュールを確認しながら[9][10]、登場時には積極的に挑戦してみるのが良さそうです。

Ven-Topを好きな日に登るには?

Ven-Topは、仮想富士ヒルクライムのコースとして、コースレイアウト的にも滞在時間的に最適ですが、フランスのコースのため、Watopiaのように毎日は登れません。基本的には、Climb Portal同様に、月単位のスケジュールを確認し、フランスのワールドスケジュールに沿って計画し、Ven-Topに登ります。

スケジュール以外の日に登るには一工夫必要です。公式な方法としてはミートアップを開催したりトレーニングコースとして選択する方法[4]はありますが、ミートアップは開催が面倒であったり、トレーニング中は勾配が無視されたりと、使い勝手はいまいちです。

ただし、Zwiftには、公式・非公式な方法を含めて、スケジュール外の任意のコースをライドする方法[5]がありますので、これらの方法で、週末などに定期的に、好きな時間にVen-Topに登っています。いくつか、個人的に利用している方法を紹介します。

方法1: Fake Workouts

ワークアウトは、ライド開始時に全てのワールドとフリーライド可能なルートが選択でき、その中にフランスのVen-Topも含まれています。ワークアウト中は、勾配が無視されますが、ワークアウト終了後のフリーライドを利用する方法です。

ワークアウトが開始されたら、キーボードのTabキーや、Companionアプリでワークアウトのセクションをスキップすると、ワークアウトが終了できます[5]。既存のワークアウトを利用するのも簡便ですが、スキップなしで短時間で終了する、ヒルクライム用のカスタムワークアウトを準備するのも一案です[5][11]

ワークアウト後はフリーライドになり、画面表示も通常に戻りますので、この手順でVen-Topを登るのが、一般的には最も簡単な方法になるでしょう[5]

方法2: World Tag Hack

長年にわたり愛用されてきた方法 [5]が、Zwiftにの設定ファイル(prefs.xml)で任意のワールドを有効にする裏技 [5]を利用する方法です。個人的にはこの方法で、週末などに定期的に、好きな時間にVen-Topに登っています。

ZwiftHacksからのツール提供[4]などもありますが、個人的な設定としては、エディタ(Visual Code)をインストールし、デスクトップに設定ファイル(prefs.xml)のショートカットを作って、ダブルクリックで即時に編集できるように工夫をしています。

Ven-topに登るには、フランスのワールド番号「10」を、WORLDタグでprefs.xmlファイルに追加する必要があります [5]。これで、Watopiaの代わりにフランスのVen-Topが毎日登れるようになります。

おまけ - Lightweight MEILENSTEINを獲得するには?

Alpe du Zwiftは登頂時のルーレットで、Zwift内で最強の登りホイールであるLightweight MEILENSTEINを獲得することができます。確率的なランダムなルーレットとされていますが、ゲートを高出力でゴール通過することにより、比較的に簡単に獲得することができます。

経験上、Lightweight MEILENSTEINを獲得するには、単純に高出力でのゴール通過時が獲得につながる印象でしたが、8W/kgを目安が良いとのことです[6]

いずれにしろ、一度獲得すれば良いので、Alpe du Zwiftのゴール時には、高出力のスプリントで一踏ん張りして、Lightweight MEILENSTEINの獲得に挑戦して見てください。

最後に - 仮想富士ヒルクライムならVen-Topがお薦め

今回、個人的な経験値として感じてはいたものの仮想富士ヒルクライムとして「Zwifterの富士ヒル実態調査」との皆さんの平均と近しいことが確認できました。

ただ、仮想富士ヒルクライムとして、Zwiftコースを選択するのであれば、コースレイアウト的にも滞在時間的にも近しいVen-Topが、やはりお薦めのコースです。

Alpe du Zwiftを仮想富士ヒルクライムとして活用するのであれば、滞在時間が65%(= 1 / 1.54)の短時間で終了するのを意識して、より高負荷を意識して登るの必要があります。トレーニング計画や、当日の体調を見極めて、低負荷のVen-Topと使い分けるのが良さそうです。