先週、今年の参加するレースの目標にしていたニセコクラシック2019に参加してきました。北海道の自転車旅行こそ何度かありますが、レースとしての参加は、今回のニセコクラシックが初めてとなります。
結果としては、年代別の107人出走中64位と、なんとか完走できました。ただ、実際に参加してみると、想定していたよりも登りメインのコースプロファイルで、参加者のレベルも全体的に高いことが、強く印象に残りました。今回は、その感想をレポートしてみたいと思います。
前々日の試走
今回、私自身は初めての参加ということもあり、試走のため、レース前々日の金曜日から現地入りしました。当日は早朝に飛行機で移動したものの、あれよこれよという間に宿泊先に着く頃には日没も近くなってしましました。
レース前日は軽くサイクリング程度に納めたいので、結局思想としては、第一関門となる最初のパノラマラインのみ実走行、残りのコースは車でのコースチェックとなりました。
試走前は、パノラマラインの登りはあるにしろ、全体に下りと平坦がメインのコースと勝手に思い込んでいました。ただ、実際に車でコースを走ってみると、結構な登り基調のコースが多く、ちょっと大変そうで驚いてしましました。
ただ、実際にロードで走ってみると、車で走ってみた感じともまた違う感じです。実走行は、コースで一番長い登り区間である、パノラマラインの麓からロードで走ってみたのですが、車での印象とは異なり、意外とスイスイと登れる感じで、ちょっと変な感じがしました。
感覚的には、富士スバルラインから急勾配をなくして、時間を半分にした感じでしょうか。おそらく勾配が一定で、急な勾配がないため、登りやすいのでしょう。試走の結果、パノラマラインは36分台で登れることが分かり、なんとなくの感覚は掴めました。
また、コース上一番長い下り区間である神仙沼関門からの下りも試走してみましたが、思ったほど飛ばせる感じもなく、下りが苦手な自分としては、ちょっとホッとしました。下りは遅れるケースが多いのですが、この下りであれば、(この時には)それほど大きな差はつかない印象を持ちました。
残りのコースは車で周るかたちになりましたが、一番距離が長いパノラマラインの登りや、そこからの下りを試走できたことに加えて、予想よりもはるかに登りが多いコースレイアウトであることがインプットできたのは、おおきな収穫でした。やはり、試走は大事です。
レース結果
結果としては、年代別の107人出走中64位、上位からの割合は59.8%でした。関門については足切りされずに、なんとか完走はできはしましたが、UCIグランフォンド出場枠である上位25%は、遥かに遠いなぁーと言うのが、ゴールしてみての率直な感想です。
全体的に参加者のレベルが高く、上位25%を目指すとしても、時間にすると30分程度の開きがあります。140kmの距離はあるにしろ、この30分の差を埋めるには、参加者のレベルを考慮すると、なかなか容易ではなさそうです。
コースの感想
当日の体調は、雨の影響で練習できない日が続いたものの、CTLはほぼ目標通りの98、体重については前月の富士ヒルクライムから1kg減の体脂肪率は19%ほどでの出走となりました。コース的には、もう少し体重は落とすべきでしたが、あまり落とせませんでした。
服装については、スタート前の待ち時間は寒かったものの、スタート前にはジャケットを荷物としてあづけ、半袖ジャージで出走しました。出走中には寒く感じることはなく、当日のレース後半には温度もあがったので、正解だったと思います。
完走を目指すには、コース的には、やはり第一関門の通過が目標となります。あとは、下りや平坦ではなるべく集団で移動するように心がければ、あとの関門はタイム的には、どんどん余裕がでてきます。その他、コースを走ってみての印象です。
1 レーススタート - 急ブレーキに気をつけて
年代的に、最後尾からのスタートとなります。今年はパレード区間がありコントールされている[1]とのことで、スタート直後は、集団はカーブやアップダウンの度にスローダウンする展開が続きます。まだまだ序盤なので、自分としては、急ブレーキで落車やタイヤを消耗することがないように、慎重に進みます。
細かなアップダウンが続くと、集団の密集具合も緩和されてきたので、抜けるところで抜いて前に上がって行きました。ただ、前方のペースはともかく、年代的には後方からのスタートなるので、なかなか先頭に追いつくのは難しいかもしれません。
2 パノラマライン〜神仙沼関門 - 第一関門を無事通過
仲間内で、おそらく第一関門の通過が鬼門となりそうとは話していたので、レース前から足切りにならないように油断せずに登ろうと決めていました。また、富士スバルラインのように全体的に緩い勾配なので、なるべくトレインがあればついていくように心がけて登りました。
まだまだレース序盤であるため、抑え気味に登りました。結果としては、試走タイムの36分から112%遅れの41分台でパノラマラインを登りきれました。出力としても平均213Wと、試走時の241Wの88%で押さえて第一関門を通過できたため、まずまずの感じです。
ただ、通過時刻は関門時刻ギリギリの15分前の通過で、あらためて設定タイムに厳しさに驚いてしまいました。また、頂上までの区間は強風のところも多く、適時トレインに乗れたのも大きかったと思います。
3 神仙沼関門からの下り - 集団から脱落
自分は下りが遅いので、課題であることは重々認識していたのですが、神仙沼関門で補給などをしている間に、前方の集団からあっと言う間に離れてしまいました。
試走の結果、この下りでそれほど差はつかないだろうとの、甘い認識もあったので、距離が離れていないうちに追いつかなかった判断が大失敗でした。結局、下り切っても前の集団に追いつくことはありませんでした。
4 蘭越町の平坦区間 - 集団でホッと一息
下り区間が終わりそうな地点で、もう一つの集団が後ろから追いついてきました。あきらかに、自分とは下りの速度が違っていましたが、直後の平坦区間を考えて、頑張って後ろをついていきます。
第二関門を過ぎてからは、20kmほどの平坦区間になり、10数名ほどの集団で進むことになりました。強風になる区間もあり、集団前方の5名ほどが積極的にローテションしながら進みます。自分もローテーションに積極的に加わりましたが、3名ほど強い方達がいたので、ずいぶん助かりました。
先頭からはだいぶ離れた集団なので、完走狙いでしょうか、引かない人は全く引きません。それはともかく、レース後半になり中切れする人も出てきたので、あまり後方まで下がらずに、集団前方で中切れを待ってローテーションするように心がけました。
5 道道268号線登りからゴールまで - のんびりムード
平坦区間が終わり、道道268号線登りに入ると、声を掛け合って集団は解散となりました。お互いに軽く挨拶を交わして、あとは各自のペースでゴールを目指します。関門は残り2つありましたが、時間的にはどう転んでも完走できるタイムとのことで、気分的には余裕を持って進みます。
この区間になると70kmレース参加者も混じり、140kmレースの参加者も完走が見えているためか、全体的にのんびりムードです。おそらく、この区間が頑張ればタイムを縮められたとは思いますが、その時の気分としては「180Wぐらい出ていれば良し」といった感じで、ゴールを目指します。
これが功を奏したのか、車で試走した時には気が滅入っていたはゴールまでのアップダウン区間については、苦しい感じもなく淡々と進むことができ、気がついたらゴールといった感じでした。
レース中については、落車は2箇所、パンクや機材トラブルの方達も見かけましたが、大きなトラブルもなく完走でき、怪我もなく、なによりの結果となりました。
レース分析
レースの数値としては、ゴール時間は4:43で、パワー的には平均165W/NP193Wでした。他の参加者と比較してみたのですが、平均とNPの乖離が大きいのが課題です。やはり下りが苦手てなこともあるのですが、若干テクニカルで踏み切れなかったのが、ひとつの要因だと思っています。
パワープロファイル的には、20分:240W → 4時間:172Wで、最終的には69%の出力ダウンでゴールできました。ただし、疲労プロフィール的には平均以下の数値なので、最初の20分は抑え気味だったのを考慮すると、数値以上に良い結果ではありません。
20分 | 1時間 | 1.5時間 | 2時間 | 4時間 | ゴール(4:43) |
---|---|---|---|---|---|
240W | 205W | 205W | 188W | 172W | 167W |
100% | 85% | 85% | 78% | 71% | 69% |
下りも含むコースのため、疲労プロフィールの判断は難しいのですが、やはり下りで踏み切れなかったのが原因と思っています。また、今回は初参加で登りは全般的に抑え気味にしたのですが、勾配も全般的にゆるく、下りも多いため、それらの区間での回復も考慮して、登りはもう少し出力をあげても完走には問題なかったかもしれません。
今回の課題としては、登りで抑え過ぎたのと、下りが踏み切れなかったことでしょうか。また、最後の区間は、順位はともかく、余力を残さずゴールすべきでした。次回参加する機会があれば、この経験を活かしていきたいです。
参加機材
今回のニセコクラシックは、基本的には富士ヒルクライムと同じ機材ですが、参加前は平坦区間と下りで遅れる心配をしていたので、ホイールはディープを選択しました。
Component | Specification |
---|---|
Frame | Cannondale CAAD4 - Saeco Term Replica |
Fork | LOOK HS3 Carbon 1 inch Threadless |
Headset | Shimano Dura-Ace HP-7410 + HIRAME Threadless Converter |
Shifters | Simano Dura-Ace ST-9001 11 Speed |
Front Derailleur | Shimano Dura-Ace FD-R9100 11 Speed |
Rear Derailleur | Shimano Dura-Ace RD-R9100 11 Speed |
Crankset | Shimano Dura-Ace FC-7701 180mm |
BB | Shimano Dura-Ace BB-7700 |
Sprocket | Shimano Ultegra CS-R8000 11 Speed 11-32T |
Brakes | Shimano Dura-Ace BR-7700 Brake Lever Integrated |
Stem | Deda Zero 1 120mm |
Handlebar | Deda RHM 02 400mm |
Seatpost | Deda RSX 01 27.2mm |
Chain | Shimano Dura-Ace CN-HG901 11 Speed |
Pedals | PowerTap P1 |
Wheels | DT SWISS RC46H SPLINE |
Tires | Vittoria CORSA G+ 23C |
今回のホイールでも、全般的に勾配や緩めのため登坂時に不利に感じることはありませんでした。ただ、実際には想像より登りが多いコースだったので、登りメインでホイールを選択するのもありかもしれません。
タイヤについては、Vittoria CORSA G+にしましたが、路面の状況を細かに伝えてくれるのですが、自分としてはインフォメーションとしては多すぎるかもしれません。今回のレースでも、路面からのインフォメーションが多く、パンクと勘違いしてしまうことがありました。
昔からVittoriaメインにタイヤを選択してはいるのですが、個人的には軽快さを含めて、以前のOpen CORSA CXの方が好みです。最近、再度リニューアルされましたが、どう改善されているのでしょうか。
最後に - また参加してみたい!
今回、ニセコクラシックに初参加してみましたが、参加者も全体的にレベルが高いため、このなかで上位を目指す、とくにUCIグランフォンド出場枠の上位25%に入るのは、今のトレーニングレベルではなかなか難しいと言うのが、率直な印象でした。
上位を目指す場合にはもちろんですが、完走するにしても各関門の時間も厳しめなので、参加するには、それなりの準備が必要であるレースであることも事実だと思います。やはり、楽しく参加するには、もう少しトレーニング量と体調管理が必要です。また、上位入賞はともかく、純粋にコースプロファイルだけでも魅力的なレースなので、機会があれば来年でも、また参加してみたいと思いっています。