ツール・ド・ふくしま 2026 参戦記

ツール・ド・ふくしま 2026 参戦記

ツール・ド・ふくしま 2026 参戦記

2026年6月14日に開催された「ツール・ド・ふくしま」のグランフォンドふくしま140に参加してきました。今年からUCIグランフォンドワールドシリーズの国内唯一の大会となり、8月末にニセコで開催されるワールドチャンピオンシップスへの出場権をかけたレースとして注目を集めた大会です。

福島県浜通りを舞台に、距離137km・獲得標高1800mというコースプロファイル。海沿いの平坦基調から阿武隈山地の山間部へと進む構成で、走り応えという点では申し分のないコースでした。ただ、正直なところ、運営面では気になる点も多い大会でした。

140km MEN 50+へのエントリー

エントリーしたのは140km MEN 50+のクラスです。今大会では、50歳以上の男子と19歳以上の女子については、UCIグランフォンド対象レースが80kmのメディオフォンドのほうに設定されています。つまり、自分が出た140km MEN 50+は、UCIグランフォンド対象外のクラスということになります。

ニセコのコースは2019年のニセコクラシックで走っていますが、外国からの参加者も含め、それぞれの思惑が入り混じった集団走行は、協調という面であまり楽しいものではありませんでした。

そのためUCIグランフォンドへの参加自体に興味はないものの、市民レースでこの規模の交通規制がかかるコースはそう多くありません。順位や出場権よりも、コースそのものを走ってみたいというのが参加の動機です。

前日 - ライダーズミーティングでの違和感

レース前日にはライダーズミーティングが開催されましたが、ここで運営に対する不安がかなり大きくなりました。まず、参加者ガイドの不備が目立ちます。参加者の視点で一度でも読み返していれば気づくはずの点が、そのまま残っている印象でした。

  • 140km参加者の当日の駐車場についての記載が不明瞭
  • 80km参加者の多目的広場からのバス出発時刻が書かれていない
  • ゼッケンは2枚配布されているのに、参加者ガイドには1枚と記載
  • ヘルメットシールも配布されているのに、参加者ガイドには言及なし

なかでも象徴的だったのが、ゼッケンの貼り方についての回答です。当日の質疑では「レースなので真横から見て数字が見える向きで貼るように」と、かなり強い口調での回答がありました。しかし、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアでも、最近は横に2枚並べるのが主流です。レースに対する認識自体が少し古いのではないか、と感じてしまいました。

結局この件は、後から「横に2枚並べても、真横から見て数字が見える向きでも、どちらでも構いません」と訂正[1]が出ています。実際、当日に真横に貼っていた人はほとんどいませんでした。

レース当日 - 想像以上に少ない集団

スタートは、同じくUCIグランフォンド対象外である140km WOMEN 19+、140km MEN 16-18との混合スタートでした。事前の出走リストで分かってはいたものの、140km MEN 50+は20人前後と、他のグループより明らかに少ない人数です。

前半60kmは平坦基調なので、できれば集団で進みたいところです。ただ、この集団からドロップすると後続集団もなく、その先が地獄になることは目に見えています。スタート前から、そこそこの緊張感がありました。そして実際、そのとおりの展開になっていきます。

序盤 - 中切れで高校生グループから脱落

一緒にスタートした高校生のグループは、すこぶる元気です。序盤のカーブでペースのアップダウンが繰り返され、その度に集団が伸び縮みします。そして早々に高校生グループとの中切れが発生し、140km MEN 50+はまとめてドロップしてしまいました。

前半60km - 10名ほどの集団で

ドロップ後は、140km MEN 50+の10名ほどの集団で、平坦基調の前半60kmを進むことになりました。登りでは脚力差がそのまま出て伸び縮みする状況でしたが、外国から参加された方も積極的にローテーションに加わってくれて、順調に進みます。とくに登り区間は、遅れないよう集団前方でクリアすることを意識して走りました。ただ平坦区間では、ディープホイールでない機材面の影響が大きく、ローテーションを何度かスキップさせてもらい、なんとかクリアできました。

60km地点 - 山間部で集団崩壊

60km地点から阿武隈山地に入ると、集団はあっさり崩壊しました。平坦区間で脚を溜めていた人たちは、ここから一気に前へ進んでいきます。自分はそこについていけず、ここから先は基本的に単独走になりました。

コースそのものは、東京で言えば都民の森のような雰囲気で、アップダウンが続き、集団で進むのが圧倒的に有利なレイアウトです。ちらほらと前走者に追いつきつつも、後半80kmを単独走で進むというのは、なかなかきつい展開でした。

山間部に入ってから目についたのが、落車の多さです。ところどころで、落車した人や機材トラブルで止まっている人を見かけました。ニセコクラシックでは、ここまでではなかった印象があります。終盤になると、機材トラブルに加えてオーバーヒートしている人もちらほら見かけました。

レース結果 - なんとか完走

結果としては、タイムアウトにならずに完走することができました。前半の集団に残れたこと、そして山間部でペースを落とし過ぎなかったことが、完走につながったのだと思います。

一方で、140km MEN 50+の先頭集団から離れてしまった人は、そのままDNFでリタイアとなっていました。出走人数が少なく、実質的に第1集団しかゴールできなかったのは、ちょっと残念なところです。

最後に

走り終えての率直な感想としては、50+なら80kmのほうが良かったかもしれません。UCIグランフォンド対象が80kmであることもあり、50歳以上の実力のある選手はそちらに集まってしまい、140km MEN 50+の出走者は20人前後という、レースとして成立しにくい人数になってしまいました。

運営面についても、ニセコクラシックや富士ヒルクライムのような成熟した大会と比較すると、どうしても杜撰さが目についてしまいます。UCIグランフォンドワールドシリーズの国内唯一の大会という看板を掲げるのであれば、参加料も安くはありませんし、このあたりはもう少し詰めてほしかったところです。

とはいえ、交通規制のかかった公道を140km走れるという体験自体は貴重ですし、海沿いから山間部へというダイナミックなコースプロファイルは、他の市民レースにはない良さがあります。ただ、前日から感じていた運営面の不安と落車の多さを思うと、次回も参加するかというと、正直なところ微妙なところです。