SHIMANO RC3 SH-RC300レビュー – SH-RC300の魅力とは

SHIMANO RC3 SH-RC300レビュー – SH-RC300の魅力とは

今回、シマノノレーシングロードシューズのラインナップに、RC3が新たにリリースされました。先進テクノロジーを搭載し、抜群のパフォーマンスを追求したロードシューズのラインナップとなります。 SH-RC300はエントリーモデルに位置づけられながらも、上位モデルから多くの機能を受け継いでおり、コストパフォーマンスに優れた一足となっています。本記事では、SH-RC300の特徴や利点、気になったポイント、おすすめのライダー層などを詳しく解説します。 SH-RC300の特徴と利点 SH-RC300は、SHIMANOのハイエンドモデル「S-PHYRE」シリーズで培われた技術を継承しつつ、現代的なトレンドを取り入れたコストパフォーマンスに優れた、高性能なロードシューズに仕上がっています。 BOAダイヤルの採用 – 素早い脱着と調整 SH-RC300の目玉機能の一つは、低価格帯ながらBOAダイヤルを搭載している点です。この価格帯では通常、ベルクロや靴紐が一般的ですが、SH-RC300はBOAダイヤルのみを採用しています。ベルクロとの併用もないシンプルな設計は、近年のロードシューズのトレンドではないでしょうか。 BOAダイヤルは、通勤など忙しいシチュエーションでも素早い脱着が可能です。また、ライド中に締め直したり緩めたりといった微調整も簡単に行えます。時間に余裕があれば、靴紐での調整も可能ですが、通勤など、利便性を重視するライダーにとって非常に実用的な選択肢となっています。 ベーシックなデザイン – シンプルでスタイリッシュ SH-RC300は、シンプルでありながらスタイリッシュなデザインが特徴です。加えて、SHIMANOのロゴや、RC3の製品名のデザインの配置は控えめで、過度に主張しない点も好印象です。カラーバリエーションもベーシックなブラックやホワイト、控えめながらネイビーやレッドなど、通常カラー以外のラインナップもあります。 正直、S-PHYREを筆頭とするシマノノレーシングロードシューズは、トレンドを先取りしている面もあるのか、奇抜なデザインが多く、好みが分かれるところではないでしょうか。シンプルなデザインを求める方にとってSH-RC300は魅力的な選択肢です。 WIDEモデルの選択肢 – ロングライドでも快適 SHIMANOのシューズを選ぶ理由の一つに、WIDEモデルの存在があります。SH-RC300にもWIDEモデルが用意されており、幅広の設計により足の窮屈感を軽減されています。特にロングライドでの快適性を追求したいライダーにおすすめです。 個人的に、シューズを選択する最重要事項は、「足が痛くならない」快適性です。通常モデルでは合わない可能性がある方も、WIDEモデルを選ぶことで足への負担を大幅に軽減できます。長時間のライドで足が痛くなる心配を軽減し、初心者から経験者まで幅広い層に対応しています。 独自のサラウンドラップ構造 – 靴舌を廃止 SH-RC300では、「サラウンドラップ構造」を採用し、靴舌(ベロ)が廃止されています。圧力を均等に分散するBOAダイアルの配置デザインで、特定の部位に負担がかかりにくく、足全体を包み込むようなフィット感があります。 従来のロードシューズに採用されていたベルクロと同じく、ベロが廃止されているのも、最近のロードシューズの重要なトレンドでしょう。BOAダイアルの配置位置は独特ですが、足全体を包み込むようなフィット感があります。 耐久性と通気性を両立したアッパー素材 アッパーには合成皮革とメッシュ素材を組み合わせた構造が採用されています。耐久性に優れた合成皮革と、通気性を高めるメッシュ素材の組み合わせによりフィット感と快適性を両立し、価格以上の高級感も感じさせます。 合成皮革といっても、細かいホールが空いているアッパー部は、シマノのSPDシューズに採用されているような質感の、傷や擦れに強い素材が使用されています。汚れはともかく、通勤のような、毎日のハードな利用にも気兼ねなく、使い倒せそうです。 SH-RC300の気になる点 SH-RC300は、エントリーモデルでありながら、上位モデルから多くの機能を受け継いでいるSH-RC300ですが、気になる点もいくつかあります。 剛性は控えめ…

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vEVERESTING (The Le Col x Strava 8848 Challenge)

vEVERESTING (The Le Col x Strava 8848 Challenge)

コロナ禍で世界中で行動が宣言される中、「The Le Col x Strava 8848 Challenge」の開催がありました。この機会に、全くの道の領域であった、vEVERESTINGに[1]へ挑戦してみました。 vEVERESTINGの特別ルール vEVERESTINGに[1]への挑戦には、スマートトレーナーの利用およびZwiftなどの公式認定アプリの利用が必須となります。基本的に屋外のEVERESTINGの公式ルール[2][3]の公式ルールに準じますが、難易度的には「下り坂はバイクから降りての休憩」が認められているのが、最大の特徴です。 また、紳士協定的になりますが「体重は正確に」「難易度(勾配)設定は100%」などの細かな注意点がありますので、挑戦する際には必ず公式ルール[1]を熟読することをお勧めします。 コース選択 – Alpe du Zwiftがお勧め vEVERESTINGに[1]への挑戦には、ZwiftのAlpe du Zwiftを選択しました。Zwiftでは、馴染みのある人気コースであることはもちろん、ゆっくり登っても1時間程度で長すぎず短すぎず、vEVERESTINGの特徴的なルールである下りでの休憩時間確保を期待しての選択です。 今回の挑戦は「The Le Col x Strava 8848 Challenge」の開催期間中だったため、Alpe du Zwiftの下降到達地点には、自分を含め、常に何人ものライダーが休憩(停止)して賑わっていました。 Alpe du Zwiftは、獲得標高1,042mであり、8,848mの到達には9回登り切れば確実に達成できます。また、Zwiftユーザーには馴染み深い人気コースでもあり、9回登頂するまでの終了時刻の目安も立てやすいコースかと思います。…

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仮想富士ヒルクライムとしてのZwiftコースの活用 (Alpe du ZwiftとVen-Top)

仮想富士ヒルクライムとしてのZwiftコースの活用 (Alpe du ZwiftとVen-Top)

2021年の富士ヒルクライムは終了してしまいました[1]が、「Zwifterの富士ヒル実態調査[2][3]」と言う、有り難いアンケート結果の考察がありましたので、早速自分の結果とも比較してみました。 ◎ 富士ヒルクライム = Alpe du Zwift × 1.54倍 俗説として「Alpe du Zwiftタイムの1.5倍 = 富士ヒルクライムのタイム」が以前から囁かれてはいましたが、「Zwifterの富士ヒル実態調査」でもシルバー・ブロンズクラスは概ね1.55倍が平均のようです。自分の経験値的にも1.5倍説は合致していましたが、実際に、今年の富士ヒルクライム直前のベストタイムで比較してみました。 – 時間(分) 平均出力(W) 体重(kg) PWR(W/kg) 平均ケイデンス(rpm) 平均心拍(bpm) Alpe du Zwift 46:02 (64%) 269 60 4.48 73…

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Wahoo SPEEDPLAY ZEROペダル – 1ヶ月利用してみて

Wahoo SPEEDPLAY ZEROペダル – 1ヶ月利用してみて

今回、Wahooからリニューアル[1]されたのを機会に、初めてSPEEDPLAYのペダルを購入してみました。購入から1ヶ月、富士ヒルクライム[2]などのレース参加と合わせて、屋外を中心にしばらく実走を続けてきました。 ペダリングシステムとしては特徴的な面もあり、実走を続けてみて一長一短のある感想となりましたが、やはり他社ペダルと比較して踏み込みトルクや足首角度が意識しやすく、自身のペダリングを見直す機会になったのは最大の収穫です。今回、SPEEDPLAYで得られたペダリングの感触は、他社ペダルにも応用できそうです。 付属品 – 各社シューズに対応 ペダル本体には、各社シューズや各シューズサイズに応じた取り付けが可能なように、複数のシムや取り付けネジが付属しています。別売りの他社ペダルと違い、シムや取り付けネジを取り付けながら最適なものを選べる構成です。 シムはシューズ底面の湾曲に合わせて2種類、取り付けネジはシューズの底面の厚みに応じて長短選べます。特に今回初めての購入となるだけに、別売りで購入を躊躇するよりは、初心者には有り難い付属品の配慮です。 設定: △ (調整幅が狭い?) 今回、41EUサイズのfi’zi:kのシューズ(R1B INFINITO BOA)に取り付けましたが、ベースプレートは最初についていた青色のシムで隙間なく取り付けられました。ただし、説明書に記載があるように、シューズ底面とベースプレートに隙間がある場合には、付属の別のシムとの交換になります。 気になった点としては、ベースプレートの調整幅が狭いかも?ということです。最初に、最近主流になりつつある母指球と小指球の中間ラインにペダル軸を合わせたのですが、以下の写真にある通り、後退幅にほとんど余裕がありません。 最終的には、踏み感の違いから最大限までベースプレートを後退させるのですが、なんとか調整できたものの、シューズとの相性や、極端に深い位置のクリート位置を好む人の場合には、調整が出せないかもしれません。 着脱: △ (踏み嵌め動作が必要で緩め) 最初はベースプレートの確認をかねて、室内でステップインしてみたのですが、全然嵌まりませんでした。「馴染みがでるまで嵌めにくい」噂は聞いていたので心配しましたが、外に出ていろいろ試してみたところ、案外早くにコツを掴むことができました。金属の馴染みが必要と言うよりも、独特の装着方法を意識して慣れていく感じです。 「ダンシングして、クランクを下死点で止め、ペダルを水平して踏み抜く」動作をすれば確率高く装着できます。いまのところ「サドルに座り漕ぎながら瞬間的に踏み込んでペダルを嵌める」動作は成功率が低く、どうしてもダンシングして踏み込んで装着する頻度が高いので、若干街乗りには不向きかなと思います。 両面ペダルとは言え、SPDのようにガチャ踏みして適当に嵌まることはないので、シィティングにしろダンシングにしろ、明確に嵌めるための踏み込み動作が必要です。他社のロードペダルのように、ダンシングの必要なく、クランクを回しながら軽い動作で装着できるほうが、片面で裏返るデメリットを考慮しても、街乗りではストレスがないかもしれません。 対して、ステップアウトについては簡単で、他社ペダルと比べると、かなり軽い感触です。その反面、フローティングはかなり軽く、フローティング角度は無段階で調整できるものの、フローティング角度を狭くすると簡単に外れてしまうので、固定的な感触が好みの方には、この緩さが気になるかもしれません。 踏み感: ◯ (縦方向に安定、横方向は不安定) ペダルが小さいため、実走前はSPDペダル的な感触も想像していましたが、SPDのような点で踏むような感覚は全くなく、他社のペダルとは異なり、前後の広い面で踏んでる感触があり、独特の安定感があります。むしろ、往年のSPD-Rのような縦方向の安定感が感じられます。 ただ、仕様的にはスタックハイトは低いものの[3]、剛性感を踏まえてのダイレクト感は、シマノやLOOKのペダルより低めで、タイムのペダル的な感触でしょうか。もう少し剛性感があっても良い感じがもしますが、硬い感じはなく踏み込めるので剛性的には適切なのかもしれません。 縦方向: ◎ (安定)…

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Mt.富士ヒルクライム 2021 参戦記

Mt.富士ヒルクライム 2021 参戦記

先週、今年の富士ヒルクライムレースに参加してきました。昨年に引き続き[1]今年もコロナ禍の開催となりました。出走開始時の甘さもあり終始トレインには乗れませんでしたが、今年は久々にゴールまで激しい雨もなく、天候に恵まれました。本番も72分台の自己ベストでシルバーを確保でき、事故もなく無事レースを終えることができました。 レース前々週の試走 – 単独走でシルバー圏内に 今年もコロナ禍の開催となり、昨年と同じ一斉スタートはなく、フリースタートでの開催が予告されていました。昨年秋開催の富士ヒルクライムのフリースタートは閑散[1]としており、その経験もから単独走になっても大丈夫なようにと、体調を整えて試走に臨みました。 試走は本番の2週間前でしたが、当日はかなりの快晴で、多くのサイクリストが5合目に登りに来ていました。富士スバルラインは今年の初めに雪崩がありましたが、試走時には復旧工事も無事に終わり[2]迂回の仮設道路が設置されていました。 幸いにも、迂回の仮設道路もタイムには影響はなさそうで、結果は料金所からのタイムが71分台(4.12W/kg)とシルバー圏内、5合目までとても気持ちよく登れました。本番当日の料金所までの追加を2分として追加しても73分台と、充分シルバーは確保できるタイムです。また、大沢駐車場から、単独試走時の自己ベストから40秒近くペースが落ちていることもあり、当日はまだタイムが伸びる余地がありそうな結果でした。 また今回は、直前に組み替えたホイール[4]と、こちらも直前に購入した今年Wahooから発売された新型SPEEDPLAY[5]の機材確認もかねて試走に臨みました。タイムもよく、機材的に気になったことないので、本番もこの機材で望むことにしました。 去年はコロナ禍で自転車通勤がなくなり体調を落としてしましましたが、室内トレーニング環境の導入[3]により、試走時にはパワーウェイトレシオ的にはベストに近い状態まで戻せました。あとは、当日まで体調を落とさず、できるだけダイエットして当日を迎えることにしました。 レース当日 – 天気は良好 例年、富士ヒルクライムの開催週になると天候が悪くなり、特にここ数年は雨模様の開催が続いていました。しかし、今年は天気予報もよく、駐車場の到着時も雨は降っていませんでした。天候は、最終的には登り切った後に雨に降られたもののレース中は小雨もなく、帰路はともかくレース的には天候に恵まれた年でした。 今年は、出走までの待ち時間もないフリースタートのため、いつもなら待ち時間用に着込むウィンドブレーカーもジャージのポケットに入れ、受付後そのまま走れる体制で駐車場を出発します。 いつもなら、なるべく先頭に近いところからスタートできるように、若干早めに会場入りするのですが、今回はフリースタートでの開催です。去年参加の経験もあり、出走時間帯の30分枠に間に合うように、ゆっくり準備してしまいました。 レース開始 – 先頭グループを逃す 去年参加の経験もあり、締め切り時間に間に合えばぐらいの感じで、開始時間が過ぎてから駐車場をスタートしました。結果として、これが出走枠開始の先頭グループに間に合わず、足の合うトレインにまったく乗れなかった原因となります。 会場につき、検温チェックを終えて、スタート地点に到着して見ると、昨年とは様子が違います。出走時間枠には間に合ったものの、フリースタートとは言え、すでに次の出走時間枠の参加者が列を成して並んでいる状態です。 かなりの混雑でしたので指定時間枠のスタートは諦め、次の出走時間枠の先頭グループがスタートしてから、ある程度混雑がなくなってからスタートしました。ただ、スタートしてみたものの、先頭グループとは、あきらかに雰囲気が違います。 計測地点を過ぎても、料金所まで勢いよく駆け上がっていく参加者もなくトレインも全くありません。結果的には、レース中に1名に抜かれただけで最後まで一人旅、一度もトレインに乗ることなく、試走と同じ単独走でのレース終了となりました。 レース結果 – なんとか自己ベスト更新 残念ながら、終始単独走でのレース終了となりましたが、なんとか試走より早いタイムでレースを終えることができました。料金所からは71分台(4.14W/kg)、公式記録でも72分台と、なんとか無事シルバーを確保することができました。 小雨はありつつも、最後まで雨は降らず、試走と同じく天候にも恵まれました。出走開始枠の先頭グループから遅れての出発が原因となり、最後までトレインに乗ることはできませんでしたが、タイム的には試走と同じパフォーマンスが出せました。 レースの振り返り – 試走よりトルク抜け…

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Cannondale CAAD4 クランク交換 (FC-R9100 → FC-7700)

Cannondale CAAD4 クランク交換 (FC-R9100 → FC-7700)

今年の初め、CAAD4のクランクを旧来品(FC-7700)から現行品(FC-R9100)へ変更[1]したものの、踏みこみの際の剛性感の違和感に慣れることができず、いったん旧来品のクランクに戻してみることにしました。 FC-7700に戻してみるとFC-R9100で慣れることができなかった剛性の違和感がなくなりました。おそらく、最近のカーボンバイク剛性に合わせたFC-R9100の剛性感は、20年前の剛性も落ちたアルミフレームとのマッチングが良くなかったようです。 剛性感の違いによる違和感 最新クランクのFC-R9100へ変更はいてみたものの[1]、全体的な剛性感の高低は感じられないのですが、ちょっと踏み味が変わってしまいました。いままでの踏み方だと遅れて前に進むと言うか、踏んでも進まない感じがあり、違和感を感じながらも乗り続けました。 平坦では違和感は薄いものの、登坂ではその違和感が強くでます。よくよく踏んだ感じを確認してみると、踏み始めにコツンとした感触があるというか、踏んだときの力点ずれていて、いままでの有効だった踏み込み点が、角度で言えば2度ぐらい後ろにあるような感覚があります。 FC-7700 + BB-7710に再換装 明らかに、いままでの踏み方だと踏み始めが遅い感覚があるため、試しにサドル後方に座り、踏み込むポイントを早めにすると、違和感は消えます。腰を引いたペダリングで、平坦での違和感はほぼなくなったものの、登坂時にはそれほど腰を引くわけにもいかず、試しに乗り慣れた旧クランク(FC-7700)に一旦戻すことにしました。 FC-R9100に換装するまでULTEGRAグレード(BB-6500)のBBを利用していましたが、とくにゴリ感もなく回転もスムーズで耐久性的な問題はなかったものの、交換ついでに新品のBB-7710に変更してみました。BB-7710は、トラック用として提供されているもののメンテナンス不要(正確にはできない)で、軸長109.5mm、シェル幅68mmとロード用のBB-7700と互換性があり、現行入手できるオクタリンク形式としては最適なBBだと思います。 オクタリンク形式のBBはロードバイクでは見かけることはなくなったのですが、現在でもDURA-ACEグレードのBBが入手できるのは有り難いです。当時のDURA-ACEグレードのBB(BB-7700)は玉当たりの調整もできたのですが、趣味レベルでそこまで調整することはなく、メンテナンス不要の現行のBB(BB-6500)に変更した経緯もあり、そんな自分の用途にはBB-7710は最適なBBです。 シマノクランクの剛性について 今回、感覚的な剛性感の違いから旧クランクに戻してしましましたが「Fair Wheel Bikes」サイトに、各社のクランクの剛性を計測した「Road Bike Crank Test – Fairwheel Bikes Blog」という記事がありました。写真にある設備で、クランクとチェーンを固定し、その状態から50ポンド(22.68kg)の力を加え、更に150ポンド(68.03kg)の力を加えた際の、駆動側(D)と非駆動側(ND)側別にたわみ距離を計測しています。 試験対象には今回のFC-R9100のような最新クランクは含まれていませんが、FC-R9100のレビュー記事を参考[4]にすると、計測対象になっている、FC-9000から体感できるほどの剛性アップはなさそうです。また、FC-7700も同じく計測対象には含まれていないため、個人的に同じ感触の旧カンパのアルミクランクをFC-7700に見立てて抜粋してみます。 – Deflection-D (mm) Deflection-ND (mm) Avg Deflection…

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PowerTap GS + KINLIN XR-200のアップグレード (のむラボホイール5号組を参考に)

PowerTap GS + KINLIN XR-200のアップグレード (のむラボホイール5号組を参考に)

4年前に組んだ「PowerTap GS + KINLIN XR-200」ホイールですが、軽量ホイールでややコースを選ぶため、最近は利用頻度が落ちていました。そのため、いったんバラしてリムを入れ替えよう思っていましたが、ふと、以前から気になっていた、のむラボホイール5号[1][2]を参考に、リアホイールを組み直してみました。 のむラボホイール5号[1][2]とはハブ構成が異なるため、リアのドライブ側のスポークのみの組み替えとなりましたが、体感的にも数値的にも、もともとの強みであった登坂力がさらに強化され、想像以上に効果が体感できました。 リアドライブ側スポークの入れ替え (CX-RAY) のむラボホイール5号[1][2]は、現在のホールと同じリム(XR-200)、同じスポーク本数(前20H/後ろ24H)の構成ですが、リアドライブ側のみCX-RAYではなくコンペティションで組む通称「半コンペ[3]」で組まれるのが特徴的なホイールです。 ただ、のむラボホイールのもう一つの売りである結線[5]については、今回のストレートスポーク用のリヤハブであるPowerTap GS(DT SWISS 240S相当)では構造上できません。そのため、今回はリアドライブ側のコンペテンション(12本)のみを取り寄せ半コンペ[3]組を試してみました。 のむラボさんでの指摘[4]もある通り、いったん半ドライブ側のCX-RAYのテンションを落とさないと、交換したスポークのテンションの上げるのは難しい感じです。半ドライブ側を緩めないと、ドライブ側のテンションが高くなりそうなので、いったんテンションを落としてからの調整となりました。 試走してみて (+7%の効果?) 組み替え後、その効果を近所の短距離の坂で試してみました。試走は、なるべく同一条件の比較にしようと、ホイールを組み替える3日前とおなじメニューで試してみました。早速、登り坂で踏んだ感じは、完組ホイールのような剛性感があがってカッチリしたと言うよりも、踏んだ時にバネ感が出てじっくり踏めこめる感触に変わりました。 組み替え前は、踏み込むと言うよりも、ややひっかけ気味でクルクル回すようにすると伸びるように登っていくホイールでしたが、組み替え後は、バネ感を意識して丁寧に踏んでいくと、グイグイ登っていくような感触に変わりました。 – DT-Comp(W) DT-Comp(秒) CX-RAY(W) CX-RAY(秒) 平均 398 (+6.9%) 56 (-7.1%) 372 60…

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Mavic Open Pro UST + Power Tap GS

Mavic Open Pro UST + Power Tap GS

久々に新設計のリムとしてMavicから市販されたOpen Pro USTを、普段使いからレースまで利用できるホイールとして組んでみました。現行のMavic完組ホイールでいえば、汎用ニップル構成でパワーメータ付きのKsyrium SL[1] といった構成のホイールでしょうか。 2018年の登場当初に購入していたOpen Pro USTですが、組む機会がないまま保管していました。さすがに、そろそろ組んでみようと、既存ホイール[2]をバラすつもりでしたが、夏場にオールラウンドで使えるホイールがもう1本欲しくなり、今回は新規のホイールとして組んでみました。 Open Pro USTの魅力 定番といえば定番ですが、Mavicの市販リムは20年以上前から設計が変わっておらず、近年は製品ラインナップも縮小気味でした。Open Proは名称も含めて形状の変化はありませんし、現行のOpen CXP Proについても形状から20年前のCXP22と同等品でしょうか。そんな状況で、発表されたOpen Proは久々に市販されたMavicの新設計のリムとなります。 完組ホイールリムの技術投入 かつてのCosmic Eliteに対してCXP30のような、Mavic完組ホイールリムの市販は久しくありませんでしたが、Open Pro USTは現行市販されているKSYRIUMの形状に近しく、久々の完組ホイールと同等品の市販となる製品です。 ただし、完組ホイールと同じくISM4Dテクノロジーが投入されていますが、完全な同等品ではありません。専用ニップルのねじ切り(FOREテクノロジー)はなく、一般ニップルで組めるシングルアイレットの製品となっています。Open PRO USTはレース用ではなくエンデュランス用として製品展開されており、アイレットによる強度確保も目的でしょう。 24Hのラインナップ 最近の感組ホイールは、スポーク数も少なくなり、ロード向けに24H以上で組まれている製品は少なくなっています。従来のマビック市販リムのホール数と言えば、クラシカルな28H・32H・36Hのラインナップしかありませんでしたが、Open PRO USTでは24Hが追加されているいるのも大きな魅力です。 今回のホイール部品構成 今回も、他のホイール[2][3]との比較もあり、リアは24Hの半コンペ[4]の反ドライブ側はCX-RAYのホイールとして組んでみました。リアハブにはPower…

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Bianchi ROMA3 + WH-R501-CL (ハブ軸135mm化)

Bianchi ROMA3 + WH-R501-CL (ハブ軸135mm化)

最近、家のクロスバイク(Bianchi ROMA3)のホイールが老朽化してきたので、安価に入手できるロードバイク用のシマノホイールに交換しました。ただし、6年ほど前のクロスバイクでエンド幅が135mmのVブレーキ仕様で、ホイールはもとより対応パーツの選択肢が狭くなってきています。 マウンテンバイクと共に、クロスバイクも急速にディスクブレーキ化が進んできており、135mmエンド幅のVブレーキはいつの間にか、マイナーな規格になってしましました。今回はコロナ禍で関連パーツの入手もできなかったため、今回はロードバイク用のホイールを135mmのハブ軸に部品を交換して装着してみました。 付属ホイールの老朽化 ホイール交換のきっかけとしては、ブレーキ交換(BR-T610)時です。リムは前後ともに振れはないものの、数本ほどテンションが下がっているスポークがあります。いったん応急処置的に調整はしましたが、経年劣化したホイールは連鎖的に故障していくので、そろそろ寿命かもしれません。 前後のハブはシマノ製の32HのHB-RM70/FH-RM70、スポークはRICHMANの2.0mmプレーン、リムは製品仕様からHJC DA-16という名称のようですが、高さはあり剛性感もあります。ハブはメンテナンスなしで乗っていましたが、見た目には玉押しには傷はないものの、かすかなゴリ感が気になります。 ハブについては、グリスを入れ直せば問題がないレベルでしたが、老朽化した初期ホイールですし、この機会にアップグレードついでに、ホイール自体を交換してみることにしました。 135mmのリムブレーキハブは品薄 最初は、安価で安いホイールを組もうとしていたのですが、すんなりとはいきませんでした。最初は、今回のクロスバイクに必要な、135mmのリムブレーキ用のハブを入手し安価なホイールを組もうと考えました。 シマノのサイトから明確なリンクはありませんが、現在でもなんとかDEOREクラスのハブ(HB-T610/FH-T610)の販売は継続されているようです。ただし、コロナ禍の自転車需要の影響かどこも在庫切れで、入荷の予定は夏以降と直ぐには入手できない状況でした。 その他、リムブレーキ用の135mmのハブとしては、下位グレードのHB-TX800/FH-TX800はなんとか入手できそうでした。ただ、部品表を見ると玉押しの品質が、今のハブ(HB-RM70/FH-RM70)よりも廉価で、実用的には全く問題はないものの、このハブでわざわざホイールを組むのはどうしようと迷ってしまいました。 悩みつつ注文をかけてみたものの、こちらもコロナ禍の影響かFH-TX800についても在庫切れで、リムブレーキ用の135mmのハブの入手は、一旦は諦めざる負えない状況でした。 WH-R501の流用 (135mmハブ軸へのアップグレード) ただ、いろいろと調べているうちに、ロードバイク用のホイールを流用している記事が目につきました。また、シマノのエントリーレベルのホイールが安価に入手できることも知り、現在でも入手できるWH-R501のホイールを、実際に135mmハブ軸へアップグレードしているショップさんの記事も見つかりました[1]。 WH-R501の部品表の確認 今回のクロスバイクも、前輪は100mmで互換性があるのですが、後輪はロードの130mmに対して135mmとエンド幅の互換性はありません。そこで、まずWH-R501の部品表[3]を確認してみました。 ただ、WH-R501のハブについては旧来のカッ&プコーン形式で、部品構造については部品構造は簡素化はされていますが20年前の製品と同じ構造の9ボールです[5][6]。また、入手できなかったハブ(FH-TX800)の部品表[4]を確認してみると、こちらも同じ9ボールの構造で互換性がありそうです。 部品としては、FH-TX800部品[4]の⑥の146mmのアクセル(Y3CC09010)と⑧の11mmスペーサー(Y3SL05000)を、WH-R501の⑤のハブ軸(Y30K01100)と⑥スペーサー(Y4SK98060)と交換すればアップグレードできそうです。 WH-R501のハブ軸・スペーサー交換 FH-TX800ハブは入荷未定で購入できなかったものの、FH-TX800の補修品[4]で目的の⑤のハブ軸(Y30K01100)と⑥スペーサー(Y4SK98060)を含む、クイックリリースタイプの②の部品一式(Y31J98010)は注文できるとのことで、早速WH-R501ホイールセットと共に購入してみました。 必要な工具 (15mm・17mmハブ調整スパナ) 届いて確認してみると、WH-R501・FH-TX800の双方とも普及帯のハブのため、通常の13mmと14mmではなく、15mm・17mmのハブ調整スパナの組み合わせとなります。現状の普及帯のWH-R501とFH-TX800は、20年前の構造[5][6]と変わらず当時の工具で対応でき、シールやダストキャップ類なども簡素化され(耐久性はともかく)メンテナンス性も良さそうです。 最近のシマノの105以上のハブは6角レンチで簡単に調整できるようになりましが、従来のハブは、以下のように2本のハブ調整スパナの組み合わせて使います。 基本的には、下側のスパナで固定しながら、上側のナットを開け閉めします。推奨トルクが10〜15 N·m[2]とのことで、かなりの力が必要です。記憶違いかもしれませんが、昔の製品はこんなに固かったかな?と思うほどトルクが必要でした。 WH-R501のハブ軸・スペーサー交換 とりあえず、WH-R501の分解ができたので、FH-TX800の補修部品を組み込んでいきます。交換作業については、FH-TX800の⑥の146mmのアクセル(Y3CC09010)をベースに、より品質の良いWH-R501の部品を組み込んでいきます。…

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Cannondale CAAD4 クランク交換 (FC-7700 → FC-R9100)

Cannondale CAAD4 クランク交換 (FC-7700 → FC-R9100)

近年の9100系/8000系のコンポーネントのワイドレシオ化をきっかけに、9速から11速コンポーネントに部分的に換装していたCAAD4[1]ですが、最終的にほとんどのパーツを11速化してみました。室内トレーニング環境のロードバイク[4]のクランク長統一(175mm → 180mm)を機会に、9速コンポーネントのクランクとブレーキの流用の見直しです。 クランクセットの交換 (FC-7700 → FC-R9100) 最近、室内トレーニングに利用することが多いロードバイク[4]のクランク長が175mm(FC-7700)だったため、トレーニング環境のクランク長(180mm)に統一しました。この機会に、今までCAAD4に装着していたFC-7700(180mm)のクランクをトレーニングバイクへのに移し、CAAD4のクランクを新たにFC-R9100(180mm)に換装してみました。 180mmのFC-7700についても予備はあったのですが、DURACEも今年のメジャーチェンジを控えての影響か、現行の11速クランク(FC-R9100)がセールの値引きと合わせ思ったより安く購入でき、この機会でのアップグレードとなりました。 また、カンパでは180mmクランクは一般には流通しなくなって久しいですが、180mmクランクがDURACEに限定されるものの、いまだ一般に入手できるのもシマノのコンポの強みです。 実走行してみての感想 : ◯ FC-R9100は、実際持ってみると想像以上に軽量で驚いてしまいましたが、FC-7700とは感触はことなるものの、軽量ながらも、かなりの剛性感があります。ただ、FC-7700と比較すると剛性感の違いというか、おそらくは剛性が高い結果でしょうが、剛性感を感はじめる始点がFC-R9100の方が早い感触があり、上死点付近での違いが違和感として感じられました。 FC-7700も登場時はホローテックの導入で高剛性が売りのクランクでしたが、剛性感の違いから競輪やロードのプロ選手でも旧クランク(FC-7410)を愛用する選手が少なからずいました[3]。自分的には、その当時のFC-7700にそれほどの違和感は感じることはできなかったのですが、FC-R9100の剛性感については世代格差も大きいせいか違和感も大きく、しばらく乗り込んで慣れてみたいと思います。 ブレーキの交換 (BR-7700 → BR-R9100) 今回はクランクの換装がきっかけでしたが、ブレーキについても旧型のSuperSLRブレーキ(BR-7700)を流用し、シマノ非推奨の構成(B互換)であったため、今回のアップグレードに合わせてNewSuperSLRブレーキ(BR-R9100)に交換してみました。 なぜ非推奨なのか? – 実測値での違い いままで利用してきた、NewSuperSLRのブレーキレバー(ST-9001)と、SuperSLRブレーキ(BR-7700)の組み合わせですが、シマノの互換性表[4]では「制動力は、標準の組合わせよりわずかに低下します」と表現されています。 換装後、手元にある各種ブレーキを、前回と同じく吊り下げ秤で計測[5]してみました。実測値で現行のブレーキより35%ほど、旧来のNewSLRブレーキのバネが強いことが分かります。 型番 強さ(kg) 太さ(mm) 巻き数(回) BR-R8000…

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